こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職支援を27年続けているキープレイヤーズの高野です。
「年収350万円って、やっぱり低いのかな」「手取りにすると毎月いくらなのか」「一人暮らしと貯金を両立できるのか」——20代の方や、地方・中小企業で働く方とのキャリア相談で、とてもよく出てくる年収帯です。年収350万円は日本の平均給与(487万円)より約140万円低い一方で、女性の給与所得者では平均(342万円)とほぼ同じという、見る角度によって評価が変わる水準です。
先に答えを出します。2026年分の税制で計算すると、年収350万円の手取りは約279万円(278.7万円)、月にならすと約23.2万円です(40歳未満・独身・扶養なし・東京都・協会けんぽ・賞与なしの概算)。手取り率は約79.6%。天引きは年約71万円で、そのうち約53万円が社会保険料、所得税はわずか年4万円ほどです。
2026年は所得税の基礎控除が104万円に拡充されたため、2025年分と比べて所得税が年約8千円軽くなります。ネット上で「手取り約276万〜278万円」とされている試算が多いのは、2025年までの税制で計算しているためです。
この記事では、①手取りと天引きの内訳、②条件別の手取り早見表、③上位何%か(全体・男女・年代)、④独身・夫婦・子育て世帯の生活レベル、⑤家賃・貯金・住宅ローン・ふるさと納税の目安、⑥メリット・デメリット、⑦400万・500万円へ伸ばすルートと5ステップ、⑧失敗パターン、⑨年代別アドバイス、⑩FAQ——を、私がキャリア相談で見てきた実例を交えて解説します。年収帯ごとの全体像は年収・手取りガイドにまとめています。
結論:年収350万円は「手取り月23.2万・平均より下・20代なら伸ばせる」
| 論点 | 2026年のリアル |
|---|---|
| 手取り年収 | 約279万円(手取り率 約79.6%) |
| 月の手取り | 賞与なしなら月約23.2万円、賞与4か月なら毎月約17.5万円+賞与 |
| 天引き | 年約71万円。うち社会保険料が約53万円、所得税・住民税が約18万円 |
| 全体での位置 | 300万超400万以下は全体の15.5%で、日本で最も人数が多い年収帯。350万円超は推計で全体の約61% |
| 平均・中央値との比較 | 平均給与487万円より約137万円低く、中央値(推計約420万円)にも約70万円届かない |
| 男女で見ると | 男性では下位4分の1あたり、女性では平均(342万円)とほぼ同じ |
| 税制上の位置 | 所得税率は最低の5%区分。基礎控除は2026年の特例で104万円 |
| 家賃の目安 | 手取りの25〜30%で月5.8万〜7.0万円 |
| 住宅ローンの目安 | 返済負担率20〜25%で約1,900万〜2,400万円 |
私の実感:年収350万円の方の相談で多いのは、「仕事は嫌いではないけれど、このままで将来大丈夫なのか」という漠然とした不安です。私の経験では、年収350万円から5年で500万円を超えていく方の多くは、能力が特別高いわけではありません。「給与水準の高い業界・職種に、早めに移った」——ほぼこれだけです。逆に、同じ会社で昇給を待ち続けた方は、30代になっても400万円前後で止まっているケースをたくさん見てきました。
年収350万円の手取りと税金【2026年最新の内訳】
天引きの内訳(賞与なし・額面月29.2万円の場合)
| 項目 | 月額 | 年額 | 計算のしくみ |
|---|---|---|---|
| 額面 | 291,667円 | 350万円 | — |
| 厚生年金保険料 | ▲27,450円 | 約32.9万円 | 標準報酬月額30万円×9.15%(労使折半) |
| 健康保険料+子ども・子育て支援金 | ▲15,120円 | 約18.1万円 | 30万円×(4.925%+0.115%)。東京都・協会けんぽ |
| 雇用保険料 | ▲1,458円 | 約1.8万円 | 賃金×0.5%(2026年度の労働者負担) |
| 所得税(復興特別所得税込み) | ▲約3,400円 | 約4.1万円 | 課税所得 約80万円×5%×1.021 |
| 住民税 | ▲約12,000円 | 約14.4万円 | 所得割10%+均等割。前年の所得で決まる |
| 手取り | 約232,300円 | 約279万円 | 手取り率 約79.6% |
※40歳未満・独身・扶養なし・東京都・協会けんぽ(令和8年度料率)・賞与なしで12等分した場合の概算。健康保険組合や自治体、扶養状況によって数万円単位で変わります。
所得税の計算の流れは、年収350万円 −給与所得控除113万円(350万×30%+8万円)=給与所得237万円。ここから社会保険料約53万円と基礎控除104万円を引いた約80万円が課税所得で、税率は最低の5%です。住民税は基礎控除が43万円のままなので課税所得は約141万円になり、所得税(約4万円)より住民税(約14万円)の方が3倍以上重いという構造になっています。
天引き約71万円のうち、約74%が社会保険料です。年収350万円の方にとって、「税金」より「社会保険料」の方がずっと大きな負担だということは覚えておいてください。2026年4月分からは「子ども・子育て支援金」が健康保険料に上乗せされ、年収350万円なら年4千円ほど負担が増えています。
2026年の税制改正で所得税はどう変わったか
2026年分から、所得税の基礎控除は合計所得489万円以下の人で104万円(2026・2027年分の時限措置を含む)になりました。年収350万円(合計所得237万円)の方は、2025年分の基礎控除が88万円だったので16万円増え、所得税が年約8千円軽くなります。この拡充分は毎月の源泉徴収には十分反映されず、12月の年末調整でまとめて戻ってくるしくみです。年の途中で転職した方は、前職の源泉徴収票の提出を忘れないでください(転職した年の年末調整ガイド)。
条件別の手取り早見表
| 条件 | 手取り年収 | 月の手取り |
|---|---|---|
| 40歳未満・独身・賞与なし | 約279万円 | 約23.2万円 |
| 40歳未満・独身・賞与2か月 | 約278万円 | 毎月約19.9万円+賞与 |
| 40歳未満・独身・賞与4か月 | 約280万円 | 毎月約17.5万円+賞与 |
| 40歳以上(介護保険料あり)・独身 | 約276万円 | 約23.0万円 |
| 配偶者控除あり(配偶者の年収が扶養内) | 約284万円 | 約23.7万円 |
| 配偶者控除+16歳以上の子1人を扶養 | 約290万円 | 約24.1万円 |
注意したいのは賞与の有無です。同じ年収350万円でも、賞与4か月の会社だと毎月の手取りは17万円台まで下がります。毎月の生活費は月給ベースで組み立てるのが鉄則です。手取り月額から逆算したい方は、手取り22万円の額面・年収ガイドや手取り25万円の額面・年収ガイドも参考になります。
年収300万〜500万円の手取り比較
| 額面年収 | 手取り年収 | 月の手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約240万円 | 約20.0万円 | 80.0% |
| 330万円 | 約264万円 | 約22.0万円 | 79.9% |
| 350万円 | 約279万円 | 約23.2万円 | 79.6% |
| 380万円 | 約302万円 | 約25.2万円 | 79.5% |
| 400万円 | 約317万円 | 約26.4万円 | 79.2% |
| 450万円 | 約355万円 | 約29.6万円 | 78.8% |
| 500万円 | 約394万円 | 約32.9万円 | 78.8% |
年収350万円から400万円に上がると、手取りは年約38万円(月3.2万円)増えます。500万円まで上がれば年約115万円、月にして約9.6万円の差です。この年収帯は手取り率が8割近くあるので、額面が上がった分がほぼそのまま生活の余裕になるのが特徴です。周辺の年収帯は年収300万円の手取りと生活レベル、年収400万円の手取り完全ガイド、年収450万円の手取りガイドで詳しく解説しています。
年収350万円は上位何%か【国税庁の最新データ】
| 給与階級 | 全体 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 300万円超 400万円以下 | 15.5% | 13.5% | 18.1% |
| 400万円超 500万円以下 | 15.3% | 16.6% | 13.7% |
| 500万円超 | 37.7% | 52.0% | 18.9% |
| 300万円超の合計 | 68.5% | 82.0% | 50.7% |
| 400万円超の合計 | 53.0% | 68.5% | 32.6% |
| 350万円超(推計) | 約61% | 約75% | 約42% |
出典:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」第3表(1年を通じて勤務した給与所得者5,163万人、パート・アルバイトを含む)。350万円超は300万超400万以下の階級内で人数が均等に分布しているとみた推計。
年収300万円台は、全体の15.5%を占める日本で最も人数が多い年収帯です。年収350万円を超える人は推計で全体の約61%なので、350万円は「上から6割、下から4割」くらいの位置。男性に限ると350万円超が約75%なので下位4分の1に近く、女性に限ると約42%なので女性の中ではやや上になります。
なお、国税庁の統計にはパート・アルバイトも含まれます。正社員に限れば平均・中央値はもう少し上がるので、「正社員の中での位置」は上の数字より低めに見ておいた方が実態に近いと思います。中央値の考え方は年収の中央値ガイドで解説しています。
年代別の平均年収と比べると
| 年齢 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 280.2万円 | 293.8万円 | 265.4万円 |
| 25〜29歳 | 425.0万円 | 459.6万円 | 382.7万円 |
| 30〜34歳 | 461.9万円 | 528.7万円 | 375.6万円 |
| 35〜39歳 | 502.7万円 | 597.7万円 | 362.3万円 |
| 40〜44歳 | 531.2万円 | 647.8万円 | 370.1万円 |
出典:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」第10表。
年収350万円は、20代前半なら平均より70万円高く、20代後半なら平均より75万円低いという、年齢によって意味がまったく変わる水準です。男性で30代に入って350万円なら平均より180万円近く低く、早めに手を打つべきサインです。一方、女性はどの年代でも平均が400万円未満なので、350万円は同世代の平均に近い位置です。
年収350万円の生活レベル——独身・夫婦・子育て世帯
独身1人暮らし(都内・家賃6.5万円)
| 費目 | 目安(月) | 備考 |
|---|---|---|
| 家賃・管理費 | 65,000円 | 23区外・郊外の1K、または23区内の築年数が古い物件 |
| 水道光熱費 | 10,000円 | 電気・ガス・水道 |
| 通信費 | 7,000円 | 格安SIM+光回線 |
| 食費(外食含む) | 40,000円 | 自炊中心、外食は週1回程度 |
| 日用品・被服費 | 12,000円 | 消耗品・服・美容室 |
| 交際費・娯楽 | 18,000円 | 飲み会は月2回程度 |
| 交通費・保険・その他 | 13,000円 | 掛け捨て保険など |
| 支出合計 | 165,000円 | 手取り約232,000円 |
| 差引(貯蓄・投資可能額) | 約67,000円/月 | 年間約80万円 |
家賃を6万円台に抑えれば、独身でも月5万〜7万円は貯蓄・投資に回せます。ただし都心の駅近(家賃9万円以上)を選ぶと、貯蓄は月3万円前後まで落ちます。年収350万円で都内に住むなら、「家賃をどこまで抑えられるか」が生活の余裕をほぼ決めます。地方なら家賃4万〜5万円台の物件も多く、同じ年収でも生活の余裕はかなり変わります。
夫婦2人・子育て世帯
| 世帯 | 手取り(月) | 生活の実感 |
|---|---|---|
| 夫婦共働き(配偶者も年収350万円) | 世帯で約46万円 | 家賃10万〜12万円の2LDKも視野。貯蓄は月10万円以上も可能 |
| 夫婦2人(配偶者は扶養内パート) | 約23.7万円+パート収入 | 家賃7万〜8万円台なら生活は回る。貯蓄は月数万円 |
| 夫婦+子1人(一馬力) | 約23.7万円+児童手当月1万〜1.5万円 | 都内ではかなり厳しい。郊外・地方や公的支援の活用が前提 |
正直にお伝えすると、年収350万円の一馬力で、都内で子育てをするのは厳しいです。共働きを前提にするか、住む場所を選ぶか、本人の年収を上げるかの3択になります。共働きであれば世帯の手取りは月45万円を超え、十分に現実的です。児童手当は2024年10月に所得制限が撤廃され、高校生年代まで支給されるようになりました。
家賃・貯金・住宅ローン・ふるさと納税の目安
| 項目 | 目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 家賃 | 月5.8万〜7.0万円 | 手取り月23.2万円の25〜30% |
| 貯蓄・投資 | 月3.5万〜7万円 | 手取りの15〜30%。まずは生活費6か月分の生活防衛資金を |
| 住宅ローン(安全圏) | 約1,900万円 | 返済負担率20%(月約5.8万円) |
| 住宅ローン(一般的な目安) | 約2,400万円 | 返済負担率25%(月約7.3万円) |
| 住宅ローン(審査上限) | 約3,300万円 | 返済負担率35%。ここまで借りるのは危険 |
| ふるさと納税の上限 | 年約3.5万円 | 独身・扶養なしの場合 |
※住宅ローンは35年・金利1.5%・元利均等返済の概算。ふるさと納税は医療費控除・住宅ローン控除などがない場合の目安。
年収350万円で家を買うのを急ぐことは、私はおすすめしません。20代・30代前半であれば、転職で年収を上げてから買った方が、借りられる額も、選べる物件も変わるからです。転職と住宅購入の順番は転職と住宅ローン完全ガイドで詳しく書いています。
資産形成では、まず新NISAのつみたて投資枠で、無理のない額(月1万〜3万円)から始めるのが現実的です。iDeCo(企業年金のない会社員は月2.3万円まで)は所得税・住民税の節税になりますが、年収350万円は所得税率が5%と低いため、節税効果は限られます。60歳まで引き出せない点も考えると、流動性のある新NISAを優先し、iDeCoは余裕が出てからで十分です。
年収350万円のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 手取り率が約80%と高く、昇給分がほぼ手元に残る | 都内で一人暮らしをすると、家賃次第で貯蓄がほとんどできない |
| 所得税は年4万円台。2026年の基礎控除104万円の恩恵も受けられる | 天引きの約74%が社会保険料で、節税の余地が小さい |
| 20代なら伸びしろが大きく、転職で年収を上げやすい | 男性の30代以降だと平均から大きく離れ、焦りや将来不安につながりやすい |
| 未経験職種への転職でも、年収を大きく下げずに挑戦しやすい | 一馬力の子育てや住宅購入は、場所を選ばないと厳しい |
見落とされがちですが、年収350万円は「未経験転職のコストが小さい」年収帯でもあります。未経験職種の求人は年収300万〜400万円スタートが多いので、年収を大きく下げずにキャリアの方向を変えられるのです。年収600万円の方が未経験に挑戦するより、ずっと身軽です。
年収350万円から400万円・500万円へ伸ばすルート
| ルート | 年収の伸び幅の目安 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ①同職種で給与水準の高い業界へ移る | +50万〜150万円 | 営業・事務・経理・人事など、業界をまたげる職種の人 | 業界知識のキャッチアップが必要 |
| ②法人営業・インサイドセールス・CSへ | +50万〜150万円 | 販売・接客・個人営業で数字の実績がある人 | 成果連動の比率が高い会社もある |
| ③ITエンジニア・データ職へ | +0万〜200万円(数年かけて) | 学習を続けられる20代〜30代前半 | 未経験だと最初の1〜2年は年収がほぼ横ばいのことも |
| ④社内で昇格・資格手当を狙う | +20万〜60万円 | 評価制度が明確で、昇格の道筋が見えている人 | 会社の給与テーブルの上限を超えられない |
| ⑤成長ベンチャーのメンバーへ | +0万〜100万円+SO | 裁量と成長スピードを重視する20代 | 会社の業績次第で上下する |
年収350万円の方にとって一番効くのは、①と②——「同じ仕事内容のまま、儲かっている業界に移る」ことです。たとえば同じ事務職・営業職でも、IT・SaaS、金融、コンサル、商社などの業界は給与テーブルそのものが高い。本人の能力が同じでも、移るだけで年収が上がります。
年収を上げやすい職種の全体像は年収アップしやすい職種ガイド、転職で年収を上げる具体策は転職で年収アップする方法完全ガイド、そもそも給料が上がらない構造は給料が上がらない5つの理由で解説しています。ベンチャーに興味がある方はベンチャー転職 完全ガイドで全体像をつかんでください。
転職で上げるべき人・今の会社で上げるべき人
| 転職を考えた方がいい人 | 今の会社で上げた方がいい人 |
|---|---|
| 会社の給与テーブルで、400万円に届くのが5年以上先 | 1〜2年以内の昇格・昇給がはっきり見えている |
| 業界全体の給与水準が低い(同業他社も似た水準) | 住宅手当・退職金など、福利厚生が年収以上に手厚い |
| 同じ仕事を3年以上続けて、昇給が年1〜2万円 | 入社1年未満で、まだ実績を語れない |
| 20代のうちに職種・業界の軸を変えたい | 資格取得など、半年〜1年で市場価値が上がる見込みがある |
年収400万円・500万円を目指す5ステップ
- 自分の年収を「基本給・賞与・手当・残業代」に分解する:残業代や手当の比率が高いと、転職先の提示額も低くなりやすい。基本給がいくらかを把握する
- 同職種の市場相場を調べる:求人票の年収レンジと、スカウトサービスで届く提示額から、自分の職種の相場をつかむ
- 実績を数字で棚卸しする:「売上〇〇万円」「処理件数を〇%改善」「新人〇人を指導」など、面接で語れる数字をそろえる
- 「職種は同じ・業界を変える」求人から応募する:書類が通りやすく、年収も上がりやすい。未経験職種は1〜2社に絞って並行する
- オファーは「月給・賞与・3年後」で比べる:みなし残業込みか、賞与は実績か、3年後にいくらになりそうかまで確認する。交渉の進め方は年収交渉のコツが参考になります
エージェントは総合型(リクルートエージェント、doda、マイナビエージェントなど)を軸に、業界特化型を1社併用するのが基本です。選び方は転職エージェント選び方ガイド、おすすめは転職エージェントおすすめ14社にまとめています。
年収350万円の人がやりがちな失敗パターン
- 家賃を手取りの4割にしてしまう:手取り23万円で家賃9万円を超えると、貯蓄はほぼゼロ。転職活動の資金も、一時的に年収が下がるリスクにも耐えられなくなります。
- 「年収◯万円以上」の数字だけで転職先を選ぶ:みなし残業45時間込みで実質の時給は下がった、賞与が業績連動で実際は出なかった——というケースは珍しくありません。
- 今の会社で「いつか上がる」と待ち続ける:20代後半〜30代前半は年収が最も伸びる時期です。ここで3〜5年止まると、取り戻すのに倍の時間がかかります。
- 資格の勉強だけで動かない:資格は武器になりますが、実務経験とセットでないと年収にはつながりにくい。勉強しながら応募も並行しましょう。
- 「年収が低いから」とブラック企業に飛びつく:高い提示額の裏に、長時間労働や高い離職率が隠れていることがあります。口コミと離職率は必ず確認してください。
転職の失敗例と見極め方はベンチャー転職 失敗・後悔ガイドで詳しく紹介しています。ベンチャー転職で年収が一時的に下がるケースはスタートアップ転職で年収は下がる?も参考にしてください。
年代別:年収350万円の人へのアドバイス
| 年代 | 350万円の位置づけ | やるべきこと |
|---|---|---|
| 20代前半 | 平均(280万円)より70万円高い。順調 | 年収より「伸びる業界・職種にいるか」を確認する。第二新卒枠も使える |
| 20代後半 | 平均(425万円)より75万円低い | 今が最も動きやすい時期。職種か業界を変える転職で、30歳までに450万〜500万円を目指す |
| 30代 | 男性なら平均(529万〜598万円)より大きく低い。女性なら平均並み | 実績を数字で語れる形に整え、業界を変える転職で年収レンジ自体を上げる |
| 40代以降 | 平均より低いが、地方や業界によっては標準的 | 年収を急に上げるより、マネジメント経験や専門性を積み、長く働ける場所を選ぶ |
年代ごとの転職の考え方は年齢別転職ガイド、20代の方は20代の転職で成功する人の特徴、社会人1〜3年目の方は第二新卒の転職を成功させる完全ガイドもあわせてどうぞ。
相談事例
事例1:26歳・家電量販店の販売員→SaaS企業のインサイドセールス(年収340→430万)
接客は好きだけれど、店長になっても年収が大きく上がらないことに不安を感じていた方。販売実績の数字と、お客さまの課題を聞き出す力を前面に出して、SaaS企業のインサイドセールスに転職しました。1年後には商談を担当するフィールドセールスに上がり、年収は500万円を超えています。インサイドセールスの仕事と年収はインサイドセールス転職ガイドで詳しく解説しています。
事例2:31歳・地方の中小メーカーの総務・経理→IPO準備ベンチャーの経理(年収360→480万)
月次決算と給与計算を一人で回してきた方。IPO準備中のベンチャーは「決算を締められる人」が圧倒的に足りないので、経験者は年収を上げて迎えられます。リモートを併用できる会社を選び、住む場所を変えずに転職できました。バックオフィス職の年収アップはバックオフィスから転職して年収アップする方法で詳しく書いています。
※事例は複数の相談をもとに、個人が特定されないよう再構成しています。
年収350万円のFAQ
Q1. 年収350万円の手取りは月いくらですか?
A. 賞与なしなら月約23.2万円です(2026年分・独身・東京都・40歳未満)。賞与2か月の会社なら毎月約19.9万円、賞与4か月なら毎月約17.5万円で、残りは賞与として受け取ります。
Q2. 年収350万円は低いですか?
A. 平均給与(487万円)や中央値(推計約420万円)よりは低い水準です。ただし20代前半なら平均より高く、女性なら平均(342万円)とほぼ同じです。年齢・性別・地域で評価が大きく変わる年収帯なので、「同世代・同職種と比べてどうか」で考えるのがおすすめです。
Q3. 年収350万円で一人暮らしはできますか?家賃はいくらが目安ですか?
A. できます。家賃の目安は手取り月23.2万円の25〜30%で、月5.8万〜7.0万円です。都内なら23区外や郊外の物件を選べば、月5万〜7万円の貯蓄も可能です。
Q4. 年収350万円で結婚・子育てはできますか?
A. 共働きなら十分に現実的です(世帯の手取りは月45万円超)。一馬力で都内に住む場合はかなり厳しいので、住む場所・共働き・本人の年収アップのいずれかを組み合わせる必要があります。
Q5. 年収350万円で住宅ローンはいくら借りられますか?
A. 審査上は3,000万円を超えることもありますが、無理なく返せるのは1,900万〜2,400万円(35年・金利1.5%、返済負担率20〜25%)です。年収を上げてから購入を検討する方が、選択肢は広がります。
Q6. 年収350万円のふるさと納税の上限はいくらですか?
A. 独身・扶養なしなら年約3.5万円が目安です。家族構成や医療費控除・住宅ローン控除の有無で変わるので、各ポータルサイトのシミュレーターで確認してください。
Q7. 年収350万円から500万円に上げるにはどうすればいいですか?
A. 一番の近道は、同じ職種のまま給与水準の高い業界(IT・SaaS、金融、コンサルなど)に移ることです。20代であれば、法人営業やインサイドセールス、ITエンジニアなど、未経験から年収が伸びやすい職種への転職も有力です。500万円の手取りと生活は年収500万円の手取り完全ガイドで解説しています。
まとめ:年収350万円は「今どこにいるか」より「次にどこへ行くか」で決まる
- 年収350万円の手取りは約279万円、賞与なしなら月約23.2万円(2026年分・独身・東京都)
- 天引き約71万円のうち約74%が社会保険料。所得税は年4万円台で、2026年は基礎控除104万円の恩恵がある
- 350万円超は推計で全体の約61%。平均(487万円)・中央値(約420万円)より低いが、女性では平均並み
- 20代前半なら順調、20代後半〜30代なら早めに手を打つべき水準
- 独身なら家賃5.8万〜7.0万円で月5万〜7万円の貯蓄が可能
- 400万・500万円へは「職種はそのまま、業界を変える」が最短ルート。未経験転職のコストも小さい
企業側がどのように年収レンジを決めているかを知りたい方はスタートアップ採用ガイド、将来CxOや経営幹部を目指したい方はCXO転職ガイド、コンサル業界への挑戦を考えている方はコンサルからの転職ガイドも参考にしてください。
「今の業界にいて年収が上がるのか不安」「20代のうちにキャリアの方向を変えたい」という方は、高野までお気軽にご相談ください。キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。



