転職の履歴書の書き方完全ガイド【2026年最新】採用担当者2,000人が最も見る欄は「職歴」48.6%・誤字脱字で減点47.2%のデータ、厚労省様式の選び方、手書きかPCか、写真・希望年収欄・本人希望欄の正解、職務経歴書との使い分けまで高野秀敏が解説

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー

こんにちは、ベンチャー・スタートアップ・CxO転職の支援をしているキープレイヤーズの高野秀敏です。約25年、経営者・CxO・幹部人材の転職を1,000人以上伴走し、その何倍もの履歴書・職務経歴書に目を通してきました。

この記事はもともと「成功する人はわかりやすい履歴書・経歴書をつくり、後悔する人は市販の履歴書をそのまま利用する」というタイトルで2018年に書いたものです。当時の主張——履歴書は自分を売り込むラブレターであり、欄を埋めるだけの書類にしてはいけない——は今も変わりません。ただ、この8年で状況は大きく動きました。JIS規格の履歴書様式が廃止され、厚生労働省の様式例が登場し、手書きかパソコンかの答えも変わり、写真の扱いも変わりました。そこで、2025年に採用担当者2,000人・面接官352人を対象に行われた最新調査と、私が現場で見てきた「書類で損をする人」の実例をもとに、全面的に書き直しました。

先に結論を言います。採用担当者が履歴書で最も見ているのは「職歴欄」(48.6%)で、最も減点しているのは「誤字・脱字」(47.2%)です。履歴書で内定が出ることはほぼありませんが、履歴書で落ちることは日常的に起きています。だからこそ、減点をゼロにし、職歴欄で「会ってみたい」と思わせることに集中してください。

職務経歴書の書き方はベンチャー転職の職務経歴書完全ガイド、自己PRの作り方は転職の自己PRの書き方完全ガイドで詳しく解説しているので、本記事は「履歴書」に絞って書きます。

この記事でわかること

  • 採用担当者2,000人は履歴書のどこを何分見ているか(doda 2025年9月調査)
  • JIS規格廃止後、どのフォーマットを使うべきか——厚労省様式例と「市販の履歴書」の落とし穴
  • 手書きかパソコンか:面接官352人の答えは「パソコン」46.9%、「手書き」23.3%
  • 写真・希望年収欄・本人希望記入欄・志望動機欄の正解(ベンチャー・スタートアップ転職での考え方)
  • 履歴書と職務経歴書の役割の違いと、1セット作って使い回すための設計
  • 書類選考で落ちる失敗パターン8つ、作成の7ステップ、年代別の書き方、FAQ 10問
目次

データで見る「履歴書」——採用担当者2,000人は職歴欄を5〜10分かけて見ている

まず、履歴書がどのように読まれているかをデータで確認しておきます。dodaが2025年9月8〜11日に、2024〜2025年度に中途採用を行う企業の採用担当者2,000人(22〜59歳)を対象に行った調査では、次のような結果が出ています。

項目 履歴書 職務経歴書
確認にかける時間(最多回答) 5分以上10分未満(32.0%) 5分以上10分未満(32.2%)
1分未満しか見ない 2.9% 2.6%
最も重視する項目 職歴欄(48.6%) 職務経歴・職務内容(43.4%)
マイナス評価につながる項目1位 ミスや誤字・脱字(47.2%)
マイナス評価につながる項目2位 応募要件に合致しない(45.1%)

出典:doda「中途採用の履歴書・職務経歴書で一番見られているのはどこ?」(採用担当者2,000人、2025年9月8〜11日)

「採用担当者は書類を数十秒しか見ない」とよく言われますが、データ上は3人に1人が5〜10分かけて読んでおり、1分未満は3%に過ぎません。つまり、履歴書は「流し読みされる前提で目立たせる」より、「きちんと読まれる前提で、正確で、職歴が伝わる」ように作るべきです。

もうひとつ押さえておきたいのが通過率です。マイナビの「転職活動実態調査(2025年)」(2024年7月〜2025年6月に転職した500人)によると、平均応募件数は13.6件、書類選考通過率は37.3%、応募数に対する内定率は17.0%でした。10社応募して書類が通るのは4社弱。書類の完成度を上げることが、転職活動全体の効率に直結します。何社応募すべきかは転職は何社応募すべき?完全ガイドで詳しく解説しています。

履歴書と職務経歴書の違い——役割を分けると両方が書きやすくなる

中途採用で提出する書類は「履歴書」と「職務経歴書」の2つが基本です。この2つの役割を混同すると、履歴書に書きすぎて読みにくくなったり、逆に職務経歴書に必要な情報が抜けたりします。

履歴書 職務経歴書
役割 本人確認・基本情報・経歴の「事実」を伝える公的書類 経験・実績・スキルを「自由形式」でアピールする書類
形式 定型(厚労省様式例など)。A4 1枚または2枚 自由。A4 2〜3枚が目安
採用担当者が最も見る欄 職歴欄(48.6%) 職務経歴・職務内容(43.4%)
書く内容 氏名・連絡先・学歴・職歴(社名と在籍期間)・免許資格・志望動機・本人希望 職務要約・会社概要・担当業務・実績(数字)・スキル・自己PR
使い回し 基本情報は共通。志望動機欄のみ企業別に調整 職務要約と自己PRを応募先に合わせて調整
詳しい解説 本記事 ベンチャー転職の職務経歴書完全ガイド

私がお伝えしている設計はシンプルです。履歴書は「正確な事実」、職務経歴書は「実績の物語」。履歴書の職歴欄には社名・部署・在籍期間を淡々と書き、何をどう成し遂げたかは職務経歴書に譲る。この役割分担ができていると、採用担当者は履歴書で経歴の骨格を1分で把握し、職務経歴書で中身を読む、という自然な流れで書類を読めます。

どのフォーマットを使うか——JIS規格は廃止、厚労省様式例が基本

2018年当時の記事では「市販の履歴書は使わないほうがいい」と書きました。理由は、市販の履歴書には希望年収欄や、アピールに関係のない欄が多く、欄を埋める作業になってしまうからです。この主張は今も変わりませんが、フォーマットをめぐる状況は変わりました。

2020年にJIS規格の履歴書様式が削除、2021年に厚労省が様式例を公表

長年「JIS規格の履歴書」が標準とされてきましたが、2020年7月にJIS Z 8303の改訂で履歴書の様式例が削除されました。きっかけは性別欄の削除を求める当事者団体の要請です。これを受けて厚生労働省が2021年4月16日に新しい「履歴書様式例」を公表し、現在はこれが事実上の標準になっています。主な変更点は次のとおりです。

  • 性別欄が「任意記載」になった(記載しなくてよい)
  • 「扶養家族数」「配偶者の有無」「配偶者の扶養義務」「通勤時間」の欄が削除された(プライバシー性が高いため)
  • 学歴・職歴欄が広く取られている(転職者向き)

転職活動で使う履歴書は、この厚労省様式例をベースにしたテンプレート(Word・Excel・PDF)を転職サイトやエージェントのサイトからダウンロードするのが最も安全です。

フォーマット比較——転職者はどれを選ぶべきか

フォーマット 特徴 向いている人 注意点
厚労省様式例 学歴・職歴欄が広い。性別任意、扶養・通勤欄なし 転職者全般。迷ったらこれ 志望動機欄が小さめ。志望動機は職務経歴書や別紙で補う
志望動機・自己PR付き様式 志望動機・自己PR欄が大きい 未経験職種・異業種への転職で意欲を伝えたい人 職歴欄が狭くなるので転職回数が多い人には不向き
市販の履歴書(文具店) 手書き前提。希望年収・通勤時間など不要な欄が残っているものもある 手書き指定があり、かつ指定様式がない場合のみ 不要な欄を埋める作業になりがち。PC作成が主流の今、積極的に選ぶ理由はない
転職サイトのWeb履歴書 サイト上で入力し、応募時に自動で企業に送られる 転職サイト経由の応募 入力内容がそのまま企業に届く。Web上でも誤字脱字チェックを怠らない
企業指定フォーマット 企業独自の項目がある 指定があれば必ず従う 指定を無視すると「指示が守れない人」として書類の段階で落ちる

企業から様式の指定があればそれに従う、なければ厚労省様式例。これだけ覚えておけば間違いありません。

手書きかパソコンか——面接官352人の答えは「パソコン」46.9%

2018年当時はまだ「手書きの履歴書のほうが熱意が伝わる」という声が一定数ありました。2025年の調査では答えがはっきり出ています。

採用担当者の回答(中途採用担当者352人) 割合 主な理由
パソコン作成のほうが良い 46.9% 見やすく読みやすい/PCスキルも見る/データ管理がしやすい
どちらでも良い 29.8% 内容が大事。どちらも平等に評価する
手書きのほうが良い 23.3% 字や丁寧さから人柄を感じる/熱意が伝わる

出典:マイナビ転職「履歴書は手書きとパソコンどっちがいい?採用担当者に聞いた」(過去5年以内に中途採用を担当した352人、2025年9月12〜13日)。同調査の転職経験者774人(2025年5月)ではパソコン派63.4%・手書き派36.6%。

パソコン作成が良い+どちらでも良いを合わせると76.7%。つまり指定がなければパソコンで作って問題ありません。私の実感でも、ベンチャー・スタートアップやIT系企業では手書きの履歴書はほぼ見なくなりました。むしろ手書きで提出すると「PDFで送ってもらえますか」と差し戻されることがあります。

ただし、手書き派の採用担当者が23.3%いることも事実です。老舗企業や、募集要項に「手書き」と明記がある場合は従ってください。その場合も、黒のボールペンで、修正液・修正テープは使わず、間違えたら最初から書き直すのが原則です。

履歴書の各項目の正解——ベンチャー・スタートアップ転職での考え方も

ここからは項目ごとに、採用側が何を見ているか、どう書くのが正解かを整理します。

1. 日付・氏名・連絡先

  • 日付は「提出日」または「郵送日」。作成日ではありません。古い日付のまま使い回すと、採用担当者は「使い回しだな」と気づきます
  • 氏名はフルネームでふりがな付き。様式が「ふりがな」ならひらがな、「フリガナ」ならカタカナ
  • 電話番号は日中つながる携帯番号。メールアドレスは現職の会社アドレスは絶対に使わない(在職中の転職活動が会社に知られる原因になります)。プロバイダやフリーメールで、名前ベースのシンプルなアドレスに

2. 写真——「不要」の指定がなければ貼る。3ヶ月以内、縦4cm×横3cm

2018年の記事では「写真はなくても書類審査は通過する」「つけない人が増えている」と書きました。実態を補足しておきます。エージェント経由の応募や転職サイトのWeb履歴書では写真が必須でないことが多く、その意味で「写真がないから落ちる」ケースは減っています。一方で、企業が履歴書の提出を求め、写真欄がある様式を使う場合に空欄で出すと「不備」「志望度が低い」と受け取られるリスクがあります。

結論は、指定がなければ貼る、「写真不要」と明記があれば貼らない。写真の基本は次のとおりです。

  • サイズは縦4cm×横3cm。データの場合は縦560×横420px前後
  • 3ヶ月以内に撮影したもの。5年前の写真は面接で「別人ですね」と言われます
  • スーツまたはジャケット着用、背景は白または薄い色。スピード写真でも構いませんが、写真館やアプリで明るく撮ったもののほうが印象は良い
  • 面接時の服装と写真の服装を揃えると印象がブレません。服装の考え方は転職面接の服装完全ガイドを参照してください

3. 学歴——高校卒業から。「学歴」と1行目に書く

  • 1行目中央に「学歴」と書き、高等学校卒業から記載(義務教育は不要)
  • 学校名は正式名称(「都立」ではなく「東京都立○○高等学校」)。大学は学部・学科まで
  • 年号は西暦か和暦のどちらかに統一。職歴・資格欄も同じ年号で
  • 中退・留学・浪人は隠さない。中退は「○○大学○○学部 中途退学」と書き、理由は面接で説明できるように

4. 職歴——採用担当者の48.6%が最も見る欄。空白と社名の正確さがすべて

ここが履歴書の中で最も読まれる欄です。書き方の原則は次のとおりです。

  • 学歴の下に1行空け、中央に「職歴」と書き、入社・退社を1社ずつ記載
  • 社名は正式名称(「(株)」ではなく「株式会社」)。合併・社名変更があった場合は「株式会社○○(現・株式会社△△)」
  • 入社行の下に、部署・職種を簡潔に1行(「営業部 法人営業を担当」)。実績や詳細は職務経歴書に
  • 退社理由は「一身上の都合により退職」。会社都合なら「会社都合により退職」。契約満了なら「契約期間満了により退職」
  • 在職中なら最終行に「現在に至る」、その下の行に右寄せで「以上」
  • 転職回数が多い人も、省略せずすべて書く。省略は経歴詐称と見なされるリスクがあります。転職回数の見せ方は転職回数が多いと不利?完全ガイドで解説しています
  • 空白期間がある場合、履歴書上は無理に埋めず、職務経歴書や面接で説明する。伝え方は転職の空白期間(ブランク)完全ガイドを参照

私が見てきた中で最も多いミスは、在籍期間の年月が職務経歴書と食い違っていることです。履歴書は2019年4月入社、職務経歴書は2019年3月入社、といったズレです。採用担当者は必ず両方を突き合わせます。悪意はなくても「詰めが甘い人」という印象になり、doda調査で減点1位の「ミス」に該当します。年金記録や雇用保険の履歴で正確な年月を確認してから書いてください。

5. 免許・資格——応募職種に関係するものを優先。なければ「特になし」

  • 取得年月順に正式名称で(「TOEIC」ではなく「TOEIC Listening & Reading Test 850点」)
  • 応募職種に関係する資格を優先。趣味の資格は書かないか、末尾に
  • 勉強中の資格は「○○ 取得に向けて勉強中(2026年12月受験予定)」と書いてよい
  • 何もなければ「特になし」。空欄にしない

資格そのものは転職で決定打になりにくい、というのが私の実感です。採用担当者405人の75.8%が資格を「参考にする」と答える一方で、重視するのは実務経験です。詳しくは転職に有利な資格は本当にある?転職で大切なのは「資格」ではなく「実績」をご覧ください。

6. 志望動機——履歴書の欄は「結論+根拠」で3〜5行。詳細は職務経歴書へ

厚労省様式例の志望動機欄は小さめです。ここに長文を詰め込む必要はありません。「なぜこの会社か」の結論と、それを裏付ける自分の経験を3〜5行で書き、詳しい志望動機は職務経歴書の自己PRや面接で語ります。書き方の型・例文・NGパターンは転職の志望動機完全ガイドにまとめています。

なお、志望動機だけは企業ごとに必ず書き換えてください。「貴社の成長性に魅力を感じ」のような、どの会社にも当てはまる文章は、採用担当者に「使い回し」と一瞬で見抜かれます。

7. 希望年収欄——書かない。現年収は正確に把握しておく

2018年の記事で強調した点で、今も同じ考えです。履歴書に希望年収を書く必要はありません。厚労省様式例には希望年収欄がそもそもありません。市販の履歴書やWeb履歴書に欄がある場合も、「貴社規定に従います」または「現年収を考慮のうえご相談させてください」で十分です。

理由は3つあります。第1に、書面で希望額を出しても交渉にならない。第2に、根拠のない「今より少し上」を書くと、その額で足切りされる。第3に、年収は面接で評価された後に交渉したほうが、はるかに通りやすい。実際、私が支援した方で、書類に希望年収を書かず、最終面接後のオファー面談で現年収から150万円アップを引き出した例は珍しくありません。

一方で、現在の年収(額面・内訳)は正確に答えられるようにしておいてください。年収を聞かれて即答できない方が意外と多いのですが、これは営業担当者が自社商品の価格を知らないのと同じです。源泉徴収票と直近の給与明細で、基本給・賞与・手当・残業代の内訳まで把握しておきましょう。年収交渉の進め方は年収交渉の方法と注意点年収・手取りガイドを参照してください。

8. 本人希望記入欄——原則「貴社規定に従います」。譲れない条件だけ簡潔に

  • 特別な事情がなければ「貴社の規定に従います」の1行
  • 勤務地・職種の限定、入社可能日、在職中で連絡可能な時間帯など、本当に譲れない条件だけを簡潔に書く
  • 「残業なし希望」「年収○○万円以上」のような条件を並べると、この段階で落ちます。条件交渉は内定後のオファー面談で行うものです

9. ベンチャー・スタートアップ転職での履歴書の考え方

ベンチャー・スタートアップは、履歴書のフォーマットや手書きかどうかをほとんど気にしません。私が支援している企業の多くは、履歴書は本人確認と経歴の骨格を見るためだけに使い、判断は職務経歴書と面接で行っています。だからこそ、履歴書はミスなく簡潔に、職務経歴書に「何をやったか」の中身を集中させるのが正解です。

ひとつ気をつけたいのは、経営者が直接書類を見る会社が多いことです。社長が書類選考をする場合、細かい形式より「経歴の一貫性」「なぜ今この会社なのか」を見ます。職歴欄と志望動機欄がつながっているかを確認してください。ベンチャー転職全体の進め方はベンチャー転職完全ガイド、CxO・幹部クラスの書類の考え方はCXO転職ガイドを参照してください。

履歴書作成の7ステップ——1セット作って、志望動機だけ差し替える

2018年の記事で「きちんとしたものを1つ作っておけば、ほとんどの企業に対応できる」と書きました。転職活動は時間との戦いで、書類作成に手間取ると良い求人のタイミングを逃します。その考えを、具体的な手順に落とすと次のようになります。

  1. 経歴の事実を確定する:入社・退社の年月、部署異動、正式社名を、雇用保険の履歴・年金記録・過去の雇用契約書で確認する。ここが履歴書と職務経歴書の整合性の土台
  2. フォーマットを決める:企業指定があればそれ、なければ厚労省様式例(Word/Excel)。PC作成が基本
  3. 基本情報・学歴・職歴・資格を入力し、マスター版を作る:この部分は全応募先で共通。ここを完成させれば8割終わり
  4. 写真を用意する:3ヶ月以内、縦4×横3cm。データ版と印刷版の両方を用意
  5. 志望動機・本人希望欄を応募先ごとに書く:志望動機は企業別に必ず差し替え。本人希望欄は原則「貴社の規定に従います」
  6. 職務経歴書と突き合わせて誤字脱字・年月のズレをチェックする:印刷して声に出して読む。可能なら第三者(エージェントや信頼できる知人)に見てもらう。減点1位の「ミス」はここで潰す
  7. PDF化し、ファイル名を整えて提出する:ファイル名は「履歴書_氏名_2026年9月20日.pdf」のように、誰の・何の・いつの書類かがわかる形に。郵送なら添え状→履歴書→職務経歴書の順にクリアファイルに入れ、封筒に「履歴書在中」と赤字で記載

エージェントを使う場合、ステップ3で作ったマスター版を登録すれば、担当者が「この経歴ならこういう求人がある」「この部分を足すと紹介できる案件が増える」と具体的にアドバイスしてくれます。エージェントの選び方・使い方は転職エージェント選び方ガイド転職エージェント活用術にまとめています。

書類選考で落ちる失敗パターン8つ

私が見てきた「もったいない履歴書」を、頻度が高い順に挙げます。

  1. 履歴書と職務経歴書で在籍年月がズレている:最も多く、最も致命的。採用担当者は必ず突き合わせます
  2. 誤字脱字・社名の誤り:応募先の社名を間違える(「株式会社」の位置、旧社名)のは即アウトに近い。doda調査で減点1位(47.2%)
  3. 志望動機が使い回し:「貴社の成長性に魅力を感じ」だけの志望動機は、企業名を入れ替えても成立する=読まれていないと判断される
  4. 本人希望欄に条件を並べる:「年収○○万円以上」「残業なし」「転勤不可」を並べた時点で、条件交渉ではなく足切りの材料になる
  5. 希望年収に根拠のない高額を書く:書面で交渉はできない。額だけが一人歩きして書類で落ちる
  6. 古い日付・古い写真のまま使い回す:「3ヶ月前の日付」「5年前の写真」は、志望度の低さとして伝わる
  7. 職歴の一部を省略する:短期離職を隠す目的の省略は、リファレンスチェックや雇用保険の記録で判明する。経歴詐称扱いになれば内定取り消しの理由になります。短期離職の伝え方は短期離職しても転職できる?完全ガイドを参照
  8. 応募要件を読まずに出す:doda調査で減点2位(45.1%)が「応募要件に合致しない」。求人票の必須要件を読み、満たしていない場合は職務経歴書で補える根拠を示す。求人票の読み方は求人票・募集要項の見方完全ガイドで解説しています

履歴書に力を入れるべき人・職務経歴書に注力すべき人

履歴書の完成度が特に効く人 履歴書は最低限で、職務経歴書に注力すべき人
企業に直接応募する人(履歴書が最初の接点になる) エージェント経由で応募する人(エージェントの推薦文+職務経歴書が主役)
転職回数が多い、空白期間がある人(職歴欄の整理で印象が変わる) 実績が数字で語れる営業・マーケ・エンジニア(職務経歴書で差がつく)
老舗企業・大手・公的機関を受ける人(形式の正確さが見られる) ベンチャー・スタートアップ・IT企業を受ける人(形式より中身)
未経験職種に応募する人(志望動機欄の説得力が鍵) CxO・幹部候補として声がかかっている人(経歴書とレファレンスが主役)
手書き指定の企業を受ける人 Web履歴書+職務経歴書PDFで応募する人

年代別・履歴書の書き方のポイント

20代:職歴が短くても「学歴」と「1社目で何を任されたか」を丁寧に

職歴が1〜2社の場合、履歴書の職歴欄はすぐに埋まります。入社行の下の1行(部署・担当)を具体的に書き、志望動機欄で「次に何をしたいか」を明確にしてください。第二新卒の場合は「志望動機・自己PR付き」の様式が向いています。20代の転職全体の戦略は年齢別転職ガイドを参照してください。

30代:転職回数と一貫性の見せ方が勝負

2〜3社を経験している人が多く、採用担当者は「なぜ辞めて、なぜ次を選んだか」の一貫性を職歴欄から読み取ろうとします。社名・部署・在籍期間を正確に並べ、志望動機欄でこれまでの経験が応募先にどうつながるかを1本の線で示してください。マイナビ転職動向調査2026年版(2025年実績)では、30代は転職後の年収増加幅が全年代で最大(+32.2万円)でした。年収交渉の余地が最も大きい年代なので、希望年収は書面ではなく面接後に。

40代・50代:管理職経験・マネジメント範囲を職歴欄の1行で示す

職歴が長い分、履歴書の職歴欄は「事実の骨格」に徹し、部署名の後に「営業部長(部下15名)」のように役職と規模を1行で入れると、職務経歴書を読む前に「どのレベルの人か」が伝わります。資格欄は応募職種に関係するものだけに絞る。年収は下がるケースも増える年代(マイナビ調査では50代は-4.5万円)なので、本人希望欄には条件を書かず、オファー面談で交渉する前提で進めてください。40代・50代のベンチャー転職は年齢別転職ガイドで詳しく解説しています。

2018年の記事から引き継ぐ話——「パワーポイントで自己紹介資料を作った営業のYさん」

旧記事で紹介したエピソードを、今の視点で再掲します。営業職のYさんは、日頃から商品説明のプレゼン資料をパワーポイントで作り、タブレットで顧客に見せるスタイルで成果を出していました。転職活動でも、通常の履歴書・職務経歴書に加えて、「営業マンYの、格闘の軌跡」というタイトルで、新卒入社からの経歴を3つの時代に区切り、実績を軸にした物語形式の自己紹介資料を作りました。

奇抜すぎるかと本人も迷ったそうですが、採用担当者には「おもしろいから、ぜひ最終面接でも」と言われ、社長の前で披露して、その場で採用が決まりました。入社後は「そのプレゼン型の営業スタイルを他の社員にも伝授してほしい」と頼まれています。

この話の教訓は「奇抜なことをやれ」ではありません。履歴書・職務経歴書はあくまで基本を正確に押さえたうえで、自分の持ち味が最も伝わる「+1枚」を用意するということです。営業ならプレゼン資料、デザイナーやエンジニアならポートフォリオ、マーケターなら施策の実績サマリー。基本書類に不備があれば+1枚は読まれませんし、基本書類だけでは他の候補者と差がつきにくい。両方揃って初めて、書類が「ラブレター」として機能します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 履歴書はA4とB5どちらがいいですか?

A4です。職務経歴書がA4なので、揃えたほうが管理しやすく、採用側も扱いやすい。厚労省様式例もA4(A3二つ折り)が基本です。

Q2. 履歴書は1枚に収めるべきですか?

厚労省様式例は見開き(A4 2枚相当)です。無理に1枚に圧縮して文字が小さくなるより、様式どおり2枚で読みやすく作ってください。

Q3. 転職回数が5回以上あります。履歴書の職歴欄に収まりません。

省略はせず、行が足りなければ「職歴は別紙の職務経歴書に記載」とし、職務経歴書にすべての社名と在籍期間を時系列で書いてください。履歴書には主要な社を書き、「他○社(詳細は職務経歴書参照)」と補う方法もあります。転職回数の評価と見せ方は転職回数が多いと不利?完全ガイドを参照してください。

Q4. 在職中ですが、退職予定日は書くべきですか?

職歴欄は「現在に至る」で止め、本人希望欄に「現職の引き継ぎのため、入社は内定後○ヶ月以降を希望します」と書けば十分です。退職交渉の進め方は転職の入社時期はいつがおすすめ?を参考にしてください。

Q5. 履歴書に押印は必要ですか?

厚労省様式例に押印欄はなく、原則不要です。企業指定様式に押印欄があれば押します。

Q6. 履歴書に虚偽があるとどうなりますか?

学歴・職歴・資格の虚偽は経歴詐称にあたり、内定取り消しや入社後の懲戒解雇の理由になります。短期離職や空白期間を隠すより、正直に書いて面接で説明するほうが結果的に安全です。内定取り消しの法的扱いは転職の内定取り消しは違法?で解説しています。

Q7. 転職サイトのWeb履歴書と、自作の履歴書は両方必要ですか?

転職サイト経由の応募はWeb履歴書で完結することが多いですが、面接時に紙の履歴書を求められることがあります。厚労省様式例のマスター版を1つ作っておき、Web履歴書の内容と一致させておいてください。

Q8. 英語の履歴書(レジュメ)は別に必要ですか?

外資系や英語が業務言語の企業では、日本語の履歴書に加えて英文レジュメを求められます。形式が根本的に異なる(写真なし・年齢なし・実績中心)ので、外資系IT企業に受かる英語の履歴書・職務経歴書の書き方を参照してください。

Q9. 履歴書の自己PR欄と職務経歴書の自己PRは同じ内容でいいですか?

矛盾しなければ、履歴書は要約版(2〜3行)、職務経歴書は詳細版という使い分けで問題ありません。自己PRの作り方は転職の自己PRの書き方完全ガイド転職面接の自己PR・セールスポイントの見つけ方を参照してください。

Q10. 転職エージェントは履歴書の添削もしてくれますか?

はい。多くのエージェントが履歴書・職務経歴書の添削を無料で行っています。特に「年月のズレ」「志望動機の使い回し」「本人希望欄の条件」は第三者が見るとすぐに気づく部分です。キープレイヤーズでも、ベンチャー・スタートアップ・CxO転職を目指す方の書類は、企業側がどこを見るかを踏まえて一緒に作り込んでいます。

まとめ——履歴書は「減点ゼロの正確な事実」、職務経歴書は「実績の物語」

採用担当者2,000人が履歴書で最も見るのは職歴欄(48.6%)、最も減点するのは誤字脱字などのミス(47.2%)。面接官352人の76.7%はパソコン作成でよいと答え、書類選考通過率は平均37.3%。この数字が示すのは、履歴書は「目立たせる書類」ではなく「ミスなく、正確に、経歴の骨格を伝える書類」だということです。

フォーマットは指定がなければ厚労省様式例、手書き指定がなければパソコン、写真は不要指定がなければ3ヶ月以内のものを貼る、希望年収は書かない、本人希望欄は「貴社の規定に従います」。この原則でマスター版を1つ作り、志望動機だけを企業ごとに差し替える。そのうえで、自分の持ち味が伝わる「+1枚」を用意できれば、履歴書は8年前に書いたとおり「自分を売り込むラブレター」として機能します。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップ・CxO転職を目指す方の履歴書・職務経歴書を、企業側の視点で一緒に磨いています。書類で落ち続けている、自分の経歴の見せ方がわからない、という方はお気軽にご相談ください。

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東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。1万2000件以上のキャリア面談、4,000名以上の経営者と採用相談にのる。80社以上のエンジェル投資、投資して上場は9社。うち2社は役員として上場(クラウドワークス、メドレー)。178社以上の上場支援実績。顧問・社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数300回以上。「ベンチャーの作法」(ダイヤモンド社)5万部を超えるベストセラー

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