フリーランスから正社員・ベンチャーへ転職する方法【2026年最新版】戻れる人の特徴・年収の変化・職務経歴書の書き方と失敗パターンを高野秀敏が解説

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー

「フリーランスになったけれど、成長している実感がない」「もう一度、組織の中で大きな仕事がしたい」——ここ数年、こうしたご相談が目に見えて増えています。独立ブームの頃に会社を辞めた方が、30代・40代に差しかかって次のキャリアを考え始めている、というのが私の実感です。

キープレイヤーズの高野です。27年、ベンチャー・スタートアップへの転職を支援してきました。結論から言うと、フリーランスから正社員、とくにベンチャー・スタートアップへの転職は十分に可能です。「一度フリーランスになると会社員に戻れない」というのは、私の周りを見ている限り誤解です。ただし、戻れる人と苦労する人ははっきり分かれます。

この記事では、実際にいただいたご相談をもとに、フリーランスから正社員に戻る人が増えている背景、企業がフリーランス出身者のどこを見ているか、年収の変化、職務経歴書の書き方、転職の進め方、そして失敗パターンまで、率直にお伝えします。

この記事でわかること

  • フリーランスから正社員・ベンチャーに転職できる人の特徴
  • フリーランスを続ける・正社員に戻る・起業する、3つの道の比較
  • 企業がフリーランス出身者を採用するときに見ているポイント
  • 正社員に戻ると年収はどう変わるか(「1.8倍」の考え方)
  • 職務経歴書の書き方と、転職の6ステップ
  • 年代別のアドバイスと、よくある失敗パターン

▶ あわせて見たい高野の解説動画:「フリーランスからベンチャーへのキャリアはあるのでしょうか?【フリーランス転職】」

目次

結論:フリーランスから正社員への転職、早見表

ポイント 結論 補足
正社員・ベンチャーに戻れるか 戻れる フリーランス期間に「信頼される仕事」をしていれば、ブランク扱いにはならない
評価されやすい人 成果を数字で語れる人 取引先の数・継続率・売上・担当した案件の成果を説明できる
苦労しやすい人 会社員時代の仕事を切り出しただけの人 「何が伸びたのか」を説明できないと評価されにくい
相性がよい転職先 ベンチャー・スタートアップ 自走力・幅広い経験を評価する文化があり、業務委託から正社員になる道もある
年収 売上ベースでは下がることが多い 会社負担の社会保険料・賞与・有給を足すと、実質の差は見た目ほど大きくない
一番の近道 取引先・知人からの声がけ(リファラル) 次点で、業務委託から正社員への切り替え

今回のベンチャー・スタートアップ転職相談

フリーランスからベンチャー転職できる人の特徴

まず、実際にいただいたご相談をご紹介します。

相談者:新卒でベンチャーに就職して、採用担当として働いていました。現在はフリーランスで採用代行の仕事をしています。ただ、フリーランスで働いていると成長している実感が無く、もう一度組織人として働きたいと考えています。フリーランスからベンチャー・スタートアップへのキャリアはありますか? また、そのあとはどのようなキャリアになるのでしょうか?

このご相談、実はとても典型的です。会社員時代に担当していた仕事を、そのまま外から請け負う形で独立する。最初は収入も上がり、自由も手に入る。ところが数年たつと「同じことを繰り返しているだけで、自分は伸びていないのでは」という不安が出てくる。採用、広報、マーケティング、エンジニアリング、デザイン、どの職種でも同じ流れを何度も見てきました。

高野の回答①:フリーランスで「稼げる人・稼げない人」がいるのは当然

フリーランスになると、稼げる方と稼げない方がはっきり分かれます。そして、会社員より稼げていても、キャリアについて心配になる方は非常に多いです。

ご相談者のように、会社員時代の仕事をある種切り出して受けている場合、仕事の量は取引先の事情に左右されるので、安定はしません。そのうえで私は、会社員時代の約1.8倍は稼げていることが、フリーランスを続ける最低ラインだとお伝えしています。後ほど詳しく説明しますが、会社が負担していた社会保険料や賞与、有給休暇、営業や事務にかかる時間を考えると、同じ金額を稼いでいても生活の実質は会社員より厳しくなるからです。

そして、1.8倍はあくまでミニマムラインです。会社員時代の3倍以上稼げているなら、独立した意味が十分にあると思います。それだけ余力があれば、新しいサービスを作るなど次の挑戦にも投資できます。逆に、目標が低すぎる場合は、目標を高く置き直す必要があります。

高野の回答②:「一度フリーランスになると戻れない」は誤解

よく「一旦フリーランスになると元に戻れないんじゃないか?」という方がいます。しかし、私の周りを見ている限り、良い仕事をしていれば関係ありません。採用の仕事自体は無くならないので、仕事はあります。

実際、フリーランスの仕事で信頼を得られていれば、問題なくベンチャー・スタートアップへ転職できます。フリーランスでそのままキャリアを積み重ねる人もいますし、事業会社に戻る人もいます。フリーランスの仕事を皮切りに自社サービスを作って売り、事業化して起業する人もいます。私が関わってきた中には、そこからイグジット(株式の売却などで創業者が利益を得ること)まで到達した方もいます。フリーランスからのキャリアアップの成功事例は、いくらでもあります。

一方で、「自分は成長していないのでは?」という感覚には、正直に言うと一理あります。今までやってきたことの切り出しを続けているだけなら、確かに伸びにくい。だからこそ、このタイミングで組織に戻って、より大きな責任を持つという選択は十分に合理的です。

フリーランスから正社員に戻る人が増えている背景

まず、数字で全体像を確認しておきます。

データ 数値 出典
本業がフリーランスの人 約209万人(有業者の3.1%) 総務省「令和4年就業構造基本調査」
副業を含むフリーランス 約462万人(本業214万人・副業248万人) 内閣官房ほか「フリーランス実態調査」(2020年)
独立後に収入が会社員時より減った人 元正社員の約半数 マイナビ「フリーランスの意識・就業実態調査2024年版」
働く上での不安の1位 「収入に波がある・不安定」38.8% 同上
働き方全体への満足 59.6% マイナビ「同2025年版」
収入への満足/不満 満足25.4%/不満42.4% 同上

働き方そのものへの満足度は約6割と高い一方で、収入に満足している人は4人に1人にとどまります。自由は手に入ったけれど、収入の不安定さと成長実感の薄さが残る。これが、正社員に戻ることを考え始める方の典型的な心境です。

私が現場で感じている背景は、大きく3つあります。

  1. 単価の頭打ち:同じ仕事を続けていると、経験年数ほど単価が上がりません。生成AIの普及で、定型的な制作・代行業務は値下がり圧力も強まっています。
  2. 大きな仕事に関われない:外部パートナーには、経営の意思決定や組織づくりの中核は任されにくい。マネジメント経験も積めません。
  3. 企業側の受け入れが進んだ:ベンチャー・スタートアップでは業務委託から正社員になるケースが珍しくなくなり、フリーランス経験を「自走できる証拠」と見る会社が増えました。

なお、2024年11月には、いわゆるフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行され、取引条件の明示や60日以内の報酬支払いなどが発注側に義務づけられました。フリーランスとして働く環境は以前より整ってきています。マイナビの2025年版調査でも、約4割が働きやすさの向上を実感しています。「フリーランスがダメだから戻る」のではなく、「次のステージに進むために組織を選ぶ」という整理で考えるのが健全だと思います。

フリーランスを続ける・正社員に戻る・起業する:3つの道を比較

ご相談者のように迷っている方は、まず3つの選択肢を並べてみることをおすすめします。

比較項目 フリーランスを続ける 正社員(ベンチャー)に戻る 起業する
収入 案件次第で上下が大きい 安定。SOで上振れの可能性 当初は不安定。成功時の上振れは最大
成長の機会 専門性は深まるが、領域は広がりにくい マネジメント・事業づくりの経験が積める 経営のすべてを経験できる
自由度 最も高い 中程度(ベンチャーは裁量が大きい) 高いが、責任も最大
リスク 取引先の減少・病気・単価下落 会社の業績・事業撤退 資金繰り・事業失敗
向いている人 高単価で指名される専門家 大きな仕事・組織での成長を求める人 解決したい課題と顧客が明確な人

ご相談者のケースで言えば、採用代行の延長で自社サービスを作って事業化する道もあります。ただ、正直にお伝えすると自社サービスを作ること自体は誰でもできますが、作った後に儲かるケースは物凄く少ないです。起業を考えるなら、一度ベンチャーで事業づくりを経験してからでも遅くありません。起業の準備については起業準備でやることの全体像にまとめています。

企業はフリーランス出身者のどこを見ているか

採用する企業側の目線を知っておくと、準備の方向が定まります。私が多くの経営者・人事責任者と話してきて、評価されるポイントと懸念されるポイントはほぼ共通しています。

評価されるポイント 懸念されるポイント
指示がなくても自分で仕事を取りに行ける自走力 組織のルールや意思決定のスピードに馴染めるか
複数の会社を見てきた引き出しの多さ またすぐ独立してしまうのではないか
営業・見積もり・請求まで一人で回してきた事業感覚 チームで成果を出す・人を育てる経験があるか
顧客から継続して指名されてきた実績 専門外の泥臭い仕事も引き受けられるか

つまり、フリーランス経験そのものはプラスに評価されます。面接で確かめられているのは「なぜ今、組織に戻るのか」と「この会社に長く腰を据えるのか」の2点です。ここに納得感のある答えを用意できるかどうかで、結果が大きく変わります。企業側がどんな人材を求めているかはスタートアップ採用ガイドも参考になります。

フリーランスから正社員に転職するメリット・デメリット

メリット

  • 大きな仕事・意思決定に関われる:外部の立場では触れられない経営の中枢に入れます。
  • マネジメント経験が積める:40代以降の市場価値を大きく左右する経験です。
  • 収入が安定する:社会保険の会社負担、賞与、有給休暇が戻ってきます。住宅ローンの審査も通りやすくなります。
  • ストックオプションという上振れ:ベンチャーでは、早い段階で入るほどSOの付与を受けやすくなります。
  • 営業・事務から解放される:本業に使える時間が増えます。

デメリット

  • 自由度が下がる:働く時間・場所・案件を自分で選べなくなります。
  • 見た目の年収は下がりやすい:フリーランス時代の売上と比べると、提示額が低く見えることが多いです。
  • 社内調整のストレス:会議や合意形成に時間を取られることへの違和感は、最初は大きいはずです。
  • 副業の制限:既存の取引先との関係を続けられるかは会社の規定次第です。

正社員に戻ると年収はどう変わる?「1.8倍」の考え方

冒頭で「会社員時代の約1.8倍がフリーランスを続ける最低ライン」とお伝えしました。逆に言えば、フリーランス時代の売上の6割前後の年収提示でも、実質的にはそれほど損をしていないということです。理由を整理します。

項目 会社員 フリーランス
社会保険料 健康保険・厚生年金は会社と折半(会社が年収の約15%を別途負担) 国民健康保険・国民年金を全額自己負担。将来の年金も少なめ
賞与・退職金 会社による(ある会社が多い) なし
有給休暇 年10〜20日 休めば売上ゼロ
稼働率 ほぼ100%が業務 営業・見積もり・請求・経理に時間を取られる
経費 PC・通信・オフィスは会社持ち 自己負担(ただし経費計上できる)

私の感覚では、フリーランスで年間売上1,000万円の方が、年収650〜700万円の正社員オファーを受けたとき、生活の実質はほぼ同水準です。さらにSOや昇給の余地を考えると、中長期では正社員の方が上回ることも珍しくありません。オファーを比べるときは、売上と年収を単純に比較しないことが大切です。年収と手取りの構造は年収・手取りガイド、交渉の進め方はベンチャー転職の年収交渉術で詳しく解説しています。

なお、年収提示の根拠として企業が見るのは「フリーランス時代の売上」ではなく、「同じ職種・同じ役割の社内の相場」です。売上をそのまま前年年収として伝えると、会社側と話がかみ合わなくなるので注意してください。経費を引いた所得額と、担当していた業務の規模をセットで伝えるのが現実的です。

フリーランスから正社員に戻れる人・苦労する人

戻れる人(向いている人) 苦労する人(向いていない人)
取引先から継続して指名されている 単発の案件をつないでいるだけ
成果を数字で語れる(採用人数・売上・改善率など) 「〇〇を担当していました」と作業しか語れない
戻る理由が前向き(より大きな仕事・組織づくり) 戻る理由が「収入が不安だから」だけ
チームで成果を出すことに価値を感じる 自分のやり方を変えたくない
年収より、役割と成長機会を優先できる フリーランス時代の売上と同額を求める

特に大切なのは、戻る理由を「逃げ」ではなく「次のステップ」として語れるかです。面接官は「収入が不安定だから戻りたい」という本音も理解しています。そのうえで、「この会社で何を実現したいのか」が語れる人が採用されます。

職務経歴書の書き方:フリーランス期間は「事業」として書く

フリーランス出身者の書類で一番多い失敗は、期間を「フリーランス(個人事業主)」と1行で済ませてしまうことです。書類では、その期間を一つの事業として、プロジェクト単位で成果を書くのが基本です。

書く項目 書き方の例(採用代行のフリーランスの場合)
事業の概要 スタートアップ向けの採用代行(RPO)。主な取引先 累計8社、うち継続契約5社
担当範囲 採用計画の設計、求人票作成、スカウト運用、面接調整、エージェントとの窓口
成果 シリーズAのSaaS企業でエンジニア採用を半年で6名(目標5名)。スカウト返信率を8%→15%に改善
工夫・再現性 職種別のスカウト文テンプレートと選考データの管理表を整備し、3社に横展開
組織への関わり方 経営会議に月1回参加し、採用計画を事業計画と連動させた

守秘義務がある場合は、社名を「シリーズAのSaaS企業」のように伏せても問題ありません。数字が書けない部分は、規模感が伝わる表現にしましょう。ベンチャー向けの書き方はベンチャー転職の職務経歴書完全ガイドで詳しく解説しています。また、フリーランス期間を空白期間と見られないかが心配な方は転職の空白期間(ブランク)完全ガイドもご覧ください。きちんと事業として書けていれば、空白とはみなされません。

フリーランスから正社員・ベンチャーへ転職する6ステップ

  1. 戻る理由を言語化する:「何が足りないから組織に戻るのか」「組織で何を実現したいのか」を一文で言えるようにします。
  2. 自分の市場価値を確かめる:フリーランス時代の売上ではなく、正社員としての相場を把握します。自分の市場価値の調べ方で紹介している方法が使えます。
  3. 取引先・知人に声をかける:一番の近道は、仕事ぶりを知っている取引先からの声がけです。「正社員も考えている」と伝えるだけで話が動くことがあります。
  4. 業務委託から入る道も検討する:週2〜3日の業務委託でお互いの相性を確かめ、正社員に切り替える方法です。詳しくは副業・業務委託からのスタートアップ転職ガイドをご覧ください。
  5. ベンチャーに強いエージェントを併用する:フリーランス出身者の評価のされ方を知っているエージェントを選ぶと、書類の見せ方から相談できます。選び方は転職エージェントの選び方 完全ガイドにまとめています。
  6. 既存の取引先との関係を整理する:内定が出たら、引き継ぎ時期と、副業として続けられるかを入社先と相談し、取引先に誠実に伝えます。

年代別のアドバイス

20代:ポテンシャル採用の枠がまだ使える

20代でフリーランスから戻る場合、企業は経験よりも伸びしろと意欲を見ます。独立を経験した行動力はプラスに評価されやすい年代です。年収よりも、成長できる環境を最優先に選びましょう。

30代:専門性+マネジメントへの意欲が鍵

30代は最も動きやすい年代です。フリーランスで磨いた専門性に加えて、「チームを率いたい」という意欲を示せると、マネージャー候補として採用されるケースが多くあります。ご相談者のような採用領域の方なら、採用責任者や人事の立ち上げポジションが狙えます。人事職のキャリアは人事(HRBP・採用担当)転職ガイドも参考にしてください。

40代以降:役員・事業責任者クラスか、専門職として

40代以降は、マネジメント経験の有無で道が分かれます。会社員時代に管理職経験がある方は、事業責任者や執行役員として迎えられることもあります。そうでない場合は、高度な専門職として入るのが現実的です。年代ごとの戦い方は年齢別転職ガイドで詳しく解説しています。経営幹部を目指す方はCXO転職ガイドもご覧ください。

よくある失敗パターン5つ

失敗①:フリーランス時代の売上を基準に年収交渉する

売上と年収は別物です。売上と同額を求めて内定を逃したり、交渉がこじれたりするケースは本当に多い。先ほどの表のように、実質で比べてください。

失敗②:「収入が不安だから」をそのまま志望動機にする

本音としては理解されますが、それだけでは採用されません。「組織で何を実現したいか」を中心に据えましょう。

失敗③:フリーランスの働き方を入社後も続けてしまう

自分の担当範囲だけをこなし、社内の調整や他部署への協力を避けると、「やはり組織に向かない」と見られます。入社後半年は、意識して社内の関係づくりに時間を使ってください。

失敗④:会社のフェーズを見ずに選ぶ

フリーランス出身者は、裁量が大きい創業期の会社に惹かれがちです。ただ、仕組みづくりが苦手な方が創業期に入ると疲弊します。会社のフェーズと自分の強みが合っているかを確かめましょう。ベンチャー転職の失敗例はベンチャー転職 失敗・後悔ガイドにまとめています。

失敗⑤:既存の取引先を雑に手放す

取引先は、将来の人脈であり、次の転職の紹介元にもなります。引き継ぎを丁寧に行い、関係を残しておくことが、長い目で見て一番の資産になります。

ケーススタディ:採用代行のフリーランスから、スタートアップの採用責任者へ

ご相談者と近い経歴の方の例です(複数の事例を組み合わせ、個人が特定されないようにしています)。

新卒でベンチャーの採用担当を3年経験し、独立して採用代行を4年。取引先はスタートアップを中心に常時3〜4社、売上は年900万円前後でした。「同じ業務の繰り返しで、採用戦略や組織づくりに踏み込めない」と相談に来られました。

取引先の一社であるシリーズBのSaaS企業から「うちの採用責任者にならないか」と声がかかり、正社員として入社。年収は700万円にSOが付く条件で、売上と比べると下がりましたが、社会保険料の会社負担や賞与を考えると実質はほぼ同水準でした。入社後は採用チームを5名に拡大し、2年後には人事全体を統括する立場になっています。

この方がうまくいった理由は、フリーランス時代から取引先の経営会議に入り込み、「外部の作業者」ではなく「採用のパートナー」として信頼されていたことに尽きます。まさに「良い仕事をしていれば関係ない」の典型例です。

よくある質問(FAQ)

Q1. フリーランス歴が長いと、正社員への転職は不利になりますか?

期間の長さより、その期間に何をしてきたかが見られます。5年以上のフリーランス経験があっても、継続取引や成果が説明できれば問題ありません。ただし40代以降は、マネジメント経験の有無が問われやすくなります。

Q2. フリーランス期間は職歴として認められますか?

認められます。個人事業主として開業届を出していた場合はもちろん、業務委託契約で継続的に働いていた期間も職歴として書けます。プロジェクト単位で成果を書きましょう。

Q3. 大手企業とベンチャー、どちらが受け入れられやすいですか?

一般的には、ベンチャー・スタートアップの方が受け入れられやすいです。自走力や幅広い経験を評価する文化があるためです。大手企業でも、専門職採用では増えてきています。ベンチャー転職 完全ガイドもご覧ください。

Q4. 正社員になった後、既存の取引先の仕事を続けてもいいですか?

会社の副業規定と、競合にあたらないかによります。ベンチャーでは副業を認める会社も多いですが、入社前に必ず確認し、合意を取っておきましょう。

Q5. 業務委託から正社員になるのと、最初から正社員で入るのはどちらがいいですか?

相性を確かめられる点で、業務委託から入る方が失敗は少ないです。ただし、業務委託の期間が長引くと、正社員への切り替えのタイミングを逃すこともあります。半年程度を目安に話し合うのがおすすめです。

Q6. 転職エージェントはフリーランスでも使えますか?

使えます。むしろフリーランス出身者は書類の見せ方で評価が大きく変わるので、相談相手がいた方がよいです。ベンチャーに強いエージェントを1〜2社選びましょう。

Q7. また独立したくなったらどうすればいいですか?

組織でマネジメントや事業づくりを経験した後の独立は、最初の独立よりずっと有利です。正社員に戻ることは、キャリアの後退ではなく、次の独立や起業への準備にもなります。コンサル出身でフリーランスとして活動している方はコンサルからの転職ガイドもあわせてご覧ください。

まとめ:フリーランスの経験は、組織に戻っても武器になる

  • フリーランスから正社員・ベンチャーへの転職は十分に可能。「戻れない」は誤解
  • フリーランスを続けるなら、会社員時代の約1.8倍の収入がミニマムライン。3倍以上なら独立の意味は大きい
  • 企業は「なぜ今戻るのか」「長く腰を据えるか」を見ている
  • 売上と年収を単純比較しない。社会保険料・賞与・有給を足すと、実質の差は小さい
  • 職務経歴書では、フリーランス期間を一つの事業としてプロジェクト単位で書く
  • 一番の近道は、仕事ぶりを知っている取引先からの声がけ

フリーランスとして一人で事業を回してきた経験は、組織に戻っても間違いなく武器になります。「成長している実感がない」と感じたときは、次のステージに進むサインかもしれません。

フリーランスから正社員への転職、ベンチャー・スタートアップへの転職を考えている方は、高野までお気軽にご相談ください。キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

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この記事を書いた人

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。1万2000件以上のキャリア面談、4,000名以上の経営者と採用相談にのる。80社以上のエンジェル投資、投資して上場は9社。うち2社は役員として上場(クラウドワークス、メドレー)。178社以上の上場支援実績。顧問・社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数300回以上。「ベンチャーの作法」(ダイヤモンド社)5万部を超えるベストセラー

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