年収400万円というと、収入の中では中央値あたりの収入といったイメージを持つ方も多く、多いのか少ないのかイマイチわからないといった方もいると思います。
日本の収入には様々な課税や保険料、控除が適用されるため、額面での金額と実際に手に取る金額には差があるのが当然のことでしょうし、年収額だけではその実態がつかみにくいのは仕方ないでしょう。
本記事では年収400万円についての気になる部分を、手取り額、各種課税額、生活についてなど、いくつかの項目に分けて解説しています。年収400万円の仕事への転職についても言及していますので、興味がある方はご覧になっていだだければと思います。
現在年収400万円の方も、これから年収400万円の仕事に従事しようとしている方も、参考になる部分が多いと思いますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
年収400万円の手取り額
額面年収400万円の手取りはおよそ320万円です。
税金、社会保険料などが差し引かれた額で、総支給額のおよそ80%と言われているのが手取り金額です。
具体例をざっくり示すと、賞与ありなら手取り月収がおよそ22万円、賞与80万円(40万円×2、夏季賞与と年末賞与の2回)で、賞与なしなら手取り月収はおよそ26.5万円となります。
ただし、ボーナスの額や扶養家族の有無などによって月の手取り額は変動するので、あくまでも目安として考えて下さい。
年収400万の手取りの計算方法
この項目では年収400万円の実際の手取り額について、所得税・住民税・社会保険料にかかる金額を用いて解説します。
税や保険料の計算式は複雑なものもあり、個人で理解して算出するのは大変でしょう。しかし本記事に記述した金額を目安に考えていただければ、年収400万円付近の手取りを算出する知識として活用できると思いますので、目を通してみてください。
年収400万の所得税は年間約37万円
年収400万円にかかる課税所得金額は、各年収の段階の中では330万円超695万円以下に該当し、税率20%で控除額は42万7500円になります。
所得税の式は課税所得金額×税率-控除額で求められ、仮にぴったり年収400万円で計算すると、37万2500円が年間にかかる所得税になります。
年収400万円付近の方は37万円前後が所得税としてかかってくると覚えておくとよいでしょう。
年収400万の住民税は年間約18万円
住民税とは地方税の一種で、都道府県が課税する道府県民税と市区町村が課税する市町村民税の2つが設けられています。
年収400万円の年間にかかる住民税は17.9万円となり、住民税は以下の計算の流れを経て算出されます。
- 総所得金額の算出 合計所得金額-損失の繰越控除=総所得金額
- 所得控除 特定の条件を満たしてる者は一定の金額が控除される
- 課税所得の算出 総所得金額-所得控除額の合計=課税所得額
- 所得割の計算 課税所得額×税率(10%)=税額控除前の所得割額
- 税額控除 税額控除前の所得割額-税額控除の額=税額控除後の所得割額
複雑な計算を経由して算出される金額なため、個人で行うのは大変ではありますが、最近では年収金額を入力すると目安となる住民税の金額を自動で計算してくれるサイトなどもあるため、気になる方はご自身の年収金額から調べてみるのも良いでしょう。
年収400万の社会保険料は約7万円
社会保険料にかかってくる内訳は主に、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金で、年収400万円ではおよそ6万〜7万5000円が毎月徴収される計算となります。また賞与がある月は増額された金額が支給額から徴収されます。
社会保険料(厚生年金・健康保険の保険料)は、月の給与の他、年3回以下のボーナスからも徴収されます。ボーナスの有無に関わらず、 年収が同じであれば年間で負担する社会保険料の金額はほぼ同じとなるため、ボーナスで徴収していない場合は月の社会保険料の金額が大きくなり、年俸制の方も1回の徴収の負担額が大きくなることになります。
年収400万円の割合
2020年の国税庁が行った民間給与実態統計調査によると、全給与所得者5244.6万人の中で年収400万円台の割合は全体の14.57%、男性が533.1万人で17.33%、女性が231.2万人で10.66%という結果が出ました。
全体の割合でみると年収400万円の給与をもらっている人はそれほど多くはないと言えますが、全ての年代が込みなので、年齢や役職などのライフステージによっても平均年収は変わってくるため、あくまでも参考程度の数字と言えるでしょう。
年収400万円は多い?少ない?
結論を先に書きますと、年収400万円は、性別や世代、雇用形態によって多い少ないが分かれる金額です。
国税庁が行った令和2年度の民間給与実態統計調査によると、全給与所得者5,928 万人を合算して算出した平均給与は 433 万円で、男女別の平均給与額は男性 532 万円、女性 293 万円という調査結果が出ました。平均賞与は 65 万円、男性 83 万円、女性 39 万円となっています。
また正規社員の平均年収は496万円で、非正規社員の平均年収は176万円といった調査結果も出ています。
以上の実態を参照に考察すると、年収400万円は役職が低かったり非正規雇用が多い20代、30代であれば比較的多い収入で、40代以降の場合は昇進などの影響もあり年収も上昇する傾向にあるため、別段多い金額ではないと結論づけられるでしょう。
年収400万円の生活レベル
社会の中には様々なライフスタイルを送っている方々がいますが、一般的に年収400万円の人の生活はどのようなものなのでしょうか?
ここでは、年収400万円の人の家賃相場と状況ごとの生活費の違いを詳しく解説しています。
年収400万円の家賃相場
家賃の目安は手取りの3割と言われています。
年収400万円の手取り額はおよそ22万円〜26.5万円で、家賃にかけれる金額はおよそ6万~7万円後半とざっくり考えておくと良いでしょう。
とはいえ、その人のライフスタイルによっても家賃に充てられる額は変わります。たとえば、外食する機会の多い人は家賃を低めに設定したり、住む家にこだわりたい人は高い家賃を考慮してそのほかの生活費を抑えたりすることをおすすめします。
個人によって変化を受けやすい3つの費用
衣・食・住といった最低限生活に必要な費用を除き、可処分所得の多さや個人の配分によって変化を受けやすい以下の3つの出費について解説します。
1つ目は「交際費・娯楽費」です。人との付き合いというものは誰しもがあるもので、友人関係や会社の同僚など、レジャー等の出費のかかる誘いはあるものです。また個人的な趣味などを楽しむための費用も人によっては必要です。
2つ目は「保険・医療費」です。人によっては衣・食・住と同じくらい気になるのが、保険・医療費にかけれられる金額でしょう。病気への不安は多くの人が抱いており、年齢を重ねるごとに強まっていきますよね。
全く病気にかからない人の方が少数派ですし、風邪などの季節性の流行り病はもちろん、目や歯の治療といった生活の質を維持するための通院も必要です。
また急病にかかって突然の出費が発生した場合に備え、医療保険・疾病保険への加入も考えなければなりませんし、子供がいる場合は病気やケガを想定して治療費を確保しておく必要があります。
3つ目は「雑費」です。雑費は、生活していく上でその都度にかかってくる出費のことで、子供の文具やゴミ袋やティッシュぺーパーといった生活雑貨などがあたります。
意識していないといつのまにか出費がかさむ部分であり、買い物時のレシート管理や、1ヵ月に必要な物のリストを作るなどして上手に管理していきたいです。
以上の出費を踏まえて、上挙別のシミュレーションを解説します。
ひとり暮らしのシミュレーション
手取り22万円 | |
項目 | 金額 |
家賃 | 6.5万円 |
食費 | 4万円 |
水道光熱費 | 1万円 |
通信費 | 0.5万〜1万円 |
交際費・娯楽費 | 3万円 |
保険・医療費 | 0.5万円 |
雑費 | 1.5万円 |
出費合計額 | 17万円 |
貯金 | 5万円 |
交際費・娯楽費
かけられる交際費・娯楽費はおよそ3万円です。よほど無茶な浪費をしなければ家計に響くことはなく、昨今では無料サービスやサブスクなどの格安で楽しめる娯楽も多いため、遊びにかかる費用も抑えやすくなっています。人によっては余らせることもあり、残った金額を貯蓄に充てるなどの運用もできるでしょう。
保険・医療費
1人暮らしであれば、医療保険代を含めた医療費は5千円以内が目安となるでしょう。もちろん、その時の状況によって複数回の通院や、入院の必要性などが出てくるため一概には言えませんが、特にそういった病気や事故をすることもなく過ごせているのであれば、5000円以内が妥当な数字と言えます。
雑費
1人暮らしの場合、およそ1.5万円が雑費に充てられるでしょう。家族のいる家庭と比べると多めにかけられる出費ではありますが、あまり必要としていないのであれば削って貯金や他の出費に充てるのも賢い運用です。
夫婦2人暮らしのシミュレーション
手取り22万円+パートナー8万円 | |
項目 | 金額 |
家賃 | 7.5万円 |
食費 | 6万円 |
水道光熱費 | 1.5万円 |
通信費 | 1万円 |
交際費・娯楽費 | 4.5万円 |
保険・医療費 | 1万円 |
雑費 | 1.5万円 |
出費合計額 | 23万円 |
貯金 | 7万円 |
パートナーとの共働きを想定していますが、二人暮らしのため、家賃や生活費が上がる傾向にあります。
交際費・娯楽費
食費や雑費などが1人暮らしよりもかかるため、交際費・娯楽費は夫婦合わせて3万円以内に抑える必要があります。子供のいる3人以上の家庭と比較すると、自由になるお金はあると言えます。交際を含めた外食なども頻繁でなければ可能でしょう。
保険・医療費
夫婦2人暮らしの場合は1人暮らしの倍額で計算し、医療保険代も含めて1万円が目安になるでしょう。1人暮らしと同じように、突発的な通院や入院などの可能性もあるため、あくまでも参考基準ではありますが、目安にしておくと支出のバランスを管理・調整しやすくなります。
雑費
夫婦2人暮らしの場合、およそ1.5万円が雑費に充てられます。1人暮らしより出費の節約が必要なため下げて設定したいところですが、2人暮らしはゴミや雑貨の必要量が増えるため、雑費の費用もかかりがちなのが難しいところです。1.5万円以上必要になる場合は娯楽費などを削って充てるなどの工夫が必要でしょう。
妻子、夫の3人(以上)暮らしのシミュレーション
手取り22万円+パートナー8万円 | |
項目 | 金額 |
家賃 | 8万円 |
食費 | 7万円 |
水道光熱費 | 2万円 |
通信費 | 1万円 |
交際費・娯楽費 | 3万円 |
保険・医療費 | 2万円 |
雑費 | 1万〜2万円 |
出費合計 | 24万円 |
貯金 | 6万円 |
子供がいる場合には、水道光熱費や食費といった生活費が上がるだけではなく、乳児期のミルクやオムツ代、洋服代、さらに進学時の学費など子供にかかる費用を考慮しなければなりません。
そのため、なるべく節約をして貯金に回すのがおすすめです。
交際費・娯楽費
会社の同僚や友人との交際費はある程度確保しながら、夫婦の娯楽費はできる限り減らす必要があります。子供の急な通院や雑費が発生することがあり、一概にいくらとは設定しにくい現実があるでしょう。
保険・医療費
夫婦と子供3人(以上)暮らしの場合、夫婦の医療保険代も含めて1.5万円~2万円は確保しておきたいところです。子供が突発的に病気やケガをする可能性があり、特に子供が幼児期の場合、多くの乳幼児がいくつかの病気にかかることが一般的です。交際費・娯楽費を削るなどの工夫をし、保険・医療費を捻出しておきましょう。
雑費
夫婦と子供の3人(以上)暮らしの場合、およそ1万円を雑費に充てる目安にしておくと良いでしょう。子供がいる場合、養育のために文具や育児用品といった雑費が思っている以上にかかるため、夫婦2人暮らし以上に娯楽費などを削って充てる必要があります。節約を意識した生活を心がけ、可能な限りティッシュペーパーなどの生活用品の浪費を避けるようにしましょう。
年収400万円での貯金事情
日本人の多くは、将来への不安や突発的な出費に備えて貯金がしたいと思っているのが現状です。
厚生労働省が行った2019年の国民生活基礎調査によると、29歳以下の貯金額の平均は179.8万円、30歳~39歳の貯金額の平均は530.0万円となっており、個人差はあるものの貯金への意識の高さが伺えるでしょう。
もちろん年収400万円でも、外食や娯楽費を抑えるなどのちょっとした工夫で月に3万円~の貯金は可能です。幸い現代は無料で利用できる娯楽や、サブスクで格安に楽しめるサービスも増え、お金をかけずに人生を豊かなものにすることが可能となりました。
時代は変わって物の所有や浪費といったお金をかけた楽しみ方はあまり好まれなくなり、持ち物を共有したり、個人のスキルを安価で提供しあう概念「シェアリングエコノミー」や、不要になった物を出品して必要な人に安価で売り渡す「フリマ・オークション」など、所有物の量も出費もミニマムに抑えるのが主流です。
今まで貯金をしていなかった方も生活を少しだけ見つめ直し、まずは1万円からでもよいので貯金をしていく意識を持って、お金のやりくりを工夫してみてははいかがでしょうか。
年収400万円の住宅ローン借り入れ上限額
住宅ローンの借入限度額は、年収のおよそ7倍という金融機関の審査の基準が設けられています。年収400万円であれば2800万円までローンを組める試算になり、他の借入状況にもよりますが、住宅ローンを組むことはできるでしょう。
しかし現実として、借入額最高の住宅ローンを組んでしまうと月々の返済額も伴って上がり、家計への負担が大きくなって苦しい生活を余儀なくされてしまいます。ですので、月々の返済額を抑えるためにも限度額ギリギリの住宅の購入は避けた方が賢明です。
目安としては年収の5倍程度の価格帯の家を検討し、借家で払っていた家賃と同程度に出費を抑えていくのが妥当と言えます。年収400万円でマイホームを持ちたいのであれば、2000万円以内を購入資金として考え、月々の返済額を抑え余裕を持たせた住宅ローンを組むべきでしょう。
年収400万円の業界・職種
給与所得者全体のおよそ15%を占めている年収400万円ですが、どのような仕事をしている方が得ている金額なのでしょうか?
この項目では、年収400万円の仕事にはどういった業種・職種があるのかを、5つの職業を例としてお伝えします。
営業
営業職の全体平均の年収はおよそ480万円~560万円と言われています。
売り上げを上げることで給与が上がる「歩合」の仕組みを取り入れている企業も多く、20代でも400万円を超える年収を得ている人もいるでしょう。売り上げを上げるための創意工夫といった、結果を伴う努力がきっちり年収に反映されるため、頑張り次第では1000万円を超える年収を手にすることもできます。
ただし、高い対人コミュニケーション能力やプレゼン力などが求められるため、向き不向きが結果に強く反映されてしまう職業であることは否めません。またノルマが設定されている企業もあるため、常に売り上げと向き合い、同僚と競争をし続けていく必要もあります。
そういったシビアな結果主義の世界でもありますので、年収の平均が比較的高いのも納得できる部分でしょう。
医療系専門職
ほとんどの職種で国家資格が必要なため、全体の平均年収も400万円と比較的高めな業種です。
医師だけでなく、看護師、歯科医師、保健師、助産師、臨床検査技師、診療放射線技師など、総合病院や個人経営の診療所などで医療の仕事に従事する方々を総省して「医療系専門職」と表現しています。
また治療に直接関わらない医療事務は資格不要ではありますが、各医療団体が独自の資格制度を設置している場合もあるため、その資格取得を目指す必要は出てくる可能性はあります。
技能工
部品加工や溶接など、職人系の技術を要する「技能工」の平均収入は372万円です。
30代あたりから400万円に到達する人が出はじめ、各企業毎に昇給の基準が設けられており、基準をクリアしたと判断されると昇給できるシンプルな構造です。また残業や出社の頑張りがしっかり給与に反映されやすい業種でもあるため、20代でも1000万円以上の年収を得ている人もいらっしゃいます。
ただし、高額な昇給に繋がる高評価を得るためには上司や経営陣に技能工としての能力を認めてもらう必要があり、職人よりの業界であるため結果主義・実力主義の傾向が強いとも言えます。自分の能力と向き合い、技術を磨いていくプロセスに強くやりがいを感じる人に向いている職種でしょう。
ITエンジニア
プログラマーやシステムエンジニアといった、ITテクノロジー業界で働くITエンジニアの平均年収は452万円です。
業種によっては20代でも年収400万円以上を得ている人もおり、経済産業省が行った「IT人材需給に関する調査」では、2030年頃には需要が供給を大幅に上回り、およそ79万人の人手不足になると予想されています。AI、IoT、ビッグデータなどの人々の生活を大きく変えるテクノロジーの実装に向け、スキルを持った人の需要がこれからさらに伸びてくる業界・職種と言えるでしょう。
またITエンジニアの特徴として、年代に伴って年収も上がっていく傾向があり、現場職から管理職にステップアップしていくキャリアプランを設けている企業が多い点も挙げられます。
年収400万円の仕事へ転職する際の注意点
現在、ご自身の年収に満足がいっておらず、年収を上げるための転職を考えている方もいらっしゃるでしょう。
この項目では、年収400万円の職業へ転職を希望されている方に向け、転職活動する際の注意点を3つのポイントに分けて解説します。
ぜひ目を通していただき、満足・納得のできる転職を達成するための参考材料にしていただければと思います。
転職活動時の費用を確保しておく
まず最初に注意すべきポイントは、転職活動には交通費やスーツの新調など、ある程度の費用がかかってくる部分です。
面接や講習などを受ける場合には移動費がかかりますし、就活用のスーツが無い、あるいはサイズが変わっている場合などは新調する必要があります。
もし貯蓄が無いのであれば、転職勤務中に意思を固めた段階で最低限の費用を貯めて確保し、クレジットカードを所持しているのであれば、無理のない範囲で活用していくのも手でしょう。
在職中に転職活動をする
転職の意思を固めたからといって、すぐに現在の会社を退職するのはやめておいた方が賢明です。
次の仕事がすぐに決まるとは限らないため、当面の収入の心配が残るためです。現在の職務の時間外や休日を利用して転職活動を行い、生活費の心配をしなくても良い状態をキープしておきましょう。
しっかり生活基盤を持った上での転職活動は、不安や焦りといった悪感情に支配されることも少なく精神衛生上も良いですし、仕事は人生の多くの時間を占めている活動であり、深く考えずに生活費のためだけに選ぶのは幸福度の観点からもおすすめできません。
転職は自分自身を見つめなおすタイミングでもありますので、できる限り心穏やかに冷静に進めていけるよう、これまでの生活基盤は崩さないように行動しましょう。
自己分析をし、適切な業界・職種を選ぶ
年収400万円だけを判断基準にして転職を試みるのはおすすめしません。
人には必ず向き不向きがあり、それは仕事でも同じことです。適材適所が必ずあるため、向かない仕事を選んでしまうと能力が発揮できなかったり、さらなる転職をする事態に陥る可能性もあります。
転職を考える際には、必ず過去を振り返って自分の性格や特徴を探り、可能であれば同僚や友人などに客観的な自分の性格を聞いてみるなど自分自身をリサーチしましょう。現在の仕事の中で、自分が評価されている業務を手掛かりにするのも有効です。
そういった自己分析を総合判断して業界・職種を決定することで、成功したと言える転職が可能となります。
年収400万円を目指す方法
年収400万円を目指す方法には、以下の4つがあります。
- 昇給・昇格を目指す
- 資格を取得する
- 副業を始める
- 転職をする
それぞれ詳しく解説します。
昇給・昇格を目指す
収入を上げる方法でまず取り組みたいのが、現在の会社で昇進や昇格を目指す方法です。
昇進や昇格すると、基本給がアップする可能性が高く、さらに会社や上司からの期待も高まるため、その後の転職活動などにも良い影響があります。
会社によって異なりますが、昇進や昇格できるチャンスは限られており年に1回や2回という企業がほとんどです。そのため、昇進や昇格に必要なスキルや条件をクリアできるように、長期的な目標として取り組む必要があります。
資格を取得する
現在働いている会社や職種によっては、特定の資格を取得すると資格手当が支給される会社もあります。
社内規定を確認して、資格の種類と支給額を確認してみましょう。資格によっては年に3、4回受験できるものもあり、勉強次第ではすぐに収入に反映されます。
また、収入に大きな反映がなくても、資格を取得していることで昇進や転職に役立つためおすすめです。
副業を始める
副業を始めて、収入を上げる方法もあります。
副業で月1万円を得られると、娯楽や貯金に充てられるお金にも余裕がでます。
ただし、副業をする場合には、体調管理やスケジュール管理などに気を配るのが重要です。副業に時間を割きすぎてしまい、本業に影響がでてしまうと本末転倒だからです。
会社によっては副業が禁止されている場合もあるため、就業規則を確認したうえで副業を始めましょう。
転職をする
現在の職場で「給料アップが期待できない」「会社の将来性が見込めない」と感じたら、転職して収入を上げる方法も検討してみましょう。
転職を成功させると、いきなり月々の基本給とボーナス額がアップする可能性があり、年収アップが期待できます。
ただし、年収面だけを見て転職先を決めるのではなく、仕事環境や福利厚生など総合的に考慮して決めるのが大切です。なぜなら、高額な給料はもらえても、毎日サービス残業があったり、希望する部署に配属されずスキルが生かせなかったりする可能性があるからです。
転職で成功させるために、転職支援のプロである転職エージェントの活用も検討してみましょう。
年収400万円の人におすすめの節約法
この項目では年収400万円の人が取り入れると良い節約法について5つご紹介します。
ちょっとした工夫で浮かせられるお金というのは随所にあり、方法を少し変えるだけで数千円~数万円の出費が減ることも珍しくありません。
ぜひ参考にしていただき、賢いお金の運用方法を身に着けていただければと思います。
格安SIMを導入してスマホ料金を抑える
まず最初に見直すべきなのは、国民の常備品となったスマホの料金です。
大手3キャリアだと1万円を超える出費になる場合もあり、意味もなくお金を払いすぎている人が多いものです。ザックリした目安は5000円で、これ以上の支払いをしている人は格安SIMの導入、あるいは自分のライフスタイルに適したプランへの変更を検討しましょう。
LINEや動画、SNSを利用する程度でしたら格安SIMで十分事足りますし、スマホゲームのようなデータ通信量が多くなるアプリを使用する際には、Wi-Fi環境を利用するなど工夫の余地は多いものです。
光熱費を見直す
夏や冬に特に高くなりがちな光熱費の見直しもおすすめします。
実はガスの料金の最安値設定は自由化されており、業者ごとに値段が違っていたりします。ネットで自身の住む地域のガス会社を調べ、比較検討して業者を選ぶのも節約法として有効です。
電気に関しては、不要な明かりを消す習慣や、観ていない状況でのテレビなどのモニターを付けないなど小さな工夫を取り入れると節約になるでしょう。塵も積もれば山となるではありませんが、こういった小さな節約癖をつけておくと、無駄な出費に敏感に反応するアンテナを養うことにも繋がります。
保険の見直し
保険大国と呼ばれる日本ですが、節約のためには加入している保険の見直しも検討すべきポイントです。
本当に必要な保険かどうか、ご自身や家族の年齢や立場を振り返り、最低限必要な保険にだけ加入することも大切な節約法となります。何となく不安である、みんなが入っているから自分も入るといった漠然とした理由で保険料を支払い続けるのはやめましょう。
心配ごとの9割は起きないといった科学研究も発表されており、石橋を叩いて渡る準備ばかりしていては、それだけで時間・労力・お金が奪われ、生活の質や幸福度を下げてしまいます。冷静に自分の状況を分析し、必要な保険だけを残しても案外大丈夫なものだということを意識しておきましょう。
ふるさと納税を活用する
ふるさと納税は節税をしながら返礼品がもらえる仕組みで、寄付金と同額の税金の還付・控除を受けることができます。
実質負担額が2000円で済むため、節税対策として活用してみるのも手です。
iDeCoを活用する
iDeCoとは、節税をしながら老後の資金を貯められる、個人が任意に加入する私的年金制度です。
かけ金分の所得控除ができるため、所得税と住民税を減額することができるメリットがあります。
交際費や娯楽費で節約した分をiDeCoに充てておくと、老後の資金+所得控除の恩恵が得られるでしょう。
年収400万円の人のよくある質問
この項目では、年収400万円の人にまつわるいくつかの質問・疑問について回答していきます。
年収400万の年金受給額はいくら?
会社員であれば厚生年金と国民年金の2つの年金が受給できますが、ここでは主に、多くの会社員が加入する厚生年金について回答します。
仮に大卒1年目に入社、23歳から厚生年金に加入したとして、年収400万円の年金受給開始時期別の受給額は以下が目安となります。
- 60歳 年163.1万円
- 61歳 年165.3万円
- 62歳 年167.5万円
- 63歳 年169.8万円
- 64歳 年172.0万円
- 65歳 年174.2万円
国民年金の平均受給額は男性5万8,866円、女性5万3,699円で、厚生年金と合わせた平均受給額は男性16万4,770円、女性10万3,159円となっています。
ただし国民年金は支払っていた期間によって額が変動し、厚生年金は納めていた月数と給与・賞与の額が算出式に関係してくるため、必ずしも満額が受給されるとは限らない点には注意しておきましょう。
年収400万のふるさと納税はいくら?上限額は?
税金の控除ができるふるさと納税ですが、その計算式はやや複雑で、シミュレーションによる年収400万円の実質的な寄付の上限額は、145万9,400円となります。
さらにここから所得税分と住民税分の計算式4つで計算し、寄付金控除額が算出されます。
- 所得税分の計算式 (寄付金-2,000円)×10%
- 復興特別所得税分の計算式 所得税分の控除金額×2.1%
- 住民税基本分の計算式 (寄付金-2,000円)10%
- 住民税特例分の計算式 (寄付金-2,000円)×(90%−10%×1.021)
以上の4つの計算式を一つにまとめると
控除限度額= 個人住民税所得割額×20%/100%-住民税基本分10%-(所得税率×復興税率1.021)+負担金2000円
といった式になります。
さらにここに、家族構成や共働きの有無などが控除額に関わってくるため、ふるさと納税を活用する際には各自治体に問い合わせをするなど確認しておくことをおすすめします。
世帯年収400万で結婚できる?
結論から言いますと、もちろん結婚もできます。
ただし家賃・光熱費・交際費・娯楽費などをしっかりと節約していく必要があり、将来的に子供が欲しいといった目標があるならば、共働きで世帯収入を増やすといった選択肢も、場合によっては取り入れていく必要があるでしょう。
幸いなことに、現代では家でもできる副業の仕事の選択肢が増えています。ネット上で小さな仕事からプロジェクトまで募集しているクラウドソーシングサービスや、個人間でスキルを提供し売買し合うオンラインサービスも増えてきました。
こういったテクノロジーの力を活用し、主婦(夫)の方でも家事の合間に収入を得たり、仕事から帰宅後や休日に趣味も兼ねた副収入を得るなどの選択肢もありますので、現在の世帯年収が400万円だからと言って必ずしも結婚できないわけではないでしょう。
まとめ
以上、年収400万円について、目安となる数字を交えながら、該当する業界・職種を含めて解説いたしました。
年収400万円は全給与所得者の内の14.57%程度で、それほど多くはないこと、生活レベルについても比較的余裕のある生活をしているのかと思いきや、工夫と節約で賢く家計のやりくりをしなければ、2人以上での生活は厳しい実態があることに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
とはいえ収入が多ければそれだけゆとりが出てくるのも事実ですので、年収400万円を目指して転職をするのも決して悪い選択ではありません。現代社会においてキャリアチェンジは一般的になってきていますし、何より一度しかない人生ですので、仕事とプライベートを充実させて後悔のないよう歩みたいものです。
今現在、転職するかどうかも含めて悩んでいる場合は、転職エージェントに相談してみましょう。現在の自分の市場価値や、適切な自己分析をサポートしてくれます。自分では向いていないと思っていた仕事でも、思いがけない方向にチャンスがあるかもしれません。無料で利用できるので、気軽に登録してみてください。
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