CFO転職ガイド|年収相場となり方・経理部長との決定的な差

CFO転職 経理部長で終わる人とCFOになる人の差
執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、7社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。165社上場支援実績あり。バングラデシュで不動産会社、商業銀行の設立からの株主、渋谷のバーのオーナーなど。

この記事の要点:CFO(最高財務責任者)とは、経理のように「数字を締める人」ではなく「数字で経営を動かす人」。経理部長との違いは、資金調達・投資家対応・IPO準備・M&Aなど”攻めの財務”に責任を持つこと。近年の上場スタートアップCFOには投資銀行出身者が多く、年収目安は現金900万〜4,000万円+ストックオプション。

はっきり言います。「数字を締められる人」は、CFOにはなれません。CFOとは「数字で経営を動かす人」だからです。キープレイヤーズ代表の高野秀敏です。27年間・延べ1万2000人以上のキャリア面談と、4000人以上の経営者との採用相談の中で、「優秀な経理部長」で終わる人と「CFO」に駆け上がる人の決定的な差を、何百回と見てきました。

目次

結論:経理部長で終わる人と、CFOになる人の3つの差

  • ①「締める力」ではなく「攻める力」:資金調達・投資家対応・事業判断に踏み込めるか
  • ②「正確さ」ではなく「意思決定への翻訳」:数字を経営の言葉に変えられるか
  • ③「守り」ではなく「経営者の相棒」:社長と対等に事業を語れるか

経理は「過去を正確に記録する仕事」、CFOは「未来の意思決定に数字で責任を持つ仕事」。この一線を越えられるかが、すべてです。

CFO(最高財務責任者)とは:経理部長と何が違うのか

CFO(Chief Financial Officer/最高財務責任者)とは、財務戦略の最高責任者です。経理部長が「決算・税務・記帳」を担うのに対し、CFOは資金調達、投資家・銀行との交渉、予実管理を通じた事業判断、IPO準備、M&Aまで会社の「お金の未来」全体を設計します。

スタートアップCFOに求められる3つの力

  • 資金を作る力:エクイティ・デットの調達、投資家との対話
  • 数字を経営言語に翻訳する力:KPIと財務を結び意思決定を変える
  • 不確実性に耐える力:予測が外れる前提で打ち手を出し直す

近年活躍するスタートアップCFOの共通点【実例】

近年、上場スタートアップのCFOには投資銀行・PE出身者が目立ちます。公開情報で確認できる実例を挙げます。

  • 江田清香氏(メルカリ 取締役 兼 執行役 SVP of Corporate 兼 CFO):ゴールドマン・サックス出身。2021年に執行役員CFOとしてメルカリへ参画
  • 橋本宗之氏(Sansan 取締役/執行役員/CFO):外資系証券で東京・ニューヨーク約9年、M&Aや資金調達のアドバイザリーに従事。その後日本政策投資銀行グループでプライベートエクイティ投資を経験し、2017年Sansanへ
  • 金坂直哉氏(マネーフォワード):ゴールドマン・サックス出身。同社CFOとして上場を財務面から牽引し、現在は取締役執行役員/マネーフォワード ホーム社長
  • 永見世央氏(ラクスル):CFOとして同社の上場を牽引し、現在は代表取締役社長CEO

共通するのは、会計知識ではなく資金調達・M&A・投資家対話で会社を実際に動かした経験です。

そして、もう一つ見逃せない事実があります。CFOはゴールではありません。金坂氏はグループ会社の社長へ、永見氏は同社のCEOへ。CFOは「財務の上がりポジション」ではなく、経営者への最短ルートの一つになりつつあります。数字で経営を動かした人が、そのまま経営を任される。これが今のスタートアップの現実です。

金坂氏へのインタビューはこちらの記事で詳しく紹介しています。より詳しい上場ベンチャーCFOのキャリア分析はマザーズ上場ベンチャー企業のCFOキャリア分析もあわせてご覧ください。(役職は各社公式ページ・有価証券報告書にもとづき2026年7月時点)

フェーズで変わるCFO要件

  • アーリー期:管理体制ゼロから作り資金調達を主導する「立ち上げ型」
  • ミドル期:組織と管理を仕組み化しIPOを見据える「体制構築型」
  • IPO前後:上場審査・IR・ガバナンスを担う「上場実務型」

【2026年の最新動向】東証グロースの基準厳格化でCFOの価値が上がっている

今、スタートアップの財務に大きな構造変化が起きています。東証はグロース市場の上場維持基準を上場5年経過後に時価総額100億円以上に引き上げました(従来は10年後に40億円以上)。

インパクトは深刻です。グロース市場の約600社のうち、時価総額100億円以上は約3割だけ。残り約7割は基準未達のリスクを抱えています(2025年3月末時点)。

これはとりあえず上場が通用しなくなったことを意味します。上場がゴールではなく、上場後に時価総額を伸ばすストーリーと実行が問われる。だから上場実務を回せるだけのCFOでは足りず、投資家に成長ストーリーを語り、事業の数字を作れるCFOの希少性が一気に高まっています。

実際、2025年のスタートアップIPOは過去10年で最低の31社に留まり、出口もIPOからM&Aへシフトし始めています。M&Aを設計できるCFOへの需要も増えています。

(東証発表・各種報道にもとづき2026年7月時点)

自分は狙えるのか、今何を経験すべきか。ここは一人で考えても答えが出にくい部分です。市場でどう見られているかを知るだけでも、次の一手が変わります。キャリアの壁打ちもお気軽にどうぞ。

CFOの年収相場(目安)

  • シード〜シリーズA:現金年収 900万〜1,600万円+SO
  • シリーズB〜C:1,300万〜2,500万円+SO
  • IPO前後・上場企業CFO:2,000万〜4,000万円+SO/RS

当社の支援実績にもとづく目安です。SOは行使条件次第で価値がゼロにもなるため条件確認は必須です。

CFOになるには:よくあるキャリアパス

王道は(1)監査法人・銀行・証券・PE/VCで財務の土台を作る、(2)事業会社の経営企画・財務で「事業と数字」を接続する、(3)スタートアップに財務責任者として参画しフェーズ拡大とともにCFOになる、の3つ。最短は(3)です。

よくある質問(FAQ)

経理・財務経験だけでCFOになれますか?

経理の正確さは土台ですが、それだけでは足りません。資金調達や事業判断への関与経験が問われます。

未経験からスタートアップCFOは可能ですか?

CFO未経験は普通です。アーリー〜ミドルで財務責任者として入り、フェーズと共に役割を広げる入り方が現実的です。

CFO転職で年収は上がりますか?

フェーズ次第です。IPOが見えるフェーズや上場企業CFOでは大手を超えることもあります。

まとめ:CFOは「肩書き」ではなく「経営への当事者性」で決まる

経理部長とCFOを分けるのはスキルの量ではありません。数字を”締める側”から、数字で”経営を動かす側”へ回れるか。その当事者性です。もし今、正確な数字を作りながら「経営に入れていない」ともどかしさを感じているなら、それはCFOに向いているサインかもしれません。

キープレイヤーズはスタートアップのCFO・財務責任者の転職支援と、企業側のCFO採用支援の両方を手がけています。「自分はCFOを狙えるのか」を壁打ちしたい方はお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

東北大→インテリジェンス出身。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、7社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。165社上場支援実績あり。バングラデシュで不動産会社、商業銀行の設立からの株主、渋谷のバーのオーナーなど。

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