手取り20万円は高い?安い?生活の実態と収入アップのポイントを解説

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、7社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。165社上場支援実績あり。バングラデシュで不動産会社、商業銀行の設立からの株主、渋谷のバーのオーナーなど。

手取り20万円と聞いたとき、多いと感じる人もいれば、少ないと感じる人もいるでしょう。収入は年齢や地域などによっても平均値が異なるためです。

確実なのは、手取り20万円はフルタイムでしっかり働いている人の収入です。手取り20万円を稼ぎ出すポテンシャルがある人は、仕事や生活において、さまざまな選択肢があるでしょう。この記事では、手取り20万円の生活の実態や人生設計を解説するとともに、収入アップのためのポイントを紹介します。

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目次

手取り20万円を分析

「手取り」とは、額面給与から社会保険料や税金が引かれたあと、実際に受け取れる給与の金額です。ここでは「手取り20万円」がどういった給与なのか解説します。

手取り20万円の月収、年収

手取り20万円の額面給与は、約25万円ですボーナスを除いた年収は300万円で、手取り年収は240万円になります。

額面給与が25万円もらえる仕事となると、正社員がメインとなりそうです。契約社員や派遣社員、アルバイトという可能性もありますが、フルタイムの月間労働時間が約160時間と考えると、時給が1500円以上でなければ25万円には届きません。非正規社員であっても、スキルや経験が重視される高時給な職種と考えられます。

手取り20万円の社会保険料・税金

給与額面から差し引かれる項目は、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険などの社会保険料と、所得税や住民税などの税金です。ここでは、手取り20万円の額面給与25万円を月額報酬として算出します。

【社会保険料】

  • 健康保険料
    20等級で、40歳未満で介護保険の支払いがない場合は12,792円、40歳以上65歳未満では15,132円です。
  • 厚生年金保険料
    16等級で、21,960円になります。
  • 雇用保険
    雇用保険料率は業種にもよりますが、一般の事業における従業員負担率は0.3%です。そのため750円ほどになります。

社会保険料の従業員負担分を合計すると毎月35,502円(40歳以上65歳未満の場合は37,842円)、年間では426,024円(同454,104円)がかかることになります。

【税金】

  • 所得税
    課税所得に応じて国から徴収される税金のことをいいます。課税所得とは基礎控除、配偶者控除、扶養控除など15種類の所得控除を引いた後の金額です。そのため、同じ給与であっても、人によって所得税の金額は変わります。仮に、手取り20万円の人の年収を300万円と想定し、独身者で所得控除が基礎控除(48万円)しかない場合で考えると、年間に支払う所得税は55,650円。復興特別所得税(1200円)を合わせると56,800円になります。
  • 住民税
    住民税は課税所得の10%と考えて良いでしょう。地域によって、均等割という課税対象の住民が一律に納める住民税がありますが、ここでは考慮しないことにします。上記の独身者の場合では住民税は20万円ほどかかるとみておきましょう。

手取り20万円は高い?低い?

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、月の賃金額の全国平均は30万7000円でしたから、額面25万円は平均よりも少し低めです。

ただし給与水準は、年齢や居住地によって異なるため、手取り20万円という収入帯を判断するためにはもう少し細かなデータを見ていく必要があります。ここでは、さまざまな統計データから読み取れる「現代日本における手取り20万円のポジション」を解説します。

全体から見た手取り20万円

「2019年国民生活基礎調査の概況」における、「世帯所得の分布状況」を見ると、「200~300万円未満」が13.6%、「300~400 万円未満」が12.8%、「100~200万円未満」が12.6%の順で多くなっています。
この調査は世帯を対象としているため、共働きなど家庭内にお金を稼ぐ人が複数いる場合も含みます。それでも手取り20万円(手取り年収240万、ボーナスを含めた場合を考えると300万ほど)程度で生活する人はボリュームゾーンに入ることがわかります。

次に、一人当たりの収入で見てみましょう。
国税庁「民間給与実態統計調査(2019年分)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者のうち、平均給与が300万円〜400万円以下の人が17.0%と最も多く、次いで200万円〜300万円以下の人が14.9%でした。このデータからも、手取り20万円は給与所得者の収入として一般的といえます。

学歴から見た手取り20万円

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」における「新規学卒者の学歴別にみた賃金の平均 」では、高校卒業の初任給は17万9000円、専門学校卒業で20万6000円、高専・短大卒業で19万9000円、大学卒業で22万5000円、大学院卒業で25万3000円でした。

大学院卒の場合、初任給の手取りは20万円ほどになりますが、それ以外の学歴では手取りは20万円を下回ることが想定されます。

大企業でも初任給は額面で20万円前後に設定していることは少なくないため、手取り20万を超えるのは入社数年目以降です。手取り20万円は、若い世代には一般的な範囲の給与水準といえるでしょう。

男女別に見た手取り20万円

国税庁による「民間給与実態統計調査(令和2年分)」によると、給与所得者の1人当たりの平均給与433万円のうち、男性は532万円、女性は293万円でした。

この統計からもわかるように、平均年収は女性よりも男性の方が高くなる傾向があります。男性では400万円〜500万円以下の人が最も多く、その次に多いのが300万円〜400万円以下の人です。 一方、女性では、100万円〜200万円以下が最も多く、その次に多いのが200万円超300万円以下の人でした。

手取り20万円は男女全体で見れば一般的ではありますが、男性の場合は「もう少しあげたいな」と感じる収入帯かもしれません。

20代男性から見た手取り20万円

同調査によると、20〜24歳男性の平均給与は277万円、25〜29歳では393万円でした。男性の場合、手取り20代前半から半ばまでは手取り20万円ほどが一般的ですが、20代後半以降の平均給与はもう少し上がります。30歳前後で手取り20万円をオーバーしているかどうかが、平均的な給与水準を上回る分かれ目になりそうです。

20代後半から30代にかけて家庭を持つ人も増えていくことから、この時期の収入アップは切実な問題といえそうです。

30代男性から見た手取り20万円

30〜34歳男性の平均給与は458万円、35〜39歳では518万円でした。30代男性が同じ会社で数年勤務しているにも関わらず、手取り20万円から変わらない場合、平均的な給与と比べ低いといえます。

統計データからも、男性では60 歳までは年齢が高くなるにしたがい平均給与も高くなり、55~59 歳の668万円でピークとなっていることがわかります。一般的に、30代はこれからどんどん給与が上がる、ビジネスパーソンとして一番旬な時期です。大切なこの時期に手取り20万円のままでは少し勿体ないかもしれません。

女性から見た手取り20万円

女性の場合、20代〜60代までの平均給与は200万円〜300万円で推移しており、年齢による変化はあまりありません。

女性の場合、出産や育児で職場を離れる人が多いため給与水準が上がりにくいことが想定されます。一方で、一部の正社員で働ける女性と、非正規社員で短時間働く女性との給与格差が拡大しているとも考えられます。「女性だから手取り20万は普通」と考えるのではなく、さまざまなライフステージに対応した結果、平均給与が下がっていると考えた方が良さそうです。

フルタイム正社員で働く女性と同年代の男性の給与にはそこまで差がないとも考えられるでしょう。

地域別に見る手取り20万円

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」における月の賃金額の全国平均は、30万7000円でした。「都道府県別にみた賃金」によると、最も賃金が高いのは東京(36万4000円)で、神奈川(33万6000円)、大阪(32万6000円)と続きます。このデータを見ると、平均よりも高い賃金が得られるのは、東京をはじめとした都市部ということがわかります。一方で、最下位になってしまった宮崎(24万4000円)や、青森(24万5000円)、秋田(24万7000円)のように、地方においては、フルタイムで働いても手取り20万円に届かない人も多くいるようです。

このような格差は、地域によって最低賃金に差異があることはもちろんですが、地方に大規模企業が少ないことが理由の一つに挙げられます。なぜなら、企業の資本金額が大きくなるほど従業員の給与水準も上がるからです。現に、大手自動車関連企業が集まる愛知県は東海地方では突出して賃金が高くなっています。

このように、住んでいる地域によって、「手取り20万円」への認識は大きく異なります。都市部のように物価も地価も高いところで暮らすのは心許なくても、地方で暮らすには十分な収入であるといえるでしょう。

手取り20万円の生活費の内訳

手取り20万円の人の生活費の内訳を解説します。

【都内での一人暮らしの場合】

内訳 金額
家賃 7万円
食費 4万円
水道光熱費 1万円
通信費 5,000〜1万円
雑費 2万円
交際費・娯楽費 3万円
貯金 2万5,000円

一人暮らしの場合は、交際費や娯楽費、貯金に回せるお金にも余裕があります。

また、固定費のなかでも一番割合の大きい家賃の安い物件に住むことで、さらに節約も可能です。通信費は格安SIMを利用すると、生活費を抑えられるのでおすすめです。

【パートナーと二人暮らしの場合】

内訳 金額
家賃 8〜9万円
食費 4万円
水道光熱費 1万5,000円
通信費 5,000〜1万円
雑費 3万円
交際費・娯楽費 2万円
貯金 1万円

パートナーとの二人暮らしでは、まず家賃が高くなります。二人が十分に暮らせる大きさの家となると2LDKタイプの部屋になるため、一人暮らしに比べて高くなります。また、都内になると2LDKタイプの部屋で少なくとも10万円以上になります。

また水道光熱費や雑費は増えるため、その分使える交際費や娯楽費が減るでしょう。

現実的に考えると手取り20万円で二人暮らしをする場合には、パートナーも働く必要があるといえます。

手取り20万円の生活

手取り20万円の人を、社会人数年目のビジネスパーソンと想定すると、そろそろ実家を出て一人暮らしを始めたり、パートナーとの結婚を考え始めたりする時期です。手取り20万円で暮らしていけるのか不安に思う人もいるでしょう。ここでは、手取り20万円でどのような生活ができるのか、解説します。

手取り20万円の適正家賃

家計における家賃の割合は、手取りの3分の1程度までが上限といわれています。手取り20万円の人が無理なく暮らすためには、家賃にかけられるのは6.5〜7万円までです。ただし、「家賃は手取りの3分の1説」は、一昔前にいわれていたことです。将来的に給与が上がっていく見込みがあれば、家賃が多少高くても問題ありませんが、基本的には家賃のような固定費は抑えるに越したことはありません。家賃の負担を小さくすれば、家計運営は想像以上に楽になるはずです。

これから物件を探す場合は、立地や設備など、妥協できるところはできる限り妥協することが大切です。可能であれば親族の土地家屋を使わせてもらったり、社宅などの利用を検討したりするなど、住居費を抑えるための手段を考えましょう。

手取り20万円でかけられる食費

1ヶ月にかかる食費については、世帯の人数や性別、年齢によって変わります。単身者の場合は、男性4万円、女性3万5000円ほどが目安とされていますが、お酒の量や外食の回数などによっても大きく変動します。

手取り20万円は、あまり贅沢ができない収入帯です。自炊や節約メニュー、作り置きなどを意識し、食費は月4万円程度に抑えることが大切です。外食やコンビニの利用は避け、お弁当や水筒を持参するなど日頃の努力が必要になります。

ただし、月4万円はあくまで単身者の食費の目安です。家族の人数に応じてかかる食費は増加していくので、しっかり念頭に置いておきましょう。特に、食べ盛りの子供がいる家庭は食費の捻出に悩む機会が増えるかもしれません。

手取り20万円は住宅ローンを組めるか

近年、日本は低金利が続いており、ローンが組みやすい状況になっています。
家を借り続けるよりも買ってしまった方が安くなる場合もあるので、住宅購入を計画する人も多いでしょう。

多くの人が利用するフラット35の金利は、融資率9割超の場合年率1.750%です。これを元に融資可能額を計算すると、手取り20万円(年収300万円として計算)では1800万〜2000万円の融資を受けられます。この場合、月々の支払いは6万円程度になるでしょう。

ただし、年収300万円の人が頭金ゼロで35年ローンを組むためには、厳しい審査のハードルをクリアする必要があります。場合によっては金利が上乗せされてしまったり、金融機関やローン商品によっては審査が通らなかったりすることもあるかもしれません。

2022年現在は不動産価格が上がっているということも考え、一旦は焦らず頭金を貯める努力をする時期と考えても良いでしょう。

手取り20万円で結婚はできるか

手取り20万円の人は若い世代が多いと考えられるので、そろそろ結婚を考え始める人も多いはずです。手取り20万円でも結婚生活を送ることはもちろん可能です。最初こそ庶民的な暮らしになりますが、その後収入が徐々に上がっていく見通しならば、何も不足のない暮らしができるでしょう。

ただし、今後しばらく昇給しそうにない場合は、夫婦でライフプランをしっかり立てておくことが重要になります。一般に女性は妊娠・出産後しばらくは思うように働けなくなります。出産まではしっかり共働きをし、貯蓄しておくことが生活を楽にするカギになるでしょう。

また、パートナーが同程度稼げる人の場合、手取りは単純計算で倍以上になります。手取り20万円であっても、一馬力と二馬力では生活レベルにかなり差が出てくると考えられます。結婚前にパートナーの仕事観を確認し、どのような生活をしていきたいかしっかりとすり合わせることが大切です。

手取り20万円で子供は持てるか

2019年度国民生活基礎調査の概況によると、1世帯当たり平均所得金額は552万3千円でした。「一世帯当たり」ということは、共働き家庭なども含めているということです。

このうち、「児童のいる世帯」の平均所得金額は745万円と少々高めです。ただし、この金額には稼働所得の他に、児童手当や給付金、仕送りなども含まれているため、実際の給与所得としてはこれよりも少ない金額になります。それでも、「児童のいる世帯」は、夫婦共働きによって収入に余裕を持たせているパターンが多いことが推察できます。

国勢調査の結果からも、共働き夫婦の割合は6割を超えており、共働き世帯の数が専業主婦世帯を上回っていることがわかっています。

手取り20万円だけで子どもを持つのは難しいのでしょうか?

最近では、少子化対策を目的に、子育てにかかる費用は公的な支援で賄えるようになっています。例えば、児童手当や幼稚園保育園の無償化、公立高校の無償化のほか、自治体によっては小学校卒業までの医療費を無償にしている場合もあります。子どもを成人させるだけであれば、そこまでお金はかからないといえるでしょう。

しかし、子どもがいれば食費をはじめ、さまざまな出費に備える必要があります。塾や習い事など、周囲がやっているものを自分の家では全くやらないという訳にもいかないでしょう。そうした意味で、手取り20万円だけでは「平均的な育児」をするのが難しいといえるかもしれません。共働きで可処分所得を増やし、かけられる教育費を増やすことで、親も子もゆとりある生活が送れるといえます。

手取り20万円から上がらない人生はどうなる?

手取り20万円の人のなかには、「なんとか生活できている」層も多いので、収入アップの必要性を感じない人も少なくないでしょう。しかし、手取り20万円は、生涯を見据えたとき、少々心許ない収入帯です。ここでは、手取り20万円から給料が上がらない前提で、どんな暮らしになるかを解説します。

手取り20万円の年金を試算

今、手取り20万円で生活できていても、気になるのは老後のことです。手取り20万円から収入が変化しないと想定した場合、将来的に受け取れる年金額はいくらになるのでしょうか。

年金は定額部分と報酬比例部分の二段階構造になっています。

定額部分は、国民なら誰でも加入する国民年金の納付月数が反映されます。老齢基礎年金は保険料一律です。
20歳から60歳になるまでの40年間、国民年金を納付した場合は満額支給となります。2022年度の満額は月64,816円、年額では77万7千円ほどです。

国民年金の支給額は、前年の物価や賃金の指数によって増減しますが、ここ数年は78万円ほどで推移しています。

次に報酬比例部分である厚生年金の計算です。厚生年金の支給額は、収入と加入期間によって変化します。計算式は以下のようになります。

  • 平均標準報酬額×5.481/1,000

ここに手取り20万円の額面給与である25万円を当てはめると、以下のような計算式になります。(22歳から60歳まで、38年間・456カ月加入していることにします)

  • 25万円×5.481/1,000×456カ月=62万4834円

報酬比例部分は62万円ほどです。

よって、手取り20万円で定年まで勤め上げた場合、65歳から受け取れる年金額は、年間で約140万円、月11万円ほどとなります。住まいの有無やパートナーの年金額にもよりますが、老後に向けてまとまった資産がなければ不安を感じる額かもしれません。

収入が上がれば厚生年金保険料の納付金額も上がりますが、その分年金の報酬比例部分も増やすことができます。老後の安心のためには働き盛りの年齢でできるだけ収入を得ることが大切といえるでしょう。

教育費の負担は大きい

上述の通り、現代の日本においては、子どもを成人させるだけならそれほど多くの費用を必要としません。公立学校に行き、必要以上にお金をかけないのであれば手取り20万円でも問題ないでしょう。

しかし、子育てに正解がないぶん、教育にかかる費用は未知数です。特に中学高校からは教育費の負担が大きくなる時期であり、子どもの将来の選択肢に家庭のお金の有無が関わってくるシビアな面が出てきます。

できる限り子どもの希望に沿った進路を選ばせてあげたいと考えると、手取り20万円のままでは難しいかもしれません。教育費がかかる時期に向けて、早めに収入アップの計画を立てておくことが大切です。

手取り20万円の貯蓄を考える

2019年6月、金融庁の金融審議会で「老後資金は2,000万円不足する」と公表され世間を騒がせました。「老後の生活費は年金だけでは賄えない」というデータに多くの人が不安に思ったはずです。

いわゆる「老後2000万不足問題」の2000万円は、夫婦2人の無職世帯を前提としています。必ずしも全ての人が老後までに2000万不足するといっている訳ではありません。しかし、上述の年金支給額を考えると、ある程度は貯めておく必要があることがわかります。

仮に20歳から60歳までに2000万貯蓄しようとした場合、1年間に50万円の貯蓄が必要になります。ひと月あたり約4万円を残さなければならないとなると、手取り20万円(額面年収300万円)の人にとってはかなり難しいといえるでしょう。

実際に、給与が少ない若手時代や、子どもにお金がかかる時期に貯蓄がままならない家庭は多く、今順調に貯蓄できていなくてもさほど問題はありません。しかし、40歳代以降は老後を見据えて貯蓄のペースを上げていく必要があります。その際に手取り20万円のままでは、生活するのに精一杯で、とても十分な貯蓄をすることは不可能でしょう。

給与が上がりやすい働き盛りの時期に、収入アップしておくことが大切です。

手取り20万円から収入を上げる方法4つ

手取り20万円から収入を上げる方法は、以下の4つです。

  • 昇給や昇進・昇格を目指す
  • 資格取得してスキルアップを狙う
  • 副業を始める
  • 転職をする

それぞれ詳しく解説します。

昇進や昇格を目指す

収入を上げる方法でまず取り組みたいのが、現在の会社で昇進や昇格を目指す方法です。

昇進や昇格すると、基本給がアップする可能性が高く、さらに会社や上司からの期待も高まるため、その後のキャリアアップにも良い影響があります。

会社によって異なりますが、昇進や昇格できるチャンスは年に1回や2回という企業がほとんどです。そのため、昇進や昇格に必要なスキルや条件をクリアできるように、長期的に取り組む必要があります。

資格取得してスキルアップを狙う

現在働いている会社や職種によっては、特定の資格を取得すると資格手当が支給される会社もあります。

社内規定を確認して資格の種類と支給額を確認してみましょう。資格によっては年に3,4回受験できるものもあるので、勉強次第ではすぐに収入に反映されます。

また、資格を取得したことで収入に大きな反映がなくても、資格を取得していることで昇進や転職に役立つため、おすすめです。

副業をする

副業を始めて、収入を上げる方法もあります。

副業で月1万円を得られると、娯楽や貯金に充てられるお金にも余裕がでます。

ただし、副業をする場合には、体調管理やスケジュール管理などに気を配るのが重要です。副業に時間を割きすぎてしまい、本業に影響がでてしまうと本末転倒だからです。

会社によっては副業が禁止されている場合もあるため、就業規則を確認したうえで副業を始めましょう。

転職をする

現在の職場で「給料アップが期待できない」「会社の将来性が見込めない」と感じたら、転職して収入を上げる方法も検討してみましょう。

転職を成功させると、いきなり月々の基本給とボーナス額がアップする可能性があり、年収アップが期待できます。

ただし、年収面だけを見て転職先を決めるのではなく、仕事環境や福利厚生など総合的に考慮して決めるのが大切です。なぜなら、高額な給料はもらえても、毎日サービス残業があったり、希望する部署に配属されずスキルが生かせなかったりする可能性があるからです。

転職で成功させるために、転職支援のプロである転職エージェントの活用も検討してみましょう。

給与が上がりにくい仕事

給与水準は業界ごとに明確な差が見られます。同じ業界でも、正社員か非正規社員かによって給与は変わってきますが、給与が上がりにくい職種には傾向があります。ここでは、国税庁による民間給与実態統計調査(令和2年分)のデータをもとに、平均給与の低いワースト4業界について解説します。

宿泊・飲食サービス業

平均給与は239万円であり、全業種のうち最下位です。賞与も一番低い水準になっています。宿泊業・飲食業ともに、景気変動の影響を受けやすく、安定した利益を出しにくい点が給与の低さにつながっています。離職率も全業種で突出して高く、勤続年数を重ねにくい点も給与水準の低さと関係しているようです。夜勤を含む不規則なシフト勤務も、離職の原因になっています。

最近では、社内システムのIT化による従業員の負担軽減や、ホテルの無人化、休みの取りやすさなど、さまざまな改革がされていることから、少しずつ状況は改善しています。

農林水産業・鉱業

日本の農業の純生産は年々減少しています。農家1戸あたりで見ても農業所得は大きく減少しており、農業経営は非常に厳しい状況となっています。このような状況は、農産物価格が低下したことや生産量が減少したことに加え、肥料、農薬等の農業生産資材価格が上昇したことが原因となっています。十分な農業所得を得ている農家は少数であり、副業収入に頼っている農家が多くを占めています。

同様の事態が水産業や林業、鉱業でも起きており、業界全体の平均所得も265万と低めです。

最近では、M&Aなどによって農林水産事業の大規模化が実現している地域もあります。農林水産業を志望する際は、大きな資本によって支えられているかどうかもポイントになりそうです。

サービス業、卸売業,小売業

「日本のおもてなしは世界一」といわれる中、サービス業、卸売業、小売業の賃金は低い水準に止まっています。全体の平均給与は320万円ほどです。
ここには、一人ひとりの生産性が上げにくいという業界特有の悩みがあります。どんなに良い接客をしても、商品やサービスの価格は大きく変わりません。商品原価、店舗の家賃、宣伝広告費などがかかる事業が多いため、人件費もコストとして削られてしまいがちです。

サービス業で収入アップを狙うためには、大手企業の正社員を目指すのが近道です。
小さな会社や個人店などは、やりがいもあり、比較的早く責任ある立場を目指せるメリットもありますが、経営が不安定になる場合も少なくありません。
エステや美容師などのサービス業は、リピーターがつけば平均以上に稼げる場合もあり、個人の適性によるところもあります。

医療・福祉業

医療・福祉業には、病院や歯科診療所をはじめ、介護施設、社会福祉施設、鍼灸・マッサージ、保健所など幅広い業種が含まれます。一般に医師や歯科医師は高収入な部類に入りますが、医療・福祉業全体を見ると、平均給与は342万円と決して高くはありません。

業界全体でいうと、診療報酬や介護報酬の上限が定められていることが給与の上がりにくい要因の一つです。また、業務内容のキツさや、夜勤を含む不規則なシフト勤務によって離職率が高いことも業界全体の課題になっています。これらの課題とは無縁に見える歯科診療所も全国的に乱立傾向にあり、差別化・収益化の難しさに直面しているケースも少なくないようです。

転職して収入アップを目指すためのポイント

求人サイトなどを見ると、フルタイム正社員であれば「手取り20万円以上」を謳う求人は溢れています。それらの求人から、「生涯にわたって働ける会社」を選ぶのは至難の業です。現在手取り20万円以上稼ぎ出せているのなら、たった数万円収入アップするのでなく、年次に従って順調に収入アップが目指せる会社に転職したいものです。

ここでは、豊かな働き方と生活に事足りる給与水準を目指すにあたって、実現しやすい企業の特徴を紹介します。

平均年収が高い業界を狙う

組織や給与制度が整っていないベンチャー企業やスタートアップを除けば、大抵の会社では大体いくらくらいの給与をもらっているのか調べることができます。

求人媒体などが公表する情報をはじめ、口コミサイトなどを参考に志望企業の平均年収をチェックしましょう。正確に知りたい場合は、有価証券報告書を見ても良いでしょう。

焦って転職活動をすると、「受かればどこでも良い」思考になりがちです。自分の気になる業界や会社の平均年収は、本格的な転職活動を始める前から調査しておきましょう。また、「自分のやりたいことができる会社に転職したい」という気持ちを重視しすぎると、思ったより収入が上がらず、数年後、再度転職活動をしなければいけない状況にもなりかねません。自分の人生プランとよくすり合わせ、安心できる給与水準の会社を目指しましょう。

実力に応じてインセンティブがもらえる会社を目指す

努力を厭わないタイプに向いているのが「実力主義」の会社への転職です。ノルマを達成すれば年次や年齢に問わず認められ、高給が得られる会社が多いので、学歴やキャリアで評価されたくないという人にも馴染みやすい社風といえます。
不動産や金融をはじめとした営業職全般にインセンティブ制は多くみられます。

ただし、実力主義、成果主義は、頑張れば頑張るほど収入が上がる一方で、思うように成績が上げられない苦しさを経験するかもしれません。畑違いの分野に飛び込んでいくのは少々リスキーな面もあるので、いくら求人情報の条件が魅力的でも惑わされないようにしましょう。自分に適性があるかよく考えることが大切です。

福利厚生が充実している会社は狙い目

住宅手当や扶養家族手当、長期休暇制度など、福利厚生制度の充実は、長く安定して働くためには重要なポイントです。一見、給与がそこまで高くないように見えても、さまざまな手当がつくことで収入がプラスになる場合もあるでしょう。また、休日の多さも重要です。同じ給与でも、年間休日105日の会社と125日の会社では、1日あたりの労働価値は異なります。

経営が安定している会社が一番

経営が安定していることは大きなポイントです。経営が安定しているということは、長年にわたって収益を出す仕組みがつくられ、従業員の働き方も確立しているということです。つまり、業務をきちんとこなせば利益に結びつくので、業務のストレスも少なく、給与も上げやすい状況になっています。反対に、収益があげられていない会社は、従業員がどんなに頑張っても利益に結びつかず、労働量の多さとは裏腹に給与が上がりにくい状況が想定されます。

転職活動をする際は、会社の利益率に注目するとともに、業界の中でも他社に負けない強みがあるかどうかにも着目してみましょう。

収入アップを目指すなら転職エージェントに相談しよう

転職を検討しているなら、キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーに相談するのが一番の近道です。現状は手取り20万円でも、個性やスキルを深掘りしていけば、もっと高収入の仕事を目指せる要素が見つかるかもしれません。キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーとの相談のなかで、自分自身も知らなかった「転職市場における自分の価値」を知ることが大切です。

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出典:JAIC

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まとめ

手取り20万円は全体で見れば一般的な収入ですが、この先ずっと昇給しないとなると生活が苦しくなることも考えられる収入帯です。入社後数年経っても手取り20万円を抜け出せない場合は、転職を考えてみても良いかもしれません。

手取り20万円を稼ぐ人は、フルタイムで立派に社会人として働いている方々です。自信を持って新たな自分の価値を追求してみましょう。

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