こんにちは、キープレイヤーズの高野です。ヘッドハンター・転職エージェントとして27年、のべ数千名のキャリア相談に乗ってきました。
「年収を上げたいんです」——転職相談に来られる方の、ほぼ全員がこれを言います。25年前からずっとそうです。ただ2026年のいま、この願いが叶う確率は、私がこの仕事を始めてから最も高くなっています。
リクルートの調査によると、2026年4〜6月期に転職後の賃金が「1割以上増えた」人の割合は45.6%で、全職種で過去最高を記録しました。2023年度時点では35%でしたから、わずか数年で10ポイント以上も跳ね上がっています。転職者のほぼ半数が、1割以上の年収アップを実現している計算です。
とはいえ、「転職すれば誰でも上がる」わけでは決してありません。マイナビの「転職動向調査2026年版」では、転職後に年収が増えた人は39.7%。裏を返せば6割は横ばいか減っています。同じ市場にいながら、上がる人と上がらない人がくっきり分かれている。この差はどこから来るのか。
この記事では、年収が上がる5つのルートを構造から整理し、実際に使える交渉の型、私が現場で何度も見てきた7つの失敗パターン、年代別の戦略までまとめました。年収の額面と手取りの関係を先に整理したい方は年収・手取りガイドを、交渉の実技だけ知りたい方はベンチャー転職の年収交渉術を先にご覧ください。
結論:年収を上げる5つのルート(2026年版サマリー)
| # | ルート | 期待できる上げ幅 | 難易度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 給与ベースの高い会社に移る | +10〜30% | 低〜中 | いまの実力のまま環境だけ変えたい人 |
| 2 | 自分を高く評価する会社に移る | +10〜25% | 中 | 社内評価と市場評価がズレている人 |
| 3 | 職種・業界を、単価の高い側へ移す | +20〜60% | 高 | 20代〜30代前半で時間を投資できる人 |
| 4 | 等級・役職を1段上げて移る | +15〜40% | 中〜高 | 現職で「次のポストが詰まっている」人 |
| 5 | 報酬の形を増やす(SO・賞与・副業) | 額面外で+0〜数千万 | 中 | リスク許容度が高い人 |
先に一番大事なことを申し上げます。年収は「頑張り」では上がりません。「どこで、どの役割を、いくらの単価で担うか」という置かれ方で決まります。仕事が大変だから給料が高い、というのは残念ながら幻想です。同じ量の努力をしても、1で+30%になる人と、1でも横ばいの人がいる。その違いは、この5ルートのうちどれを使っているかの違いです。
データで見る、2026年の年収アップの実態
転職者の45.6%が「1割以上アップ」を達成している
| 指標 | 数値 | 出典・時点 | 読み解き |
|---|---|---|---|
| 転職後に賃金1割以上増えた人の割合 | 45.6% | リクルート/2026年4〜6月期 | 全職種で過去最高。2023年度は35% |
| 転職後に年収が増えた人の割合 | 39.7% | マイナビ転職動向調査2026年版 | 「増えた実感」ベースだと約4割 |
| 転職者の平均年収(前職→現職) | 514.5万円 → 533.7万円 | 同上(2025年実績) | 平均で+19.2万円 |
| 「給与が低かった」を理由に転職した人 | +55.9万円 | 同上 | 動機が明確な人ほど上げ幅が大きい |
| 2026年春闘の賃上げ率(連合・第1回集計) | 5.26% | 連合/2026年3月 | 3年連続5%超。大手5.35%/中小4.35% |
この表で私が最も注目してほしいのは、「給与が低かった」を理由に転職した人の上げ幅が+55.9万円と、全体平均+19.2万円の約3倍だという点です。
これは偶然ではありません。年収を上げる目的がはっきりしている人は、応募先の選び方も、交渉の準備も、意思決定の基準も全部そこに揃います。逆に「なんとなく今の会社が嫌で」という動機で動いた方は、条件面での粘りが効かず、結果として横ばいで着地しがちです。目的の明確さが、そのまま金額に出ていると私は見ています。
それでも「転職しないほうが得」なケースもある
率直に書きます。2026年春闘の賃上げ率は5.26%で3年連続5%超。大手企業に勤めていて、社内で順調に等級が上がる見込みがあるなら、動かずに待つほうが得な場合があります。特に大手は平均5.35%上がっています。
私の相談者でも、「転職を検討していたが、社内の昇格タイミングを聞いたら来期に主任昇格が内定していた」というケースで、私から「今回は動かないほうがいいと思います」とお伝えしたことが何度もあります。エージェントとしては転職してもらったほうが売上になりますが、それで相談者が損をするなら意味がありません。
逆に、中小企業の賃上げ率は4.35%と大手との差が開いています。伸びない会社に居続けるコストは、年々重くなっている。ここは冷静に見てください。
ルート1:給与ベースの高い会社に移る(最もシンプルで強い)
「仕事が大変だから給料が高い」は誤解
たまに「うちの仕事はきついのに給料が安い。もっと評価されるべきだ」とおっしゃる方にお会いします。気持ちはよく分かるのですが、給与は労働の辛さでは決まりません。会社のルールと、その会社が稼いだ粗利の分配で決まります。
同じ職種・同じスキルでも、業界と会社が違えば年収は倍違います。これは能力の差ではなく、1人あたりが生む粗利の差です。ソフトウェアのように限界費用がほぼゼロのビジネスと、人手で回すビジネスとでは、そもそも分配できる原資が違います。
調べ方:上場企業の平均年収は全部公開されている
意外に知られていませんが、上場企業は有価証券報告書で従業員の平均年間給与を必ず開示しています。企業名+「有価証券報告書」で検索すれば誰でも見られます。転職先候補が上場企業なら、面接に行く前に平均年収と平均年齢がセットで分かる。
ここで見るべきは3点です。
- 平均年収そのもの——自分の年齢に対して高いか低いか
- 平均年齢とセットで見る——平均年収800万でも平均年齢48歳なら、30代の実額は600万台のことが多い
- 過去3年の推移——上がり続けているか、頭打ちか
未上場企業の場合は開示義務がないので、エージェント経由か、求人票のレンジで判断することになります。どの業界の給与ベースが高いのかはこれから伸びる業界・成長産業11選にまとめました。
ルート2:自分を高く評価する会社に移る(社内評価と市場評価のズレを使う)
「社内で当たり前」が、社外では希少なことがある
私が27年で最も多く見てきた年収アップのパターンが、これです。いまの会社では「みんなできて当たり前」の業務が、別の会社では「できる人がいない」希少スキルになっているケース。
具体例を挙げます。ある大手メーカーの経理の方は、社内では「連結決算チームの一員」に過ぎませんでした。しかし急成長中のスタートアップから見れば、「上場企業の連結決算と開示実務を回した経験のある人」は喉から手が出るほど欲しい人材です。結果、年収680万→850万でIPO準備企業のCFO候補として移られました。
ここで大事なのは、本人が自分の希少性に気づいていなかったことです。社内の相対評価しか見ていないと、自分の市場価値は永遠に分かりません。この「自分の強みの見つけ方」については転職で自分の強みを見つける・活かす完全ガイドで詳しく書いています。
弱みを補ってくれる会社を探すという発想
もう一つの切り口が、「自分の弱みを、その会社の強みが補ってくれる場所を選ぶ」という考え方です。
たとえば営業力は高いがマネジメント経験がない方が、育成体制の整った会社に行けば、足りない部分を会社が埋めてくれます。逆に、すでにマネジメントができる方が制度未整備のスタートアップに行けば、その希少性でプレミアムがつく。自分の凸凹と、会社の凸凹を噛み合わせるという視点です。
ルート3:職種・業界を単価の高い側へ移す(上げ幅は最大だが時間がかかる)
「同じ仕事で会社だけ変える」の限界
ルート1・2は比較的取り組みやすいですが、上げ幅には天井があります。いまの職種の市場相場が上限になるからです。相場が500〜700万の職種で、いきなり1,200万にはなりません。
本気で年収の桁を変えたいなら、職種か業界を移す必要があります。2026年時点で単価が高い方向は、大きく分けて次の3つです。
| 移動の方向 | 具体例 | 期待上げ幅 | 必要な準備期間 |
|---|---|---|---|
| 事業側 → 専門職 | 営業 → セールスエンジニア/カスタマーサクセス責任者 | +20〜40% | 1〜2年 |
| 労働集約 → ソフトウェア | SIer → 事業会社の内製開発/SaaS | +20〜50% | 1〜3年 |
| 実務 → 経営・企画 | 経理 → 経営企画/IPO準備/CFO候補 | +30〜60% | 2〜4年 |
ただし正直に言うと、このルートは30代前半までのほうが圧倒的に成功しやすいです。40代で未経験職種に移ると、一度年収が下がるケースが多い。下がった状態から取り返せるかは、その後の伸び代次第です。年代ごとの現実的な打ち手は年齢別転職ガイドにまとめています。
エンジニアの場合はもう少し道筋が明確
エンジニア職は、技術領域の選び方と年収の相関がはっきりしています。同じ経験年数でも、扱う技術と担う責任範囲で300万円以上の差がつく。詳しくはエンジニアの年収査定と年収アップ完全ガイドを参照してください。
ルート4:等級・役職を1段上げて移る
「社内では詰まっているが、社外では空いている」椅子を狙う
大手企業でよくあるのが、実力はあるのに上のポストが埋まっていて上がれない状況です。部長が55歳で、あと8年その席にいる。そうなると次長のまま10年、という話は珍しくありません。
この状態は、外から見ると「部長ができる人が、次長の給料で働いている」ように見えます。だから成長企業は喜んで部長ポストで採ります。これがルート4です。
私が見てきた実例では、大手金融の課長(年収950万)が、シリーズBのフィンテック企業に事業部長(年収1,150万+SO)で移られたケースがあります。やっている仕事の難易度はむしろ上がりましたが、責任範囲が広がった分だけ単価も上がった。役職の階段を、会社をまたいで上るという発想です。
経営幹部レイヤーまで視野に入れる方はCXO転職ガイドを、企業側がどういう基準で幹部を採っているかを知りたい方はスタートアップ採用ガイドを併せてご覧ください。
ルート5:報酬の「形」を増やす(額面だけを見ない)
年収は月給×12+賞与だけではない
年収の話をするとき、多くの方は月給と賞与しか見ていません。しかし実際の報酬は次のように分解できます。
| 報酬の形 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 基本給 | 下がりにくい。ローン審査等の基準になる | ここを削って他で盛る提示は要注意 |
| 賞与(固定/業績連動) | 会社業績で変動。支給日在籍要件がある | 「想定年収」に業績連動分が含まれていないか確認 |
| インセンティブ・歩合 | 成果次第で大きく伸びる | 達成率の実績分布を必ず聞く |
| ストックオプション(SO) | 上場・M&A時に大きなリターンの可能性 | 税制適格か、行使条件、権利確定期間 |
| サインオンボーナス | 前職賞与の補填として交渉可能 | 一定期間内の退職時に返還義務がつくことが多い |
| 副業・業務委託収入 | 本業と独立して積み上がる | 就業規則の確認が必須 |
特にストックオプションは、金額の大きさに反して理解されていないことが多いです。「SO 0.5%付きます」と言われて喜んだものの、行使価額と権利確定条件を確認していなかった、というケースを何度も見ています。SOの評価方法はストックオプション(SO)完全ガイドに、後悔しやすい落とし穴はストックオプションで後悔する人の特徴にまとめました。
賞与の扱い、特に「支給日に在籍していないともらえない」という要件は、退職スケジュールを1ヶ月ずらすだけで数十万円変わります。詳細は転職とボーナス(賞与)完全ガイドを確認してください。
年収交渉の実践ステップ(7段階)
ここからが実技です。多くの方は「オファーが出てから交渉する」と考えていますが、年収交渉は選考の最初から始まっています。
- 着手前:自分の適正年収レンジを把握する
求人票のレンジ、同職種の相場、上場企業の平均年収を10社分ほど並べる。ここを飛ばすと、提示額が高いのか安いのか判断できません。 - 初回面談:希望年収は「レンジ+根拠」で答える
「現年収600万で、700〜800万を希望します。理由は◯◯の実績で、御社では△△に貢献できるためです」。金額だけ言うと足元を見られます。 - 選考中:貢献の「金額換算」を用意する
「売上を1.4億積み上げた」「離職率を18%→9%に下げた」など、数字で語れる材料を3つ用意する。これが交渉の弾になります。 - 最終面接前:現職の残留条件を把握しておく
昇格予定、次期賞与見込み、退職金の増加分。比較対象がないと、提示額の良し悪しを判断できません。 - オファー提示:即答しない。必ず内訳を書面でもらう
基本給・賞与・固定残業代・想定年収の内訳を確認。固定残業代が45時間分含まれているケースは本当に多いです。 - 交渉:一度だけ、具体的な金額で
「もう少し」ではなく「780万でお願いできませんか」。理由をセットで。往復2回以上引っ張ると心証が悪くなります。 - 着地:年収以外の条件でも取りに行く
金額が動かないなら、等級、初回評価のタイミング、リモート可否、入社日をずらして賞与を確保する等。交渉テーブルは年収だけではありません。
オファー面談で確認すべき項目の網羅リストはベンチャー転職のオファー面談・条件交渉完全ガイドに、経営者を相手にした交渉の考え方はベンチャー・スタートアップ年収交渉の極意にまとめてあります。
年収アップ転職のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 生活の選択肢が広がる(住居・教育・貯蓄) | 期待値が上がり、成果を出す猶予が短くなる |
| 次の転職時のベース年収が上がる | 年収が上がるほど、次の転職先の選択肢は狭くなる |
| 自分の市場価値を客観的に知れる | 周囲との比較で満足度が上がりにくいことがある |
| 裁量・責任範囲が広がりやすい | 労働時間や責任のストレスが増えることが多い |
| 金銭的な焦りが減り、判断が長期化できる | 固定費が上がり、次に動きにくくなる(年収の罠) |
デメリット欄の最後、「年収の罠」は私が最も注意喚起したい点です。年収が上がると生活水準も上がり、住宅ローンや教育費が積み上がります。すると数年後に「本当はやりたい仕事があるのに、年収を下げられないから動けない」という状態になる。年収を上げること自体が、キャリアの自由度を下げることがあるのです。上げた分の一部は生活水準に載せず、可処分の余裕として残しておくことを強くおすすめします。
年収アップ転職が「向いている人・向いていない人」
| 向いている人 | 向いていない人(急がないほうがいい人) |
|---|---|
| 数字で語れる実績が3つ以上ある | 実績を「頑張った」としか説明できない |
| 現職の残留条件を正確に把握している | 今の会社の昇給・昇格見込みを知らない |
| 年収を上げる目的(用途)が明確 | 「なんとなく上げたい」だけ |
| 成果を出すまでの猶予が短くても平気 | じっくり慣らしてから力を出すタイプ |
| 市場が伸びている領域にいる/移れる | 縮む市場で相対評価だけ気にしている |
| 年収以外の条件も交渉材料にできる | 金額しか見ていない |
誤解のないように申し上げると、右側が劣っているわけではありません。右側の項目に当てはまる方は、いま動くより、半年〜1年かけて左側に移ってから動いたほうが結果が良くなる、というだけの話です。
私が現場で見てきた、年収アップの失敗パターン7つ
1. 額面だけ見て、固定残業代の存在を見落とす
「年収650万」の内訳が、基本給ベース520万+固定残業代45時間分130万というケース。実質的には時給が下がっている可能性があります。必ず内訳を書面でもらってください。
2. 賞与の「業績連動」を100%前提で計算する
提示年収に含まれる賞与が業績連動100%だった場合、会社の業績次第で数十万〜百万単位で下振れします。過去3年の支給実績を必ず聞く。答えを濁す会社は、その反応が答えです。
3. 手取りベースで計算していない
年収が上がっても、社会保険料と所得税の累進で手取りの伸びは鈍ります。特に扶養や住宅ローン控除の条件が変わる境目では、額面が上がって手取りが減ることさえある。年収・手取りガイドで境目を確認してください。
4. 年収だけで選び、事業の継続性を見ていない
相場より2割以上高い提示には、たいてい理由があります。採用に困っているか、短期で成果が出なければ切る前提の設計か。1年半で会社を離れることになれば、年収アップは帳消しです。この見極めはベンチャー転職の失敗・後悔ガイドに詳しく書きました。
5. 交渉を粘りすぎて心証を落とす
交渉は一度、具体的な金額でが原則です。3回、4回と往復すると「この人はお金だけの人だ」と受け取られ、入社後の評価にまで影響します。実際、入社前の交渉が長引いた方の初年度評価が低く出るケースを何度も見ています。
6. 転職回数が増えすぎて、次で選ばれなくなる
年収アップを狙って2年ごとに動くと、5年後には「なぜこの人はどこにも定着しないのか」と問われます。上げ幅の合計より、次の一手の選択肢が狭まるコストのほうが大きくなる分岐点があります。目安は転職回数が多いと不利?完全ガイドを参照してください。
7. 現職の残留条件を確認せずに辞めてしまう
これが一番もったいない失敗です。昇格が内定していた、退職金の支給率が変わる直前だった、賞与の在籍要件をあと2週間で満たせた——後から知って青ざめる方が毎年います。退職金・失業保険・保険や年金の切り替えまで含めた損得は転職のお金と手続き完全ガイドで確認してください。
年代別:年収アップの現実的な戦略
20代:年収より「単価が上がる場所」に移ることを優先
20代で50万円の差を取りにいくより、30代で300万円差がつく職種・業界に移るほうが期待値は圧倒的に高いです。この年代は多少年収が下がっても、伸びる市場に入る価値があります。私自身、20代の頃に「目先の年収」で判断して回り道した方を何人も見てきました。
30代:ルート2とルート4が最も効く年代
実績が固まり、かつまだ職種転換の余地もある。「社内評価と市場評価のズレ」と「詰まっている椅子」の両方を使える、最も上げやすい10年です。転職者の平均年収が最も動くのもこのレンジです。
40代:等級・責任範囲での勝負に切り替える
40代で未経験職種に移ると、多くの場合いったん下がります。この年代は「いまできること」を、より高く評価する場所に持っていくのが基本戦略です。事業責任者・部門長クラスのポストを、会社をまたいで取りにいく。40代のベンチャー・スタートアップ転職ガイドに具体例をまとめています。
50代:年収維持+役割の再設計で考える
50代は、年収を上げる交渉より「何歳まで働けるか」「役割をどう再設計するか」のほうが、生涯収入へのインパクトが大きい年代です。年収を1割下げても定年後の5年を確保できるなら、そちらのほうが合理的なことも多い。50代の転職完全ガイドで詳しく整理しました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 転職すれば年収は必ず上がりますか?
いいえ。マイナビの調査では、転職後に年収が増えた人は39.7%です。6割は横ばいか減っています。ただし「給与が低いこと」を明確な動機として動いた人の平均上げ幅は+55.9万円と、全体平均+19.2万円の約3倍。目的が明確なほど上がりやすい、というのが実態です。
Q2. 希望年収は、高めに言ったほうが得ですか?
相場から大きく外れた額を言うと、その時点で選考から外れます。「相場の上限+10%程度を、根拠とセットで」が現実的なラインです。根拠がない高望みは、交渉ではなく単なる自己申告として扱われます。
Q3. 年収が下がる転職を受けてもいいのでしょうか?
ケースによっては積極的に「はい」と申し上げます。3年以内に取り返せる見込みがあるなら、下げる判断は合理的です。判断基準は3つ。①移った先の市場が伸びているか、②担う役割が1段上か、③3年後の想定年収が現職の3年後を上回るか。この3つが揃うなら、目先のマイナスは投資です。
Q4. 現職での昇給と転職、どちらを狙うべきですか?
まず現職の残留条件を数字にしてください。昇格見込み、次期昇給率、賞与見込み、退職金の増加分。2026年春闘は3年連続5%超ですから、大手なら待つほうが得なケースも普通にあります。それを出したうえで転職オファーと比べる。比較対象がない交渉は、ただの願望です。
Q5. エージェントに年収交渉を任せて大丈夫ですか?
エージェント次第です。企業の経営者や人事責任者と直接関係があるエージェントかどうかで、交渉の通りやすさがまったく違います。求人票を右から左に流すだけの担当なら、自分で交渉したほうが速い。見極め方は転職エージェントの選び方 完全ガイドにまとめました。
Q6. ベンチャーに行くと年収は下がりますか?
フェーズによります。シード〜シリーズAは下がることが多いですが、シリーズB以降は同水準〜プラス、プレIPO以降は前職超えの提示も普通に出ます。2026年は資金が一部企業に集中しているため、調達できている会社の提示力はむしろ上がっています。全体像はベンチャー転職 完全ガイドを。
Q7. コンサル出身だと年収が下がると聞きますが本当ですか?
事業会社に移ると、額面はいったん下がることが多いのは事実です。ただしコンサルの年収は「稼働時間の対価」の側面が強く、時給換算では下がらない、あるいは上がるケースも多い。加えて事業側で成果を出せば、その後の伸び方は事業会社のほうが大きい。詳しくはコンサルからの転職ガイドを参照してください。
Q8. ジョブ型雇用が広がると、年収の決まり方は変わりますか?
変わります。というより、すでに変わり始めています。ジョブ型では「誰が」ではなく「どの職務か」で報酬が決まるため、年齢や勤続年数による自動的な昇給は弱まり、職務の市場価値がそのまま年収になります。これは実力のある転職者には追い風です。仕組みの詳細はジョブ型雇用とは?転職者のための完全ガイドにまとめました。
まとめ:45.6%の側に入るために
もう一度、5つのルートを並べます。
- 給与ベースの高い会社に移る——上場企業の平均年収は全部公開されている
- 自分を高く評価する会社に移る——社内で当たり前が、社外で希少なことがある
- 職種・業界を単価の高い側へ移す——上げ幅は最大。30代前半までが有利
- 等級・役職を1段上げて移る——詰まっている椅子は、会社をまたげば空いている
- 報酬の形を増やす——額面以外にSO・賞与・副業という原資がある
2026年4〜6月期に転職後の賃金が1割以上増えた人は45.6%で過去最高。市場環境は、私がこの27年で見てきた中で最も転職者に有利です。ただし全員が上がるわけではなく、上がった人と上がらなかった人の差は「準備」で説明がつきます。
最後に、27年やってきて確信していることを一つだけ。年収は交渉のうまさでは決まりません。交渉が始まる前に、どの椅子を狙うかを決めた時点で、ほぼ決まっています。交渉テクニックは最後の数%を取りに行く道具に過ぎない。だからこそ、この記事の前半——どのルートで、どの会社の、どの役割を狙うのか——にこそ時間をかけてください。
キープレイヤーズでは、私自身が経営者と直接お会いしている企業を中心に、転職支援と年収に関するご相談を承っています。「自分の年収はいまの市場で適正なのか」「上げるとしたらどのルートが現実的か」——こうした率直なご質問にこそ、27年分の相場観でお答えできると思います。お気軽にご相談ください。


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