本記事では、「43歳の転職」について徹底解説します。
「転職は35歳まで」というような言葉を聞いたことのある人もいるかもしれません。確かに転職は若手の方が需要があるイメージがありますが、40代の転職は本当にもう「遅すぎる」のでしょうか?
同じ会社で定年まで働き続けることが当たり前とされた一世代前までは、43歳の転職は確かに遅すぎたのかもしれません。しかし、終身雇用制度が崩壊しつつある昨今では、その常識は覆されつつあります。
一方で、転職市場において、40歳以上の求人募集は20~30代ほどは多くないのも事実です。40歳以上の転職では、いかに採用目線に立ってスキルや能力をアピールできるかが鍵となります。また、再転職のリスクを踏まえると若手以上に転職先の企業を吟味する必要もあります。
今回は43歳の転職で抑えておきたい注意点や、対策のコツについてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
43歳転職では遅いといわれる理由
一般的に43歳の転職は「遅い」というイメージを持たれやすいですが、具体的にどのような理由があるのでしょうか。ここでは、多くの40歳代の求職者が難しさを感じるポイントを解説します。
同条件の場合、若手が優先的に採用される
1つ目の理由は「同条件の場合、若手が優先的に採用される」ためです。
実は、法律(雇用対策法)にて、企業が求人を出すときに年齢制限を設けることは基本的に禁止されています。中には例外として「35歳以下」の年齢制限をかけることも可能なため、実際には年齢制限がかけられている求人も多いのですが、表立って年齢制限を示していない求人もあるのはこのためです。
しかし、同じ求人の応募者は自分以外にもたくさんいます。若手人材が同時期に応募している場合、スキルや能力などが同条件であれば、若手人材の方が優先的に採用されてしまうケースがほとんどです。若手であれば年収もそれほど高くないことが考えられるため、企業側からすると人件費を抑えられるメリットもあるでしょう。場合によっては若手人材のスキルや能力がやや劣っていたとしても、ポテンシャル採用で優先されてしまうケースもあります。
このように、年齢制限が禁止されているとはいっても、実際は40歳以上をターゲットとした求人数は決して多くありません。
求められるレベルが高くなってしまう
2つ目は「求められるレベルが高くなってしまう」ためです。
40歳以上の人材となると、専門知識や業務遂行力が備わっていることはもちろん、プラスアルファとしてマネジメント能力や立ち回りのうまさなどの対人スキルが求められるようになります。
もちろん43歳でも、産休・育休などでブランクを経ていたり、これまで部下や後輩を指導した経験がなかったりするケースもあるでしょう。しかし、比較的コストのかかりにくい若者がいるなかで、40歳代の人材が選ばれるためには、若者にはない高度なスキル、経験が求められるのは自然なことといえます。
実際に40歳以上の求人募集では、マネージャーや役職付きのポジションなど、専門知識だけでなく組織管理能力が期待される場合が多いです。逆に、これまでのマネジメント経験を生かして転職したいなどのポジティブな背景があれば、年収アップを狙うことも十分に可能でしょう。
年収ダウンが受け入れられない人が多い
3つ目は、43歳のタイミングでは「年収ダウンが受け入れられない人が多い」ためです。
転職する場合、転職先の企業によっては年収ダウンを受け入れざるを得ないケースもあります。
しかし、43歳のタイミングでは家庭を持っている人も多く、これまでの生活水準を急に落とすことは難しいことがほとんどでしょう。限られた求人の中から、さらに自分の希望する条件に合った転職先を見つけるのは想像以上に骨が折れます。
しかし、そう簡単にいかないのが40歳以上の転職活動です。現職で高い地位に就き、年齢相応の賃金をもらっている人は、今の条件をキープしたいと思うのは当然であり、扶養家族などがいればなおさら「どんな条件の仕事でも良い」という訳にはいきません。
一方で、若い人材であれば20万円前後の賃金で雇うことが可能です。採用は企業にとって早期離職やミスマッチなどのリスクが生じる行為ですから、なるべくお金をかけずに優秀な人材を獲得したいという心理が生じます。そのような場合、選ばれるのは必然的に若い世代になってしまいます。
指導しづらい
4つ目は「指導しづらい」ためです。
最近では「実力主義」の考え方が浸透しているので、年功序列の組織は徐々に減ってきています。
とはいえ、管理職や上長が転職者よりも年下の場合、やはり指導しづらいと思われてしまう可能性はあります。企業によっては同僚がOJTを行うケースもあるでしょう。
そのため、若手人材の方が周りに馴染みやすいとの理由から採用されやすい傾向にあるのは否めません。
もちろん、本人のやる気や姿勢次第でカバーできる可能性もありますが、一般的には年齢が上がるにつれて指導しづらいと思われてしまうのはある程度仕方のないことといえるでしょう。
43歳の転職事情・現実
一方で、あえて43歳の人材を採用したいという企業は確実に存在します。このような企業は、43歳の人材にどういった期待をしているのでしょうか。
マネジメント力
1つ目はマネジメント力が期待されているケースです。
成長企業や大幅な組織改編を行った企業は、マネージャーポジションに穴が空いてしまうケースがあり、外から人材を募集するケースは少なくありません。
若いほど転職しやすいのは事実ですが、いくら実力主義の世の中になりつつあるとはいえ、20代や30代の人が入社後すぐにマネジメント能力を発揮することは難しいでしょう。
やはり風格は年の功が成せる部分もありますし、役職付きポジションについてもらうためにはこれまでのキャリアでマネジメント経験が必須であることを考えると、ミドル世代を対象とした求人募集が多くなります。
中間管理職としての活躍
上層部と現場のメンバーをつなぐ、いわゆる「中間管理職」が不足している企業は少なくありません。また、最近では組織に指示を出すだけでなく、自らも現場で動きながらマネジメントを務める「プレイングマネージャー」も多くなっています。
中間管理職やプレイングマネージャーは現場のことをよく知っている必要がありますし、上層部からの指示を汲み取り、より現場の立場に立ってことを進められる能力が求められます。長い現場経験がありながらも、まだ体力が残っている40代は、中間管理職やプレイングマネージャーに最適な年齢であるといえるでしょう。
中には中間管理職やプレイングマネージャーを募集している求人もあるので、マネジメント経験のある人は目を向けてみると良いでしょう。
育休・離職のリスクが低い
若手人材である20代〜30代は、結婚や育児などで働き方に変化が出やすい年代です。最近では男女共に育児休暇を取るなど、仕事だけでなくプライベートも大切にする風潮が高まってきています。
企業側としては長く安定的に働いてくれることを期待しています。その点、ライフステージが一段落した40代の人材は魅力的に思えるでしょう。
もちろんスキルや経験、その他条件とのバランスを見てにはなりますが、育休や離職のリスクが低いという点でほかの年齢よりも採用されやすい可能性があります。
43歳転職の成功しやすいパターン・狙い目の求人
以上の点を踏まえると、43歳の転職ではどのような求人が狙い目なのでしょうか。ここでは43歳の転職が成功しやすいパターン・狙い目の求人を紹介します。
経験が活かせる仕事を探す
40代になると、大幅なキャリアチェンジは厳しくなります。一方でこれまでのキャリアで他の人にはない強みを得ているはずですから、自分のスキルや経験を活かせる分野であれば需要は多いです。特に即戦力が求められるような職種では、20代30代の若手を抑えて採用される可能性も大いにあるでしょう。
まずは自分のキャリアの棚卸しを行い、どのような仕事に貢献できるかに着目してみましょう。同業界・同職種に拘らずとも、これまでのキャリアで身につけてきた能力やスキルを活かせる分野は意外と多いです。うまく分析できないと感じる人は、後述する転職エージェントサービスなどを活用して担当者からアドバイスをもらってみると良いでしょう。
社会人としてのキャリアが長ければ長いほど、より実態に基づいて自分の働き方や価値観を分析することができます。本当に自分に合った職種や企業を探せることは、40代で転職するメリットのひとつともいえるでしょう。
マネージャーポジションに応募する
マネージャー経験のある人は、マネージャーポジションの求人に応募すると良いでしょう。マネージャーポジションはミドル世代を対象とした求人が多いので、需要の多い20代30代の若手人材と争わなくて済むことになります。
また、スキルの度合いにもよりますが、ポジション付きの求人であれば年収アップも十分に狙えるでしょう。これまでにマネジメント経験のある人は、自分のマネジメント能力をアピールポイントにしてみることをおすすめします。
人手不足の企業に応募する
建設業、福祉業、飲食業、宿泊業、運送業など、人手不足の業界は年齢制限を設けていない求人が多いです。
人手不足の企業はブラック企業が多い、というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、人手不足だからこそ入社後も丁重に扱ってくれる企業も中にはあります。
また、昨今では働き方改革やICT技術の進歩などの背景もあり、積極的に改善に取り組んでいる企業も多いです。どうしても先行したネガティブイメージがあるかもしれませんが、実際に働いてみると条件交渉にも柔軟に応じてくれるなど、思っていたよりも良い環境だったというケースがあります。
マネジメントスキルに自信がない人でも、需要のある業界なら可能性があるので、こういった求人に応募してみるのもひとつの方法でしょう。
フランチャイズオーナーなどに応募する
最近では、さまざまな業種がフランチャイズオーナーを随時募集しています。飲食店、小売業、サービス業、リユース事業など幅広い分野があるので、これまでの経験が活かせそうな事業があれば参入してみるのも良いでしょう。
もちろんある程度のビジネスマナーが必要にはなりますが、フランチャイズオーナーの場合は企業やブランドが構築してきたノウハウのもとに事業運営ができるので、開業経験がなくとも挑戦することが可能です。
企業側としても、若すぎるよりはミドル世代以降の人材の方が安心して事業を任せられるでしょう。人生経験が豊富な中高年以上の人材です。
実は、43歳頃は独立開業を志す人が徐々に増えるタイミングでもあります。その人が持っている能力や得意とする分野によって独立の方法は異なるので、フランチャイズでなくても独立開業支援に力をいれている会社を探してみるのもひとつです。
40代が活躍している企業を選ぶ
企業ごとに、活躍している年代は異なります。若手が多い企業もあれば、ミドル世代が活躍しやすい企業もあります。企業を選ぶときはどうしても雇用条件や待遇ばかりに気を取られてしまいますが、転職成功率を上げるためにも、企業風土や社員の年齢にも着目してみることをおすすめします。
フレッシュでエネルギーあふれる若手人材の需要が高いのは事実ですが、ミドル世代以降ならではの落ち着いた雰囲気や頼りがいを備えた人材が欲しいという企業も実際に存在します。こういった企業や業種に目を向けてみると、思わぬ可能性を見つけられるかもしれません。
採用される人材が十人十色なように、企業側も多種多様です。40代が採用されそうな求人を探してみると、転職活動の成功への近道になるかもしれません。
43歳の転職で失敗する原因3つ
43歳の転職で失敗する原因として、以下の3つがあります。
- 原因1:面接対策ができていない
- 原因2:自己分析があまい
- 原因3:現職を退職した後に転職活動を始める
それぞれ詳しく解説します。
原因1:面接対策ができていない
43歳で転職する場合は、過去に何度か転職を経験しており、面接対策は問題ないと考えている人がいます。また、中には「面接で落とされることなんてないだろう」と余裕を持っている人もいます。
しかし、このように十分な面接対策を行っていない人は、面接官からの質問に的確に答えられずに、落ちてしまう可能性が高いです。
社会人経験が長い分、適切な日本語が使えているのか、質問に対して的確な答えが返って来るのか、話の内容に筋が通っているのかなどを厳しくチェックさせると覚えておきましょう。
原因2:自己分析があまい
転職に失敗する人の特徴として、自己分析があまいケースも多いです。
例えば、面接で自身の強みを聞かれた際に、強みを根拠を示して説明できないなどです。自己分析を十分におこなわないと、自分のなかでは落とし込めていても、相手に納得してもらう解答になっていない場合があります。
過去の実績や経験を基に、求人企業が求めている内容を説明できるように自己分析しておくことが大切です。
原因3:現職を退職した後に転職活動を始める
転職活動を始めるタイミングは人それぞれですが、おすすめするのは現職を続けながら転職活動を行うことです。
反対に、退職してから転職活動を始めると、転職活動に充てられる時間は増えますが、転職先が決まらない場合のリスクが大きくなります。
現状の勤め先がある場合には、急にお金に困ることはなく納得のいく会社選びができます。しかし、退職してしまうと、金銭面での不安が大きくなり、早く転職先を決めないとという焦りが生まれます。焦りが生まれると、納得のいく企業選びができず、焦っている気持ちが求人企業にも伝わり悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
気持ちに余裕を持って、納得のいく転職活動をするためには、現職に勤めながら転職活動を進めることをおすすめします。
43歳が転職活動でやりがちなNG行為
面接などでは、自己アピールをはじめ質疑応答など、企業の担当者と話す機会が多々あります。40代の転職では、ビジネスマナーが特に厳しく見られることを先述しました。
ここでは、以下のような43歳の求職者がやりがちなNG行為を紹介します。
- 現職の愚痴を漏らしてしまう
- 自分の要求ばかりを述べてしまう
- 「興味あります」などただの感想を述べる
それぞれ詳しく解説します。
現職の愚痴を漏らしてしまう
よくあるのが「現職の愚痴を漏らしてしまう」ケースです。
不満ばかり言ってる人は、採用後も愚痴ばかりで行動に移してくれない人材であると思われてしまいます。また、ミドル世代にもなると、たとえ企業に問題があった場合でも柔らかく伝えるなど、周囲に対する配慮が求められるようになります。現職の愚痴を言っても良いことはないので、どのようなケースでも不満を漏らすのはやめておきましょう。
一方で、客観的に現職に対する分析を述べることは評価されるケースがあります。現職に対する質問を受けた場合は、自分視点ではなく、社会的に見てどうなのか、相手から見てどうなのか、第三者の視点に立って意見を出すようにこころがけましょう。
自分の要求ばかりを述べてしまう
たとえば「スキルアップしたい」「もっと学びたい」など。これらはどれも前向きな言葉ではありますが、同時に自分本位な考え方でもあります。
もちろん何歳になっても学ぶ意欲は大切ですが、40代になると相手目線で自分を採用するメリットを伝える必要があるので、自分の要求ばかりを述べることは避けた方がよいでしょう。
「興味あります」などただの感想を述べる
例えば「〇〇についてどう思うか」と聞かれた場合に、「興味あります」「良いと思います」などの感想を述べてしまうケースもNGです。
こちらもマイナスな言葉ではありませんが、採用側はただ感想を求めているのではないことを意識しましょう。相手が何を聞いているのか、何を知りたがっているのかに着目し、適切な言葉で回答できるように面接対策はしっかりと行いましょう。
43歳の転職に関するよくある質問
最後に、転職活動をする43歳の人材が抱えがちな疑問を解説します。
育児中の転職は厳しい?
ひと昔前は、育児と仕事の両立は困難でしたが、徐々に世間の考え方も変わり、プライベートも仕事も大切にするという考え方が主流になりつつあります。
昨今では企業側もスーパーフレックス制度や時短勤務などの導入で体制が整ってきているので、お互いの条件がマッチすれば育児中の場合でも転職できる可能性は十分にあります。特に40代であればその後も会社を続けてくれる可能性が高いので、育児中だからといって転職を諦める必要はないでしょう。
大幅なキャリアチェンジは厳しい?
未経験の仕事へのチャレンジは、若ければ若いほど有利です。そのため43歳で大幅なキャリアチェンジは厳しいと考えたほうが良いでしょう。未経験人材を採用するにあたっては、吸収力が高い若手人材のほうが優遇されるのは当然のことです。
そのため、40歳代で全く経験のない分野へ挑戦するのはあまりおすすめしません。これまでのキャリアがリセットされるうえ、周りからもやりづらいと思われてしまう可能性が高いです。
しかし、未経験の職種であってもこれまでの経験やスキルが活かせる場合はその限りではありません。幅広い視点で転職先を検討することは大切なので、自分の強みを理解して、どのような社会貢献の形があるかを考えてみると良いでしょう。
公務員へ転職したいけれど可能?
通常の民間企業の募集と比べて募集枠は狭まりますが、公務員への転職は不可能ではありません。また、民間企業が元公務員を採用するケースももちろんあり得ます。
民間ビジネスの合理性は公共の場にも良い影響を与え、公共の独特な人脈が民間会社の運営にシナジー効果を与えることがあるため、最近では両者ともに異業種の採用ニーズが高まりつつあるのです。
ただし、それぞれ働き方が異なる部分が大きいので、本当に転職すべきかどうかはしっかりと吟味して決めるようにしたほうが良いでしょう。
43歳転職を成功させるポイント
ここでは、43歳以上の人が転職を成功させるために、大切な7つのポイントについて解説します。
- より客観的な自己分析を行う
- 前向きな転職は評価されやすい
- 条件や待遇を欲張りすぎないか
- ビジネスマナーはできて当たり前
- 不採用の場合は次に繋げるよう努力する
- 転職活動は在籍中に行う
- 転職エージェントを活用する
それぞれ詳しく解説します。
より客観的な自己分析を行う
20代30代では意欲や熱意が評価されることもありますが、40代の転職では冷静な分析や論理的思考が期待されます。
これは、面接の自己アピールにおいても同様で、自分が企業に入社することでどのようなメリットを与えられるのか、企業目線に立って論理的に説明できることが必要です。
そのためにも、自己分析は徹底して行うようにしましょう。特に、若手の頃と比べてより「客観的に見られるかどうか」が重要です。長いキャリアを経ているからこそ、より業務や仕事に落とし込んで、より具体的な自己分析を行うことができるでしょう。
とはいえ、自分だけではどうしても潜入感や主観が生じてしまうのは仕方のないことです。客観的な判断が難しいと感じた場合は、第三者視点としてエージェントのアドバイザーなどを頼ってみるのも良いでしょう。
前向きな転職は評価されやすい
40代の転職は総じて難易度が高いですが、管理職など好条件の求人があることからもわかる通り、前向きな転職は需要が高く評価もされやすいです。
実際の転職理由はさまざまだとは思いますが、選考で転職理由を伝える際は、できるだけポジティブで前向きな姿勢を見せるように意識してみましょう。面接官などは「ざっくらばんに話してくださいね」などというかもしれませんが、面接の最中である以上はどうしても選考の要素として評価されてしまいます。
和やかな面接だからといって現職の愚痴をぽろっと漏らしてしまうなどすると、その時は打ち解けられた雰囲気を感じるかもしれませんが、マイナスのイメージしか与えないので注意するようにしましょう。
条件や待遇を欲張りすぎない
勤務地や賃金、休暇の日数など、条件は気になるものです。とはいえあれもこれも欲しがってしまうと、次の転職先が見つからなくなってしまいます。特にミドル世代は求人数も多くはないので、妥協できる条件は受け入れて転職先の候補として母数を増やしましょう。
コツとしては、条件に優先順位を付けるのがおすすめです。たとえば勤務地が遠くてもテレワークOKの企業もありますし、土日出勤でも年間で見た休日の数は多い企業などもあります。
条件や待遇は欲張りすぎず、自分にとって何が大切で何が譲れないポイントなのかを見つめ直してみましょう。
ビジネスマナーはできて当たり前
年齢が上がるにつれて、ビジネスマナーはプラスで評価されるものからマイナス評価されるものへ移り変わっていきます。ミドル世代になると社会人経験が長いので、適切な言葉遣いや立ち振る舞いはできて当たり前だと思われてしまいます。
自分が思っている以上に採用側は細かいところまでチェックしているので、たとえフランクな面接であったとしても相手に失礼の無いよう気を配るようにしましょう。
また、言葉に移り変わりがあるように、ビジネスマナーも世代とともにアップデートされています。コロナ以降ではリモート面接の機会も増えており、新しいツールを使いこなせるかどうかの柔軟性も評価されるケースがあるので注意しましょう。
不採用の場合は次に繋げるよう努力する
転職活動を行っていると、不採用通知を受けることは多々あります。不採用自体は企業と自分との相性もあるので気にしすぎなくて良いですが、自分がベストな面接をできたのかどうか振り返ることはとても大切です。
たとえば、自分のキャリアや能力が見合っていたはずなのに選考が通らなかったという人は、企業の立場に立って自分をアピールできていないケースがあります。キャリアが長くなると固定概念や価値観の偏りも起こりやすいことを踏まえて、冷静な自己分析ができているかどうか振り返ってみるようにしましょう。
反省や後悔はこれまでの自分を否定するような気がして、気持ちが良いものではありませんが、次の選考に繋げるチャンスだと思って自分と向き合う機会を作ってみてください。
転職活動は在職中に行う
よほどの理由がない限り、転職活動は在職中に行うようにしましょう。
転職したい背景は人それぞれなので、中には今すぐにでも現職をやめてしまいたいと考えている人もいるかもしれません。しかし、早まった退職で必要以上のプレッシャーを感じてしまったり、焦りが生じてしまったりすると、次の転職先選びにも良い影響を与えません。
たしかに在職中の転職活動は、時間もなければ気持の余裕もなく、決して楽なものではありません。しかし、焦って次の転職先を見誤ってしまわないためにも現職に就いていることは大事です。
特にミドル世代は若手人材と違い、再転職の機会も限られることが予想できます。
転職先でミスマッチが生じても、すぐに再転職は難しいので、本当に自分に合った企業を転職先に選ぶことが重要になります。自分が納得いく職場への転職を成功させるためにも、安定した収入を得ながら落ち着いて転職活動を行いましょう。
転職エージェントを活用する
40歳を超えての転職活動は、年齢的な問題から求人数も少なくなり、高いスキルや豊富な実績など求められるレベルが高く、転職成功の難易度が上がります。
そのため、20代や30代で転職を経験している人でも、「40代で転職をする」という初めての体験に対して十分に準備する必要があります。
そこで、転職の成功確率を上げるのにおすすめしたいのが、転職市場に詳しく、転職サポートのプロである転職エージェントです。転職エージェントでは、市場に出回らない非公開求人を抱えていることも多く、さらに転職事情に詳しいエージェントの手厚いサポートも受けられます。
40代での転職活動においても、転職成功のポイントを押さえた的確なアドバイスをもらえるでしょう。
43歳からの転職を成功させるために、ぜひ転職エージェントの活用を検討してみてください。
43歳におすすめの転職エージェント4選
43歳で転職活動を行う場合は、20代30代の若手人材とは違うアプローチを行うことが大切です。ここでは、43歳におすすめの転職エージェントとして、以下の4つを紹介します。
- リクルートエージェント
- リクルートダイレクトスカウト
- ビズリーチ
- JACリクルートメント
基本的にすべて無料で利用できるサービスばかりです。それぞれ強みや掲載求人が異なるので、まずは2〜3社に並行して登録してみると良いでしょう。
① リクルートエージェント
まずご紹介したいのが業界最大規模の「リクルートエージェント」。名前を知らないという人は少ないのではないでしょうか。
エージェントサービスでは、人材のプロであるアドバイザーが転職に関するアドバイスやサポートを行ってくれます。気軽に電話相談も受け付けてくれるので、転職するかどうかを悩んでいる場合に相談してみるのも良いでしょう。
「高年収にこだわりたい」「働き方を重視したい」「プライベートを大切にしたい」など、人によって転職の軸は異なるかと思います。しかし、リクルートエージェントはあらゆる業界・職種の求人を網羅しているので、転職の傾向を問わず使いやすいです。
業界・職種を絞りすぎず、まずは幅広い求人の中から比較検討したい場合は、リクルートエージェントへの登録をおすすめします。
② リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウトは、同じくリクルートが運営するスカウトサービスです。
スカウトというと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、40代で転職活動を行うなら、スカウトサービスは積極的に使用したいところです。自分の職務履歴を登録しておくだけで受動的にスカウトを受けられるので、現職で忙しい人でも余計な労力をかけずに転職活動を行えます。
特にリクルートダイレクトスカウトは、スカウトサービスの中でもハイクラス・エグゼクティブ向けなので、好条件の求人を狙いたい人にはぴったりです。ユーザーが登録する希望年収の下限も「600万~」になっているくらいなので、高年収にこだわりたい40代の人はぜひ活用してみてください。
また、「どのような企業が自分のような人材を求めているか」「自分にはどのくらいの市場価値があるのか」というひとつのパラメーターとしても活用できるので、転職活動を検討している場合は早めに登録を済ませておきましょう。
③ ビズリーチ
ビズリーチもリクルートダイレクトスカウトと同様にスカウトをメインとした転職サービスです。ハイクラス人材向けなので、高年収かつ希少なポジションの求人が見つかるサービスとして、ミドル世代の転職者にも支持されています。40代で転職活動を考える際には活用してみるとよいでしょう。
また、企業側もハイクラス人材を扱っているサービスとして認知しているので、他のサービスには出していないような非公開求人が見つかる可能性があります。
ビズリーチのサービスは、求人の検索・閲覧や、一部の求人への応募、プラチナスカウトの閲覧・返信など基本的な機能は無料で利用できます。プロフィール欄を埋めるだけでもキャリアやスキルの洗い出しができるので、まずは登録してみると良いでしょう。
④ JACリクルートメント
出典:JACリクルートメント
最後に紹介するのが「JACリクルートメント」です。
JACリクルートメントはハイクラス・ミドルクラスに強い実績を持つ転職エージェントサービスです。管理職クラスなどのハイクラス求人だけでなく、グローバル企業の求人にも強いところが魅力です。外資系企業、海外進出企業などへの転職を考えている場合は登録しておくと良いでしょう。
もちろん、グローバル企業だけでなく、国内企業の好条件求人も多く取り扱っています。単に年収が高いだけでなく、役職付きポジションの求人も多いので、多くを妥協できない40代にはぴったりの転職エージェントサービスです。
まとめ
若手の頃と比べて40歳代の転職が厳しいのは事実です。
しかし、転職自体が遅すぎるということはありません。
ポジションによってはミドル世代を対象とした求人もありますし、経験が長い分、これまでのキャリアをベースに自分の強みを深堀りすることで、より自分に合った環境で働くことも可能でしょう。
また、専門のスキルや知識、マネジメント能力があれば年収アップも狙える年齢であるといえます。
ただし、転職活動の際はしっかり準備を行いましょう。もし、どのように進めたらよいかわからない場合や、キャリア相談をしたい場合は、人材のプロである転職サービスを活用するのがおすすめです。
悔いなく転職活動を成功させるためにも、ぜひ今回ご紹介したポイントをおさえて対策してみてください。
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