こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職支援を27年続けているキープレイヤーズの高野です。
「年収400万円って、手取りでいくらになるんですか」「このままで結婚や家を買うのは大丈夫でしょうか」——20代後半から30代前半の方との面談で、本当によく出る質問です。年収400万円は、多いのか少ないのかイマイチわからない、というのが多くの方の実感だと思います。
先に答えを出します。年収400万円の手取りは約317万円、月にならすと約26.4万円です(2026年分の税制・40歳未満・独身・東京都・協会けんぽ・賞与なしの概算)。そして国税庁の統計では、年収400万円を超える給与所得者は全体の約52%。つまり年収400万円は、日本の給与所得者のほぼ真ん中(中央値付近)にあたる金額です。
ただし、率直に申し上げると、年収400万円は「年齢」と「住む場所」と「家族構成」で評価がまったく変わる年収です。25歳の400万円と40歳の400万円では意味が違いますし、一人暮らしなら余裕があっても、子育て世帯では工夫なしには回りません。
この記事では、①手取りの正確な内訳と2026年の税制改正の影響、②全体の中での位置、③世帯別の生活レベルと家計シミュレーション、④貯金と住宅ローンの目安、⑤年収400万円の業界・職種、⑥年収を上げる方法と転職の注意点、⑦節約法、⑧年代別のアドバイスと失敗パターン、⑨FAQ——を、年収交渉の現場に立ち会ってきた立場から整理します。年収全体の考え方は年収・手取りガイドにまとめています。
結論:年収400万円は「ほぼ中央値」。ただし年齢で意味が変わる
| 論点 | 2026年のリアル |
|---|---|
| 手取り額 | 年約317万円/月約26.4万円(手取り率約79%) |
| 天引き総額 | 約83万円(社会保険料59.9万・所得税5.7万・住民税17.6万) |
| 全体での位置 | 400万円超は全体の51.9%。ほぼ真ん中の年収 |
| 平均給与との比較 | 給与所得者の平均は487万円(令和7年分)。平均よりは約90万円低い |
| 生活実感 | 一人暮らしなら貯金しながら暮らせる。子育て世帯は共働きか節約が前提 |
| 家賃の目安 | 手取りの25〜30%で月6.5万〜8万円 |
| 住宅ローンの目安 | 返済負担率20〜25%で約2,200万〜2,700万円 |
私の感覚では、20代で400万円なら順調、30代前半で400万円なら平均的、35歳を過ぎて400万円のままなら一度キャリアの棚卸しをしたほうがいい——というのがひとつの目安です。もちろん業界や地域によって違いますが、「今の400万円が、5年後いくらになりそうか」を考えることが一番大事だと思っています。
年収400万円の手取り額はいくら?【2026年最新の早見表】
額面年収400万円の手取りは約317万円です。以前は「手取りは額面の約80%」とよく言われましたが、年収400万円ではほぼその通りで、手取り率は約79%になります。
| 項目 | 年額 | 月額換算 |
|---|---|---|
| 額面年収 | 400.0万円 | 33.3万円 |
| 社会保険料(厚生年金・健康保険・子ども子育て支援金・雇用保険) | ▲59.9万円 | ▲5.0万円 |
| 所得税(復興特別所得税込) | ▲5.7万円 | ▲0.5万円 |
| 住民税 | ▲17.6万円 | ▲1.5万円 |
| 手取り | 約317万円 | 約26.4万円 |
※2026年分の所得税(基礎控除104万円の特例適用)、東京都・協会けんぽ(令和8年度料率)、賞与なしで12等分した場合の概算。健康保険組合や住んでいる自治体、扶養の状況で数万円単位で変わります。
条件別の手取り早見表
| 条件 | 年間手取りの目安 | 基本ケースとの差 |
|---|---|---|
| 40歳未満・独身(基本) | 約317万円 | — |
| 40歳以上・独身(介護保険料あり) | 約314万円 | ▲3万円前後 |
| 配偶者控除あり(配偶者の収入なし) | 約322万円 | +5万円前後 |
| 月給25万円+賞与年100万円 | 約317万円 | 年額はほぼ同じ |
ボーナスありの場合の月の手取り
実務で多いのは「月給25万円+賞与2回で計100万円」のような構成です。この場合、毎月の手取りは19〜20万円前後、賞与の手取りは1回あたり約41万円という見え方になります。年間で見れば手取りはほぼ同じでも、月々の生活感はまったく違います。生活設計は必ず月給ベースで組んでください。月の手取りが20万円前後の家計については手取り20万円の生活レベルで詳しく書いています。
2026年の税制改正で手取りはどう変わった?
2026年分から、所得税の基礎控除が本則58万円から62万円に上がり、さらに合計所得金額489万円以下の人には特例で42万円が上乗せされて基礎控除は104万円になりました(2026・2027年分の措置)。いわゆる「年収の壁178万円」の改正です。
年収400万円の場合、所得税は前年の税制より年1万円弱ほど軽くなります。一方で、2026年4月分から健康保険に上乗せされる「子ども・子育て支援金」が始まり、社会保険料はわずかに増えています。差し引きでは手取りはほぼ横ばい〜少し増える、というのが実感に近いと思います。なお、月々の源泉徴収は2026年11月分まで従来どおりで、差額は12月の年末調整で戻ってきます。
年収400万円の手取りの計算方法
ここでは、天引きされる3つの中身を順に見ていきます。自分で計算できなくても、「何にどれくらい引かれているか」を知っておくだけで、転職時の年収交渉や節税の判断がしやすくなります。
年収400万円の所得税は年間約5.7万円
所得税は、額面年収そのものではなく「課税所得」にかかります。計算の流れは次の通りです。
- 給与所得を出す:年収400万円 −給与所得控除124万円(400万×20%+44万円)=給与所得276万円
- 所得控除を引く:276万円 −社会保険料控除59.9万円 −基礎控除104万円 =課税所得 約112万円
- 税率をかける:課税所得195万円以下は税率5%。112万円×5%=約5.6万円
- 復興特別所得税を足す:×1.021で約5.7万円
旧版のこの記事では所得税を「年間約37万円」と書いていましたが、これは給与所得控除や社会保険料控除を引く前の金額に高い税率を当てはめた誤りでした。お詫びして訂正します。年収400万円の独身者の所得税は、年6万円前後が正しい目安です。
年収400万円の住民税は年間約17.6万円
住民税は、都道府県民税と市区町村民税を合わせたものです。所得税と違って税率は一律10%で、前年の所得に対して翌年6月から課税されます。
- 総所得金額の算出:給与所得276万円
- 所得控除:社会保険料控除59.9万円+住民税の基礎控除43万円
- 課税所得:約173万円
- 所得割:173万円×10%=約17.3万円
- 均等割・調整控除:均等割5,000円(森林環境税1,000円を含む)を足し、調整控除2,500円を引いて約17.6万円
住民税は「前年の所得」にかかるため、転職で年収が下がった年や、退職して無収入になった年も、前年ベースの住民税を払う必要があります。転職時にここを見落として資金繰りに困る方は少なくありません。詳しくは転職のお金と手続き完全ガイドで解説しています。
年収400万円の社会保険料は月約5万円
| 天引き項目 | 年額の目安 | 計算のしくみ |
|---|---|---|
| 厚生年金保険料 | 約37.3万円 | 標準報酬月額34万円×9.15%(労使折半)×12か月 |
| 健康保険料+子ども・子育て支援金 | 約20.6万円 | 34万円×(4.925%+0.115%)×12か月(東京都・協会けんぽ) |
| 雇用保険料 | 約2.0万円 | 賃金総額×0.5%(2026年度の労働者負担) |
| 合計 | 約59.9万円 | 月あたり約5万円 |
社会保険料(厚生年金・健康保険)は、月の給与のほか年3回以下の賞与からも同じ料率で徴収されます。年収が同じなら、賞与の有無にかかわらず年間の社会保険料はほぼ同じです。賞与がない会社や年俸制の場合は、そのぶん毎月の天引きが大きく見えるだけです。
年収400万円の割合は?全体の中での位置【国税庁データ】
国税庁「民間給与実態統計調査(令和6年分)」の給与階級別分布を見ると、年収400万円の位置がよくわかります。
| 給与階級 | 全体 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 300万円超400万円以下 | 16.1% | 14.3% | 18.5% |
| 400万円超500万円以下 | 15.3% | 16.9% | 13.3% |
| 500万円超600万円以下 | 11.8% | 14.7% | 8.0% |
| 400万円を超える人の割合 | 51.9% | 67.9% | 31.0% |
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第16表(1年を通じて勤務した給与所得者5,137万人)。「400万円を超える人の割合」は同表の構成比から算出
全体で見ると、300万円台(16.1%)と400万円台(15.3%)が最も多い層です。そして400万円を超える人がちょうど半分強。つまり年収400万円は「ちょうど真ん中」の年収だと言えます。
一方で男女差は大きく、男性では400万円超が約68%、女性では約31%です。2026年9月に公表された最新の「令和7年分」でも、男性で最も多いのは400万円超500万円以下(構成比16.6%)、女性は200万円超300万円以下(同18.7%)でした。
年収400万円は多い?少ない?
結論から言うと、年収400万円は性別・年代・雇用形態によって「多い」「少ない」が分かれる金額です。
国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」(2026年9月29日公表)によると、1年を通じて勤務した給与所得者5,163万人の平均給与は487万円で、5年連続の増加となり過去最高を更新しました。男女別では男性597万円、女性342万円。雇用形態別では正社員559万円、正社員以外210万円です。平均賞与は75万円でした。
| 比較対象 | 平均給与(令和7年分) | 年収400万円との差 |
|---|---|---|
| 給与所得者全体 | 487万円 | ▲87万円 |
| 男性 | 597万円 | ▲197万円 |
| 女性 | 342万円 | +58万円 |
| 正社員 | 559万円 | ▲159万円 |
| 正社員以外 | 210万円 | +190万円 |
出典:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査結果について」(2026年9月)
平均は一部の高年収層に引っ張られるため、実感に近いのは中央値です。中央値で見れば400万円は「ほぼ真ん中」。ただ、正社員の男性に限ると平均よりはっきり下になります。20代・30代前半なら十分に標準的、40代以降なら「伸びていない」と見られやすい——これが率直な評価です。
年収400万円の生活レベル
年収400万円の家賃相場
家賃の目安は昔から「手取りの3割」と言われます。ただ、物価が上がっている今は手取りの25%前後に抑えるのが安全だと私は考えています。
| 家賃の考え方 | 月の家賃目安 | 住まいのイメージ(首都圏) |
|---|---|---|
| 手取りの25%(推奨) | 約6.5万円 | 郊外・都下の1K〜1DK |
| 手取りの30%(上限) | 約8万円 | 23区の外側で1K、郊外で1LDK |
| 賞与込み月給25万円の人 | 約5万〜6万円 | 月の手取り19〜20万円が基準になるので注意 |
とはいえ、ライフスタイルによって家賃にかけられる金額は変わります。外食が多い人は家賃を低めに、住まいにこだわりたい人は家賃を上げてほかの生活費を抑える、というメリハリが大切です。
個人差が大きい3つの費用
衣・食・住以外で、人によって大きく変わるのが次の3つです。
- 交際費・娯楽費:友人や同僚との付き合い、趣味の費用。ここを管理できるかで貯金額が大きく変わります。
- 保険・医療費:通院・歯科・眼科などの定期的な医療費と、民間の医療保険。子どもがいる家庭では急な出費に備えた予備費も必要です。
- 雑費:日用品・文具・ちょっとした買い物。意識していないと一番膨らみやすい費目です。レシート管理や、月に必要なもののリスト化で抑えられます。
以上を踏まえて、世帯別にシミュレーションしてみます。
一人暮らしのシミュレーション(手取り月26.4万円)
| 費目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 家賃 | 7万円 |
| 食費 | 4.5万円 |
| 水道光熱費 | 1.2万円 |
| 通信費 | 0.5万〜1万円 |
| 交際費・娯楽費 | 3万円 |
| 保険・医療費 | 0.5万円 |
| 日用品・雑費・被服 | 2万円 |
| 貯蓄・投資に回せる額 | 6万〜7万円 |
一人暮らしなら、毎月6万円前後、年70万円程度を貯蓄・投資に回しながら暮らせるのが年収400万円です。賞与がある場合は、月の手取りが20万円前後になるので家賃を6万円以下に抑え、賞与を丸ごと貯蓄に回す設計にすると安定します。
夫婦2人暮らしのシミュレーション
| 費目 | 片働き(手取り約26.8万円) | 共働き(世帯手取り約45万円の例) |
|---|---|---|
| 家賃 | 8万円 | 11万円 |
| 食費 | 6.5万円 | 7.5万円 |
| 水道光熱費 | 1.8万円 | 1.8万円 |
| 通信費 | 1万円 | 1万円 |
| 交際費・娯楽費 | 3万円 | 5万円 |
| 保険・医療費 | 1.5万円 | 1.5万円 |
| 日用品・雑費・被服 | 3万円 | 4万円 |
| 貯蓄に回せる額 | 約2万円 | 約13万円 |
片働きで配偶者控除が使える場合、手取りは年322万円前後に増えますが、2人で月26.8万円はかなり工夫が要る水準です。家賃を抑えられる地域なら十分に暮らせますが、都心では貯蓄がほとんどできません。共働きで配偶者にも年収250万〜300万円程度の収入があれば、一気に余裕が出ます。
子どもがいる3人(以上)暮らしのシミュレーション
| 費目 | 月額の目安(片働き・子ども1人) |
|---|---|
| 家賃 | 8万円 |
| 食費 | 7万円 |
| 水道光熱費 | 2万円 |
| 通信費 | 1万円 |
| 教育・保育・子ども関連 | 2万円 |
| 保険・医療費 | 1.5万円 |
| 日用品・雑費・被服 | 3万円 |
| 交際費・娯楽費 | 2万円 |
| 収支 | ほぼゼロ(児童手当を貯蓄に回す前提) |
子育て世帯では、年収400万円の片働きは家計に余裕がありません。児童手当は2024年10月から所得制限が撤廃され、高校生年代まで支給されるようになったので、これを手を付けずに学資として貯めていくのが基本になります。正直に言えば、子どもの進学まで見据えるなら、共働きか、本人の年収を500万〜600万円台に上げる計画が必要です。
年収400万円での貯金事情
年収400万円の人の貯金額は、世帯構成でまったく変わります。上のシミュレーションから逆算すると、目安は次の通りです。
- 一人暮らし:月6万〜7万円、年70万〜80万円程度。5年で400万円前後
- 夫婦・共働き:月10万円以上も十分可能
- 夫婦・片働き:月2万円前後。賞与をどれだけ残せるかが勝負
- 子育て世帯・片働き:月の積立は難しく、児童手当と賞与が中心
貯金のコツは「余ったら貯める」ではなく「給料日に先取りで積み立てる」ことです。新NISAのつみたて投資枠を使って月1万〜3万円を自動で積み立てるだけでも、10年後の選択肢が大きく変わります。
年収400万円の住宅ローン借入の目安
住宅ローンの借入額は「年収の何倍」ではなく、年間返済額が年収の何%か(返済負担率)で考えるのが基本です。フラット35の審査基準では、年収400万円以上なら返済負担率35%まで認められますが、これは「借りられる上限」であって「無理なく返せる額」ではありません。
| 返済負担率 | 月々の返済額 | 借入額の目安(35年・金利1.5%) | 評価 |
|---|---|---|---|
| 20% | 約6.7万円 | 約2,180万円 | 安全圏 |
| 25% | 約8.3万円 | 約2,720万円 | 現実的な上限 |
| 30% | 約10万円 | 約3,270万円 | 家計がかなり苦しくなる |
私がお伝えしているのは、返済負担率は手取りベースで20〜25%以内に収めることです。金利が上がる局面では変動金利の返済額が増えるリスクもあります。年収が上がる見込みがあるなら、その見込みを前提に借りるのではなく、上がってから借り増す(住み替える)ほうが安全です。
年収400万円の人が多い業界・職種
年収400万円前後は、多くの職種で「20代後半〜30代前半の標準」にあたります。代表的なものを挙げます。
営業
営業職は、扱う商材と業界で年収差が非常に大きい職種です。年収400万円は、20代の法人営業や、個人向け営業の標準的な水準です。同じ営業でも、SaaSや人材、金融、不動産の法人営業に移ると、インセンティブ込みで500万〜700万円台に乗る人も珍しくありません。
医療系専門職
看護師、臨床検査技師、理学療法士、薬剤師などの医療系専門職は、資格によって安定した収入が得られます。年収400万〜500万円台がボリュームゾーンですが、昇給幅が小さく、上限が見えやすいのが特徴です。医療系の知見を活かしてヘルスケアスタートアップに移り、年収を上げた方も私の周りには何人もいます。
技能工・製造
工場のオペレーター、整備士、施工管理などの技能職は、残業代や夜勤手当によって年収400万円前後に届くことが多い職種です。資格手当や、施工管理のように人手不足の職種では年収が上がりやすい傾向があります。
ITエンジニア
ITエンジニアは、20代の開発経験2〜3年で年収400万円前後が一般的です。ここからの伸びしろが大きく、Webサービスの開発経験やクラウド・AI領域のスキルがあれば、30歳前後で600万円以上も十分に狙えます。詳しくはエンジニアの転職で年収アップする方法をご覧ください。
事務・バックオフィス
一般事務は年収300万円台が中心ですが、経理・人事・法務などの専門性がある職種では400万円台に届きます。特に経理は、決算や開示の経験が積めると一気に市場価値が上がります。バックオフィスから転職して年収アップする方法も参考にしてください。
年収400万円から年収を上げる方法
| 方法 | 上がり幅の目安 | かかる時間 | 再現性 |
|---|---|---|---|
| 社内での昇給・昇格 | 年5万〜20万円 | 数年単位 | 会社次第 |
| 資格の取得 | 手当で月0.5万〜3万円 | 半年〜数年 | 職種次第 |
| 副業 | 年10万〜100万円 | すぐ〜1年 | スキル次第 |
| 転職 | 50万〜150万円 | 3〜6か月 | 業界・職種選びで高い |
昇給・昇格を目指す
今の会社で評価を上げるのは、最もリスクの少ない方法です。ただし、日本企業の多くは昇給の刻みが小さく、年功的に上がる会社でも年収400万円から500万円に上がるまで5年以上かかることも普通です。昇給ペースが遅い理由は給料が上がらない5つの理由で整理しています。
資格を取得する
資格手当が出る会社なら、資格の取得で年収を底上げできます。ただ、資格そのものより「その資格を使ってどんな仕事ができるか」が年収を決めます。簿記なら経理の実務経験、IT系資格なら開発経験とセットで意味を持ちます。
副業を始める
在宅でできる副業の選択肢は大きく増えました。月3万〜5万円の副収入でも、年収400万円の家計には大きな違いになります。本業のスキルを使える副業なら、実績がそのまま転職時の武器にもなります。選び方はおすすめの副業55選を参考にしてください。
転職をする
最も効果が大きいのは、やはり転職です。厚生労働省「令和6年雇用動向調査」では、転職入職者のうち前職より賃金が増えた人は40.5%、そのうち1割以上増えた人が29.4%でした。年収400万円の方が、業界や職種を変えて500万円台に乗るケースは、私の実感でもかなり多いです。具体的な進め方は転職で年収アップする方法完全ガイドにまとめています。
年収400万円から転職するメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 業界・職種を変えるだけで年収が100万円単位で上がることがある | 未経験職種への転職では、一時的に年収が下がることもある |
| 20代〜30代前半なら「ポテンシャル」で評価してもらえる | 転職活動には時間と費用がかかり、在職中は負担が大きい |
| 成長企業に移れば、昇給ペース自体が速くなる | ベンチャーは年収は上がっても、福利厚生や退職金が薄い場合がある |
| 市場価値を客観的に知ることができる | 年収だけで選ぶと、仕事内容や働き方のミスマッチが起きやすい |
ベンチャー・スタートアップへの転職を考えている方は、ベンチャー転職の完全ガイドで全体像を確認してから動くことをおすすめします。
転職で年収を上げに行くべき人・今は動かなくていい人
| 今すぐ動いたほうがいい人 | 今は動かなくていい人 |
|---|---|
| 30歳を過ぎても昇給が年5万円以下で、上のポストが詰まっている | 入社1〜2年目で、まだ実績と呼べるものがない |
| 業界全体の年収水準が低く、同じ職種でも他業界なら100万円以上高い | 年収は低めでも、数年後に大きく伸びる制度・環境がある |
| 自分の担当業務を数字で説明できる実績がある | 年収への不満より、仕事そのものへの不満が大きい(まず自己分析が先) |
| 結婚・出産・住宅購入など、数年内に家計が大きく変わる予定がある | 資格取得や社内異動など、今の会社でできる手をまだ打っていない |
年収400万円から500万円以上に上げる5ステップ
- 自分の年収を市場と比べる:同じ職種・年代・業界の相場を調べます。求人サイトの提示年収や、転職エージェントの市場評価が参考になります。
- 実績を数字で棚卸しする:売上、件数、改善率、担当顧客数など、職務経歴書に書ける数字を洗い出します。書類の通し方は転職の書類選考 完全ガイドを参照してください。
- 年収が上がりやすい業界・職種を選ぶ:同じスキルでも、業界を変えるだけで年収水準は大きく違います。年収アップしやすい職種から候補を絞ります。
- 在職中に転職活動を進める:収入が途切れないので、焦って条件を妥協することがなくなります。進め方は働きながらの転職活動ガイドにまとめています。
- 内定時に年収交渉をする:提示額をそのまま受けるのではなく、根拠を持って交渉します。年収400万円帯では、交渉で30万〜50万円上がることも珍しくありません。
年収400万円の仕事へ転職する際の注意点
転職活動の費用と生活費を確保しておく
転職活動には交通費やスーツ代などの費用がかかります。また、退職してから活動する場合は、失業保険が出るまでの期間や、前年所得ベースの住民税の支払いに備えて、生活費の3〜6か月分は確保しておきたいところです。
在職中に転職活動をする
仕事を辞めてから転職活動をすると、収入がない焦りから条件を妥協しがちです。可能な限り、在職中に転職先を決めてから退職することをおすすめします。
自己分析をし、適切な業界・職種を選ぶ
年収だけで転職先を決めるのではなく、仕事内容・働き方・福利厚生を総合的に比べることが大切です。高い給料でも、みなし残業が多かったり、希望の部署に配属されなかったりすれば長続きしません。求人票の読み方はみなし残業(固定残業代)完全ガイドで解説しています。転職支援のプロである転職エージェントの活用も検討してみてください。どんな人がエージェントを使うべきかは転職エージェントの選び方ガイドにまとめています。
年収400万円の人がやりがちな失敗パターン5つ
- 額面だけ見て、手取りと月給を確認しない:年収420万円でも、賞与が多い会社だと月の手取りは20万円を切ります。オファー時は「月給」と「賞与の支給実績」を必ず確認してください。
- インセンティブ込みの「理論年収」を信じる:営業職の求人で「年収500万円〜」とあっても、達成率次第で400万円を切ることがあります。実際の支給実績の平均を聞きましょう。
- 家賃を手取りの3割以上にする:年収400万円の家計で最も効くのが家賃です。更新のたびに上げていくと、貯金ができない体質になります。
- 住民税を忘れて退職する:退職後も前年所得ベースの住民税がかかります。年17万円前後の請求が、無収入の時期に来ることになります。
- 年収ダウンを恐れて、キャリアの選択肢を狭める:未経験職種に移ると一時的に年収が下がることがありますが、3年後に大きく上がるなら合理的な判断です。ベンチャーでの年収の変化はスタートアップ転職で年収は下がる?で整理しています。
年代別:年収400万円の方へのアドバイス
| 年代 | 年収400万円の評価 | やるべきこと |
|---|---|---|
| 20代前半 | 平均より高め | 年収より、伸びる業界・職種で経験を積むことを優先 |
| 20代後半 | ほぼ標準 | 業界選びで30代の年収が決まる。動くなら今が一番有利 |
| 30代前半 | やや低め〜標準 | 職種の中で高単価な領域(法人向け、IT、専門職)へ移る |
| 30代後半 | 低め | マネジメント経験の有無が分かれ目。リーダー経験を取りに行く |
| 40代以降 | 低め | 専門性と実績を棚卸しし、評価される場所を選び直す |
私がいつもお伝えしているのは、「20代の転職は業界選び、30代の転職は職種と役割選び」ということです。20代のうちに伸びる業界に入っておけば、30代で年収が自然に上がっていきます。年代ごとの考え方は年齢別転職ガイド、20代の方は20代のベンチャー転職完全ガイドも参考にしてください。
年収400万円の人におすすめの節約法
ちょっとした工夫で浮かせられるお金は、意外とたくさんあります。方法を少し変えるだけで、月に数千円〜数万円の支出が減ることも珍しくありません。
格安SIMや料金プランを見直してスマホ代を抑える
大手キャリアの無制限プランだと月1万円近くかかることもあります。目安は月3,000円前後。これを超えている人は、格安SIMや各キャリアのオンライン専用プランへの切り替えを検討しましょう。
光熱費を見直す
電気・ガスは自由化されており、会社やプランで料金が違います。住んでいる地域で比較検討し、セット割なども含めて見直すと年数万円の差が出ることがあります。不要な照明や待機電力を減らす小さな習慣も、積み重なれば効果があります。
保険を見直す
「なんとなく不安だから」「みんな入っているから」という理由で入っている保険はないでしょうか。会社員は公的な健康保険に高額療養費制度があり、医療費の自己負担には上限があります。自分や家族の状況を振り返り、本当に必要な保障だけに絞ることも大切な節約です。
ふるさと納税を活用する
ふるさと納税は、寄付額から2,000円を引いた金額が所得税・住民税から控除され、返礼品も受け取れる仕組みです。総務省の目安では、年収400万円の独身・共働き世帯の控除上限は約4.2万円、配偶者控除を受けている夫婦世帯なら約3.3万円です。旧版で「上限約145万円」と記載していたのは誤りでした。訂正します。正確な上限は各ポータルサイトのシミュレーターで確認してください。
iDeCoと新NISAを活用する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が全額所得控除になるため、所得税と住民税が安くなります。年収400万円で月2万円を拠出すれば、年約3.6万円前後の節税になります(所得税5%+住民税10%の場合)。ただし60歳まで引き出せないので、自由に使えるお金は新NISAで積み立てるなど、使い分けるのがおすすめです。
年収400万円の人のよくある質問(FAQ)
Q1. 年収400万円の年金受給額はいくら?
会社員は国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金の2階建てで受け取ります。22歳から60歳まで38年間、平均年収400万円で厚生年金に加入していた場合、厚生年金(報酬比例部分)は年80万円前後が目安です。これに老齢基礎年金(2025年度の満額で年約83万円。加入期間に応じて減額)を合わせると、65歳からの受給額は年160万円前後、月13万円程度が一つの目安になります。実際の金額は「ねんきん定期便」やねんきんネットで確認してください。
Q2. 年収400万円のふるさと納税の上限額はいくら?
総務省の目安では、独身または共働きで約4.2万円、配偶者控除を受けている夫婦で約3.3万円です。住宅ローン控除や医療費控除を受けている場合は上限が下がるので、シミュレーターで確認してから寄付しましょう。
Q3. 世帯年収400万円で結婚・子育てはできる?
結婚はもちろんできます。ただし家賃・交際費などをしっかり管理する必要があり、子どもが欲しい場合は共働きで世帯収入を増やすことも検討したほうが安心です。在宅でできる副業も増えているので、夫婦のどちらかが副収入を得るという選択肢もあります。
Q4. 年収400万円は「勝ち組」?「負け組」?
どちらでもありません。全体のほぼ真ん中で、年代によって評価が変わる年収です。大事なのは今の金額よりも、5年後にいくらになっていそうかです。伸びる環境にいれば400万円は通過点ですし、伸びない環境なら早めに手を打つべきです。
Q5. 手取りが早見表より少ないのはなぜ?
主な理由は、40歳以上で介護保険料がかかっている、健康保険組合の料率が違う、住民税が前年の高い所得で計算されている、財形や社内積立が天引きされている——のどれかです。給与明細の控除欄を一度確認してみてください。
Q6. 年収400万円で一人暮らしはきつい?
きつくはありません。家賃を手取りの25〜30%(月6.5万〜8万円)に抑えれば、月6万円前後の貯金をしながら暮らせます。ただし、賞与込みで年収400万円の場合は月の手取りが20万円前後になるので、家賃は6万円以下が目安です。
Q7. 年収400万円から転職で500万円以上は狙える?
十分に狙えます。特に20代後半〜30代前半で、業界を変える(たとえば個人営業から法人向けSaaS営業へ、SIerから自社開発のWeb企業へ)転職では、年収が100万円前後上がるケースをよく見ます。年収500万円の手取りや生活レベルは年収500万円の手取り完全ガイドで詳しく解説しています。
Q8. 年収300万円台から400万円に上げるには?
まずは今の職種の中で、年収水準が高い業界に移ることを検討してください。年収300万円台の生活レベルと上げ方は年収300万円の手取りと生活レベルにまとめています。
まとめ:年収400万円は「真ん中」。ここからの5年で差がつく
- 年収400万円の手取りは約317万円・月26.4万円(2026年分の概算、手取り率約79%)
- 天引きは約83万円。最大の負担は社会保険料の約60万円
- 400万円超は全体の51.9%で、ほぼ中央値。平均給与487万円よりは低い
- 一人暮らしなら月6万円前後貯金できる。子育て世帯の片働きは余裕がない
- 住宅ローンは返済負担率20〜25%で約2,200万〜2,700万円が目安
- 年収を上げる最短ルートは、業界・職種を変える転職
以前この記事では「年収400万円は多くはない」とだけ書いていましたが、27年この仕事をしてきた実感として申し上げると、年収400万円の時期にどこで経験を積むかで、30代・40代の年収はほとんど決まります。同じ400万円でも、伸びる業界で働いている人は5年後に600万円を超え、伸びない場所にいる人は5年後も420万円のまま、ということが本当によくあります。
一方で、年収を上げること自体が目的化すると長続きしません。今の仕事にやりがいがあり、数年後に伸びる見込みがあるなら、無理に動く必要はありません。大事なのは、自分がどちらを選んでいるのかを自覚していることです。より上のレンジの話は年収600万円の手取り完全ガイドもご覧ください。
キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップを中心に、年収と将来のキャリアの両面からご相談をお受けしています。「今の年収は市場水準として妥当なのか」「転職で上がる可能性はあるのか」だけでも構いません。数字と実例で率直にお伝えしますので、お気軽にご相談ください。




コメント