こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職を約25年サポートしているキープレイヤーズの高野です。
今回は、コロナ禍を経て産業構造そのものが入れ替わった領域、「ウェルネステック(WellnessTech)/フィットネステック業界」への転職ガイドをまとめました。
この記事はもともと、女性専用ホットヨガスタジオ「loIve(ロイブ)」を展開する株式会社LIFE CREATEと、代表取締役の前川彩香さんをご紹介する記事でした。前川さんは1978年生まれ・北海道のご出身で、2006年に北海道発のホットヨガスタジオ「BELBE」を仲間と立ち上げ、2008年にLIFE CREATEを設立された方です。
その後、この会社は業界の景色が変わったことをそのまま体現するような歩みをたどりました。2025年4月24日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場(証券コード352A)し、2025年8月1日には社名を「株式会社LOIVE」へ変更しています。上場時点(2025年3月末)で全国約150店舗・社員約1,000名、そのうち9割以上が女性という組織でした。直近では2026年2月時点で5ブランド189店舗まで広がっています。展開ブランドも、ホットヨガの「loIve」だけでなく、マシンピラティスの「pilates K」「pilates K_smart」、サーフエクササイズの「Surf Fit studio」、グループマシン筋トレの「REDY'S GYM」、ストレッチの「ノビ~ストレッチ」と多角化しました。
ヨガスタジオの会社が、ピラティスの急拡大に乗って上場企業になった。——この5年で起きたことを一言でまとめると、そういう話です。そして同じことが、睡眠、フェムテック、健康経営、リカバリー、スポーツ計測といった隣接領域でも同時に起きています。
そこで本記事は、1社の紹介ではなくウェルネステック/フィットネステック業界全体の転職ガイドとして全面的に書き直しました。市場環境、7カテゴリーの全体像、企業タイプ別の年収、職種別のスキル、未経験からの参入ルート、年代別戦略、失敗パターンとFAQまで、まとめて解説します。
ウェルネステックとは — 「健康になる過程」をプロダクト化する領域
ウェルネステック(WellnessTech)は、Wellness × Technologyの略で、運動・睡眠・食事・メンタル・女性の健康・リカバリーといった「病気ではないが、より良くなりたい」領域を、店舗・デバイス・アプリ・SaaSで支える事業群の総称です。フィットネステック、ヘルス&ウェルビーイング領域とも呼ばれます。
ここで多くの方が最初につまずくのが、ヘルステックとの線引きです。私の整理はシンプルで、「医師・保険・診療報酬が絡むならヘルステック、絡まないならウェルネステック」です。オンライン診療や電子カルテ、医療機器は前者で、これはヘルステック(HealthTech)業界の転職ガイドで詳しく扱っています。介護保険が絡む領域は介護テック(ケアテック)業界の転職ガイド、美容医療・化粧品DXはビューティテック(BeautyTech)業界の転職ガイドが対象です。
この区別は面接で驚くほど効きます。「ヘルスケアに興味があります」とだけ言う方は毎年たくさんお会いしますが、規制産業に行きたいのか、消費者向けブランドをやりたいのかで、必要な経験がまったく違うからです。
2026年のウェルネステック市場環境 — 「店舗が伸びている」という珍しい状況
転職先の業界を選ぶとき、私はいつも「追い風が数字で確認できるか」を見ます。ウェルネステックの特徴は、ソフトウェアだけでなくリアル店舗が同時に伸びている点にあります。ソフトウェア業界の常識だけで見ると読み違えます。
| 指標 | 数値 | 出典・注記 |
|---|---|---|
| 日本のウェルネス市場規模 | 約2,145億米ドル(2025年) | 海外調査会社推計。2034年にかけてCAGR約3.5%で成長見込み。定義が広く、調査機関により幅がある |
| 日本のピラティス・ヨガスタジオ市場 | 2025年 約117億米ドル → 2034年 約252億米ドル | CAGR約8.9%。国内ウェルネスの中で最も伸び率が高いカテゴリー |
| 世界のフィットネス・ウェルネスアプリ市場 | 2026年 約118億米ドル → 2034年 約197億米ドル | CAGR約6.6%。アプリ単体はスタジオ市場ほど急拡大していない |
| 国内スリープテック市場 | 2023年 105億円(前年比175%)→ 2026年 175億円 | 2022年比で約2.9倍。法人向け(健康経営文脈)の伸びが牽引 |
| 国内フェムケア&フェムテック市場 | 2023年 約750億円 | 経済産業省のフェムテック推進事業などの政策支援が継続 |
| 企業向けウェルネス(世界) | 2021→2026年でCAGR約6.5% | 健康経営・従業員エンゲージメント文脈。B2B領域は景気変動に比較的強い |
| chocoZAP(RIZAPグループ) | 2026年3月時点 1,862店舗・会員約111.3万人 | 2024年11月の約130万人からは会員数が減少。2025年12月にFC1号店決定、2026年2月から静岡県で店舗譲渡によるFC展開開始 |
この表でいちばん注目していただきたいのはchocoZAPの行です。2021年10月の開始から3年弱で1,800店舗を超えるという、日本の消費者向けサービス史でもかなり異例のスピードで拡大しました。ところが会員数は約130万人からいったん減っており、全店直営という当初のポリシーを転換してフランチャイズに舵を切っています。
私はこの一連の動きを、業界全体に対する警告と受け止めています。「ウェルネスは伸びている」は事実ですが、「だからどの会社に入っても安泰」は完全な誤りです。店舗ビジネスは出店で売上が伸びる一方、退会率(チャーン)と人件費と設備投資が同時にのしかかります。実際、ピラティス業界ではインストラクター不足・人件費高騰・多額の設備投資が課題として明確に指摘されており、差別化のないスタジオから淘汰が始まっています。転職先を見るときは、店舗数の伸びではなく既存店の稼働率・継続率・1店舗あたりの黒字化月数を聞いてください。
ウェルネステック業界の7カテゴリーと主要プレイヤー
私が現場で見ている限り、この業界は大きく次の7領域に分かれます。同じ「ウェルネス業界」と呼ばれていても、求められるスキルも年収レンジも別物です。
| カテゴリー | 事業内容 | 代表的なプレイヤー | 求められる中心スキル |
|---|---|---|---|
| ① ブティックスタジオ運営 | ホットヨガ・マシンピラティス・専門型スタジオの直営/FC展開 | LOIVE(旧LIFE CREATE・東証グロース352A)、zen place、各社ピラティスブランド | 多店舗運営、SV、出店開発、採用・育成、店舗マーケティング |
| ② 24時間ジム・コンビニジム | 低価格・無人運営・高密度出店モデル | chocoZAP(RIZAPグループ)、エニタイムフィットネス、各社24時間ジム | 無人オペレーション設計、FC本部機能、IoT/アプリ、ユニットエコノミクス管理 |
| ③ オンラインフィットネス/アプリ | 動画レッスン、オンラインヨガ、トレーニングアプリのサブスク | LEAN BODY、SOELU、FiNC など | サブスクグロース、CRM、コンテンツ制作、モバイルアプリ開発 |
| ④ コーポレートウェルネス/健康経営SaaS | 法人向け健康支援、産業保健、特定保健指導、womenヘルスケア支援 | リンケージ、バックテック(ポケットセラピスト)など | 法人営業、カスタマーサクセス、産業保健の知識、SaaS的なKPI設計 |
| ⑤ スリープテック/リカバリー | 睡眠計測、寝具・リカバリーウェア、疲労回復プロダクト | TENTIAL、ブレインスリープ など | D2Cブランド運営、EC/CRM、商品開発、エビデンス設計 |
| ⑥ フェムテック | 月経・妊活・更年期など女性の健康課題を扱うプロダクト/サービス | fermata など | コミュニティ形成、規制・薬機法の理解、法人向け提案 |
| ⑦ スポーツテック/パフォーマンス計測 | アスリート・チーム向けのコンディション管理、動作解析 | ユーフォリア(ONE TAP SPORTS)など | データ分析、スポーツ科学、BtoB SaaS営業/CS |
この7つのうち、いま最も採用意欲が高いのは①と④です。①は出店ペースがそのまま採用ペースになるため、店舗長・スーパーバイザー・出店開発・本部の管理部門が慢性的に足りていません。④は健康経営の広がりに加え、スリープテックの法人向けが伸びていることが追い風です。
一方で率直に申し上げると、③のオンラインフィットネス単体は、コロナ禍のピークほどの勢いはありません。先ほどの表のとおり、アプリ市場のCAGRは約6.6%とスタジオ市場(約8.9%)を下回ります。コロナ禍でオンラインに賭けた会社の多くが、いまはリアル店舗やデバイス、法人向けとの組み合わせに軸足を移しています。キープレイヤーズでは以前、オンラインフィットネス「LEAN BODY」の中山善貴社長にもフィットネス市場のポテンシャルについてお話を伺いましたが、当時と前提が変わった部分は正直にお伝えしておきます。
ウェルネステック業界の年収相場【企業タイプ×職種】
この業界の年収を語るとき、いちばん重要なのは「店舗側」と「本部・プロダクト側」で構造がまったく違うという点です。ここを理解せずに転職すると、ほぼ確実に不満が出ます。
| ポジション | 年収レンジ(目安) | コメント |
|---|---|---|
| スタジオインストラクター(正社員) | 月給23万〜28万円 / 年収300万〜400万円 | 未経験入社の入口。研修制度が整っている会社が多い。歩合・指名制の有無で差が出る |
| 店舗長・スタジオマネージャー | 年収380万〜500万円 | 売上・退会率・シフト・採用まで見る。多店舗展開企業では最短1〜2年で到達 |
| エリアマネージャー/SV | 年収500万〜700万円 | 10〜20店舗を管掌。出店ペースが速い会社ほどポストが空く |
| 出店開発・不動産開発 | 年収500万〜800万円 | いま最も採用が難しい職種のひとつ。商業施設・不動産デベロッパー出身者が強い |
| 本部マーケティング(CRM/グロース) | 年収500万〜850万円 | 会員継続率の改善がKPI。SaaSのCRM経験者は高く評価される |
| プロダクトマネージャー(アプリ/SaaS) | 年収650万〜1,100万円 | 店舗アプリ・会員基盤・法人向けSaaSの企画。詳細はPdM転職ガイド参照 |
| エンジニア(アプリ/バックエンド) | 年収600万〜1,000万円 | 上場企業・大型シリーズならこのレンジ。IoT・デバイス連携ができると上振れ |
| データアナリスト/データサイエンティスト | 年収600万〜1,000万円 | 退会予測・LTV分析が中心。詳しくはデータアナリスト転職ガイド |
| 法人営業(コーポレートウェルネス) | 年収500万〜900万円 | 人事・健保組合向け。SaaS営業経験者の転用が効く(SaaS営業転職ガイド) |
| CxO/経営幹部 | 年収900万〜1,800万円+SO | 上場準備・上場後フェーズで需要が集中。CXO転職ガイドを参照 |
※上記は私が支援の現場で見ているレンジであり、企業規模・フェーズ・地域によって上下します。上場企業と非上場スタートアップでは同じ職種名でも200万円以上開くことがあります。業界横断の相場観はベンチャー企業の年収相場、手取りや報酬パッケージの考え方は年収・手取りガイドにまとめています。
正直にお伝えすると、店舗側の初任給レンジは決して高くありません。旧記事でご紹介したLIFE CREATEの求人も、インストラクター職で月給23.5万〜27万円、経理職で24万〜30万円という水準でした。この業界を「好きだから」で選ぶ方は多いのですが、年収を上げたいなら、店舗長 → SV → 本部、あるいは最初から本部・プロダクト側を狙うという設計が必要です。ここを曖昧にしたまま入ると、3年後に必ず苦しくなります。
職種別の必要スキルとキャリアパス
① 店舗運営(インストラクター → 店舗長 → SV → 本部)
この業界で最も王道のルートです。求められるのは指導技術そのものよりも、「体験レッスンからの入会率」「3ヶ月継続率」「退会理由の分析」といった数字を語れるかです。面接で「何人担当していましたか」ではなく「継続率をどう上げましたか」を語れる方は、SV以上への引き上げが一気に早くなります。
② 出店開発
いま業界で最も奪い合いになっている職種です。商業施設のリーシング、不動産仲介、チェーン店の店舗開発の経験がそのまま通用します。異業種からの転職が最も成功しやすいポジションでもあります。異業種転職の進め方は異業界・異業種転職完全ガイドをご覧ください。
③ グロース/CRM/マーケティング
会員制ビジネスの本質は解約率との戦いです。SQLでコホート分析を回し、LTVとCACの関係を語れる人材は、業界経験がなくてもすぐに評価されます。求められるツールはMAツール、CDP、BIツールが中心で、SaaS業界からの転用が効きます。
④ プロダクト/エンジニアリング
会員アプリ、予約基盤、入退室のIoT連携、ウェアラブルデバイスとのデータ連携が主戦場です。「リアル店舗のオペレーションを理解しているエンジニア」は本当に希少で、そこに立てると市場価値が跳ね上がります。エンジニア側のキャリア設計はデータエンジニア転職ガイドやAIエンジニア転職ガイドも参考になります。
⑤ 法人営業/カスタマーサクセス(コーポレートウェルネス)
健保組合・人事部・産業医と向き合う仕事です。商談サイクルは半年〜1年と長く、四半期で数字を作る前提の営業スタイルは合いません。一方、いったん入ると解約されにくい構造で、カスタマーサクセス転職ガイドで解説しているスキルセットがそのまま活きます。
未経験からウェルネステック業界へ転職する5ステップ
- 7カテゴリーのどこを狙うかを決める — 「ウェルネス業界に行きたい」では話が進みません。店舗運営なのか、法人向けSaaSなのか、D2Cブランドなのかで、応募先も職務経歴書も変わります。
- 自分の既存スキルの「転用先」を探す — 不動産経験なら出店開発、SaaS営業なら法人ウェルネス、EC運営ならスリープテックのD2C。ゼロから学ぶ必要はほとんどありません。
- 数字で語れる実績を1つ作る — 継続率、CAC、稼働率、粗利率。この業界は感性の話になりがちなので、数字を持ち込むだけで差別化できます。
- 実際にサービスを使い込む — これは本気で言っています。体験レッスンに行かずにスタジオ運営企業を受ける方がいますが、面接で必ず見抜かれます。使ってみて「ここが惜しい」と言える方は、それだけで通過率が変わります。
- 非公開求人に強いエージェントを併用する — 特に本部・出店開発・CxOのポジションは表に出ません。転職エージェントの選び方 完全ガイドを参考に、業界に詳しい担当者と組んでください。
ウェルネステック業界のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 自分自身が顧客になれる。プロダクト理解が早く、当事者として語れる | 「好き」で入ると年収を上げにくい構造。特に店舗職の初任給は高くない |
| 店舗展開が速い企業ではポストが空き続ける。20代でマネジメント経験を積める | 土日・夕方が繁忙。ライフスタイルとの相性は事前に要確認 |
| 健康経営・フェムテックなど政策の後押しがある領域が複数ある | 景気後退局面では個人の可処分所得に直撃する(BtoCの宿命) |
| 上場企業が実際に出ており(LOIVE・RIZAPグループ等)、IPOルートが現実的 | 設備投資と人件費が重く、店舗ビジネスは黒字化まで時間がかかる |
| ITスキルを持つ人材が相対的に少なく、テック人材の希少価値が高い | エンジニア組織が小さい企業も多く、技術的な成長環境は要確認 |
ウェルネステック転職に向いている人・向いていない人
向いている人
- 自分自身が運動・睡眠・食事の習慣を持っていて、体験から語れる方
- 店舗・現場のオペレーションを「泥臭くても面白い」と感じられる方
- 解約率やLTVといった会員制ビジネスの数字を追うのが好きな方
- リアルとデジタルの両方をまたいで仕事をしたい方
- 健康経営・女性の健康など、社会課題としての手触りを重視する方
向いていない人
- 短期間で年収を大きく上げることを最優先にしている方(他業界のほうが確実です)
- 純粋な技術的挑戦だけを求める方(技術難度は他のSaaS領域のほうが高い場面が多い)
- 土日祝が必ず休みでないと困る方(店舗職の場合)
- 「健康が好き」以上の志望動機を用意できない方
- 成熟した組織・整った制度を前提に働きたい方
年代別のウェルネステック転職戦略
20代 — 店舗マネジメントを最速で経験できる貴重な業界
この業界の最大の魅力は、20代で数十名規模のマネジメントと損益責任を持てることです。大手企業なら30代後半でようやく回ってくる経験が、出店ペースの速い企業では2〜3年で来ます。詳細は20代のベンチャー転職完全ガイドをご覧ください。
30代 — 「本部側」への移行を設計するタイミング
30代は、店舗の現場経験を持ったまま本部機能(出店開発、マーケティング、人事)に移れるかどうかが分岐点です。逆に他業界から来る方は、SaaS・EC・不動産の経験をそのまま持ち込めます。35歳の転職は遅い?も参考にしてください。
40代 — 多店舗運営と管理部門の経験が最大の資産
上場前後のフェーズにある企業は、チェーン運営の経験者と、上場企業水準の管理部門経験者を強く求めています。LOIVEのように実際に上場する企業が出ている以上、この需要は続きます。40代のベンチャー・スタートアップ転職ガイドをご覧ください。
50代以降 — 顧問・社外役員・FC本部という関わり方
常勤の実務ポジションに絞ると選択肢は狭まりますが、多店舗チェーンの運営経験、FC本部の構築経験は極めて希少です。chocoZAPがFC展開に舵を切ったように、FC本部の立ち上げ経験者は業界全体で足りていません。50代のベンチャー・スタートアップ転職完全ガイドと年齢別転職ガイドを併せてご確認ください。
ウェルネステック転職でよくある失敗パターン7選
- 会社の社名・上場ステータスの変化を確認していない — LIFE CREATEが2025年8月にLOIVEへ社名変更したように、この業界は動きが速い。旧社名で面接に臨むのは致命的です。
- 店舗数の伸びだけを見て入社する — 見るべきは既存店の稼働率・継続率・1店舗あたりの黒字化月数です。出店は借入と人員先行投資であって、利益ではありません。
- 「健康が好き」だけで志望動機を組む — 面接官も全員好きです。差がつくのは、退会率をどう下げるか、単価をどう上げるかという事業視点です。
- 年収ダウンを織り込まずに大手から移る — 特に店舗職への転換では下がるケースが多い。スタートアップ転職で年収は下がる?で中長期リターンの考え方を整理しています。
- BtoCの景気感応度を軽視する — 可処分所得が減れば真っ先に解約されるカテゴリーです。BtoB(健康経営)比率がある企業のほうが構造的には安定します。
- 薬機法・景表法のリスクを知らずに入る — 効果効能をうたう表現の規制は厳格です。マーケティング職はここを理解していないと事故を起こします。
- エンジニア組織の規模を確認しない — 「テック」と名がついていても、開発が数名で外注中心という企業は珍しくありません。入社前に組織図と内製比率を必ず聞いてください。
失敗の一般論はベンチャー転職の失敗・後悔ガイド、企業の見極め方はベンチャー企業の選び方・見極め方にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. フィットネス業界の経験がなくても転職できますか?
職種によります。出店開発、マーケティング、エンジニア、法人営業であれば業界未経験はまったく問題になりません。むしろ他業界の型を持ち込める人が重宝されます。一方、インストラクター職は資格・実技が前提になるため、養成コースからのスタートになります。
Q2. インストラクターから本部職に移れますか?
可能ですし、実際に多いルートです。ただし店舗時代に数字で語れる実績を作っておくことが条件になります。「担当会員数」ではなく「継続率を何ポイント改善したか」を残してください。
Q3. ピラティスの伸びはいつまで続きますか?
市場予測では2034年に向けてCAGR約8.9%とされていますが、私は「業態としては続くが、プレイヤーの入れ替わりは必ず起きる」と見ています。すでにインストラクター不足と人件費高騰が指摘されており、差別化のないスタジオから統廃合が進むはずです。会社選びの精度がそのまま結果に直結します。
Q4. オンラインフィットネスの会社に行くのはありですか?
単体で見るとコロナ禍のピークほどの勢いはありません。ただ、リアル店舗や法人向け、デバイスと組み合わせている会社であれば話は別です。「オンライン専業のまま伸ばす」という前提の会社かどうかを見極めてください。
Q5. 健康経営・コーポレートウェルネス領域はどうですか?
私が個人的にいま最も注目しているのがこの領域です。企業向けウェルネス市場は世界で年6.5%程度の成長が見込まれ、国内でもスリープテックの法人需要が急拡大しています。BtoCの景気感応度を避けつつウェルネスに関わりたい方には、最も現実的な選択肢です。
Q6. フェムテックは事業として成り立ちますか?
国内のフェムケア&フェムテック市場は2023年で約750億円と、まだ大きくはありません。ただ経済産業省の推進事業もあり、法人向けの導入が進んでいます。単独プロダクトで大きくするより、健康経営・保険・人事領域と組んで広げるモデルが現実的だと見ています。
Q7. 上場企業とスタートアップ、どちらを選ぶべきですか?
年収の安定と制度を取るなら上場企業、裁量とストックオプションを取るならスタートアップです。ただしこの業界に関しては、LOIVEのように上場したばかりの企業が、上場企業の体裁とスタートアップの成長速度を両方持っているケースがあり、私はそこを狙うのが一番効率的だと考えています。
まとめ — ウェルネステックは「リアル×テック」を両方やれる人が勝つ
最後に要点を整理します。
- ウェルネステックは、医療・保険が絡まない「より良くなりたい」領域を店舗・デバイス・アプリ・SaaSで支える産業。ヘルステックとは規制の有無で線を引く
- 国内ピラティス・ヨガスタジオ市場は2025年 約117億米ドル → 2034年 約252億米ドル(CAGR約8.9%)と、ウェルネス全体(約3.5%)を大きく上回る伸び
- 旧記事でご紹介したLIFE CREATEは2025年4月に東証グロース上場(352A)、同年8月にLOIVEへ社名変更。2026年2月時点で5ブランド189店舗。ヨガスタジオ発の企業が上場企業になった象徴的な事例
- 一方でchocoZAPは1,862店舗まで拡大しつつ会員数は約130万人から減少し、全店直営からFC展開へ転換。「伸びている業界=どの会社も安泰」ではない
- 年収は店舗職(300万〜500万円)と本部・プロダクト職(600万〜1,100万円)で構造が違う。長期の年収設計は入社前に決めておくこと
- 最も採用ニーズが高いのは出店開発、店舗マネジメント、CRM/グロース、そして法人向けウェルネスの営業・CS
私は約25年、ベンチャー・スタートアップの転職支援をしてきました。この業界について正直に申し上げると、「情熱で入って、数字で苦しむ」方を何度も見てきました。健康が好きという気持ちは大切な資産ですが、それだけでは年収も裁量も伸びません。逆に、リアル店舗のオペレーションを理解したうえでテクノロジーとデータを扱える人は、この業界では圧倒的に希少で、条件も一気に上がります。そこを狙ってください。
キープレイヤーズでは、上場したばかりのウェルネス企業から、健康経営SaaS・フェムテック・スリープテックのスタートアップまで、経営陣と直接つながったうえでのご紹介が可能です。「店舗の現場から本部に移りたい」「SaaSの経験をウェルネス領域で活かしたい」「CxOとして経営に入りたい」——どんな段階でも構いませんので、キープレイヤーズへご相談ください。私自身が壁打ち相手になります。ベンチャー転職の全体像はベンチャー転職 完全ガイド、コンサル出身の方はコンサルからの転職 完全ガイド、企業側の採用の話はスタートアップ採用ガイドもあわせてご覧ください。

