転職成功のコツはIRを読むこと!【2026年最新版】面接で差がつくIR資料の読み方・見るべき7項目と未上場企業の調べ方を高野秀敏が解説

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー

転職活動では、受ける企業についての情報収集がとても大切です。相手を理解していないと、面接でもきちんとしたやりとりになりません。

キープレイヤーズの高野です。27年、ベンチャー・スタートアップを中心に転職の支援をしてきましたが、面接に強い方ほど、企業のIR(投資家向け情報)をしっかり読み込んでいると感じます。逆に、IR情報どころか受ける企業のホームページすら見ていない方が、今でも意外に多いのです。

この記事では、なぜ転職でIRを読むべきなのか、どの資料をどの順番で読めばいいのか、面接でどう使うのか、そしてIRがない未上場のスタートアップをどう調べるのかまで、私の経験をもとにまとめました。

▶ あわせて見たい高野の解説動画:「【転職相談】転職先として良いベンチャー企業を見つける方法とは?」

目次

結論:IRは「無料で読める、最高の企業研究テキスト」

ポイント 内容
なぜ読むのか 財務状況だけでなく、業界の動向・事業戦略・課題まで、企業が自ら整理して公開しているから
まず読む資料 決算説明資料(スライド)→ 中期経営計画 → 有価証券報告書の順がおすすめ
あわせて読むもの ライバル会社のIR。比べることで強み・弱みが見える
面接での使い方 数字を暗記するのではなく、「課題」と「自分の経験」をつなげて話す
未上場企業の場合 業界トップの上場企業のIR+資金調達情報・官報・プレスリリースで補う
かかる時間・費用 1社あたり2〜3時間、費用はゼロ

情報収集のためにIRを読もう!

ぜひおすすめしたいのが、企業サイトで公開されているIR情報にしっかり目を通しておくことです。投資家向けの資料で非常によくまとまっているので、企業研究には絶好のテキストです。会社の財務状況だけでなく、その企業をとり巻く業界の動向や事業戦略などが網羅されているので、全部理解するつもりで、じっくり読んで勉強しておくといいでしょう。

それにプラスしてライバル会社のIRもチェックします。企業ごとの経営方針や事業戦略の違いが比較できますし、その会社の強みやウイークポイントもだいたい理解できるはずです。

事業規模が大きくない企業や未上場企業の場合はIR資料がありません。その場合は、類似業界のリーディングカンパニーは上場しているケースが多いので、そちらを見ておきましょう。受ける企業のことはダイレクトにわからなくても、業界全体のことは把握できるはずです。

IR資料は企業のホームページにアクセスするだけで確認できます。費用もかかりません。面接対策だけでなく、転職先を選ぶ際やマーケット調査にも有効な手段です。対外的に公開されているものですから企業秘密でもありません。熟読しておけば面接でも積極的に対応できますし、こちらから質問する場合も、より突っ込んだ内容で発言できます。会話も弾み、「御社のことを本気で考えている」という熱意も伝わります。

特に、同じ業界ではなく別の業界への転職を考えている方は、リサーチする時間があまりありません。受ける企業とライバル企業のIR・ホームページは最低限すべて押さえ、頭にたたきこんでおくことが大切です。業界研究・口コミの調べ方まで含めた全体像は転職の情報収集 完全ガイドにまとめています。

転職で読むべきIR資料の種類と使い分け

ひとくちに「IR資料」と言っても、いくつも種類があります。全部を最初から読む必要はありません。転職の目的に合わせて、読む順番を決めるのがコツです。

資料 どんなものか 転職で見るポイント おすすめ度
決算説明資料(スライド) 決算発表にあわせて出る、図表中心のプレゼン資料 どの事業が伸びているか、会社が重視しているKPI ★★★(最初に読む)
中期経営計画 3〜5年の目標と戦略 会社がどこへ向かうのか、そのために何が足りないか ★★★
有価証券報告書(有報) 法律で決められた形式の年次報告書 事業等のリスク、対処すべき課題、従業員の状況(平均年収・平均年齢・勤続年数) ★★★
決算短信 決算の速報。数字中心 売上・利益の推移、業績予想の修正 ★★
統合報告書 財務と非財務(人材・ESGなど)をまとめた冊子 人材戦略、組織のビジョン、経営陣のメッセージ ★★
適時開示(プレスリリース) M&A、役員の異動、業務提携などの速報 直近の大きな動き、経営陣の交代 ★★(面接前に必ず確認)
株主総会の資料・決算説明会の動画 招集通知、説明会の録画や書き起こし 社長の言葉、投資家から何を質問されているか ★

なお、制度も変わっています。2024年4月1日以後に始まる四半期から四半期報告書は廃止され、第1・第3四半期は取引所の決算短信に一本化、第2四半期は「半期報告書」になりました。古い転職ノウハウ記事で「四半期報告書を読もう」と書かれていても、今は決算短信と決算説明資料を見れば足ります。

有報や決算短信は、金融庁のEDINET、東証の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)でも無料で見られます。ただ、慣れないうちは企業サイトの「IR・投資家情報」のページから入るのが一番わかりやすいと思います。

転職者がIRで必ず見るべき7つの項目

① 売上と利益の推移(3〜5年分)

伸びているのか、横ばいなのか、落ちているのか。まずは大きな流れをつかみます。売上が伸びていても利益が減っているなら、何かに大きく投資しているか、競争が激しくなっているかのどちらかです。

② セグメント(事業ごと)の業績

応募するポジションがどの事業に属するかを確認し、その事業が会社の中で「稼ぎ頭」なのか「育てている途中」なのかを見ます。ここで、入社後に求められる役割がかなり見えてきます。

③ 中期経営計画と、その進み具合

目標の数字だけでなく、前の中計が達成できたのか、どんな課題を会社自身が認めているのかを見てください。「未達だった理由」を会社がどう説明しているかに、その会社の誠実さが出ます。

④ 事業等のリスク・対処すべき課題(有報)

会社が公式に「ここが危ない」「ここを直したい」と書いている箇所です。面接で「この課題に、私の経験はこう活かせます」と話す材料として、これほど使えるものはありません。

⑤ 従業員の状況・人的資本の開示(有報)

平均年収・平均年齢・平均勤続年数に加えて、2023年3月期の有報からは女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金差異の開示が始まり、人材育成の方針などを書く欄も新設されました。働きやすさや組織の考え方を、口コミより客観的に確認できます。年収の見方はベンチャー企業の年収完全ガイドも参考にしてください。

⑥ 経営陣の顔ぶれと最近の異動

役員の経歴と、最近の就任・退任を確認します。後で紹介するAさんのように、ここを見落とすと最終面接で致命的なミスにつながります。

⑦ 株価・資本政策への考え方

2023年3月に東証が上場企業に「資本コストや株価を意識した経営」を要請して以降、多くの会社がPBR(株価純資産倍率)の改善策などを開示しています。報道によると、2024年10月末時点でプライム市場の8割を超える会社が開示済みです。経営企画・財務・IR職を受ける方は必ず読んでおきましょう。

面接でIRを活かす4ステップ

  1. 決算説明資料で全体像をつかむ(30分):最新の資料をざっと読み、伸びている事業・重視しているKPIをメモします。
  2. 中計と有報で「課題」を拾う(1時間):対処すべき課題・事業等のリスクから、応募ポジションに関係するものを2〜3個選びます。
  3. ライバル会社と比べる(30分〜1時間):同業1〜2社の決算説明資料と比べ、強み・弱みを自分の言葉で整理します。
  4. 自分の経験とつなげて、話す内容・質問を用意する:「御社の課題は○○だと理解しています。私は前職で△△を経験しており、□□の形で貢献できると考えています」という形にまとめます。逆質問の作り方は転職面接の逆質問 完全ガイドが参考になります。

大事なのは、数字を暗記して披露することではないという点です。面接官が知りたいのは「この人は会社を理解したうえで、何をしてくれるのか」です。IRはそのための材料にすぎません。面接全体の準備は転職面接の準備 完全ガイド、面接官の視点は転職面接で面接官は何を見ている?にまとめています。

IRを読む転職活動のメリット・デメリット

メリット

  • 面接での受け答えと質問の質が上がり、志望度の高さが自然に伝わる
  • 入社後の役割や期待される成果を、入社前にイメージできる
  • 財務が危ない会社、成長が止まっている会社を見抜ける
  • 年収交渉の材料(平均年収・業績・人件費の傾向)が手に入る
  • 費用がかからず、いつでも読める

デメリット・注意点

  • 慣れるまで時間がかかる(最初の1社は3時間以上かかることも)
  • IRは「投資家に良く見せる」資料でもあり、現場の実態とずれることがある
  • 未上場のスタートアップにはIRがない
  • 読み込みすぎて、面接で知識をひけらかしてしまう人がいる

IRに書かれているのは会社の「公式見解」です。現場の雰囲気や働き方は、口コミやカジュアル面談で補ってください。口コミの見方は転職の口コミサイト・評判の見方完全ガイドで解説しています。

IRを読み込むべき人・ほどほどでいい人

しっかり読み込むべき人 ほどほどでいい人
異業種・異職種に転職する人 同じ業界の同業他社に転職する人(すでに業界を知っている)
経営企画・事業開発・財務・IR職を受ける人 専門職として現場の技術を評価される職種の人(ただし最低限は必要)
管理職・事業責任者・CxOのポジションを受ける人 未上場のアーリーステージのスタートアップを受ける人(別の調べ方が中心)
最終面接で社長・役員と話す人 カジュアル面談の段階の人(概要だけで十分)

特に、管理職以上・CxOクラスの面接では、IRを読んでいないことはほぼ「準備不足」とみなされます。経営幹部の転職についてはCXO転職ガイドでも詳しく解説しています。コンサル出身の方は、クライアントの資料を読むのと同じ感覚でIRを読めるのが強みです。その強みの活かし方はコンサルからの転職ガイドにまとめています。

事前準備こそ内定獲得の必須ポイント(成功例)

メーカーに勤務する総務のZさんは、勤めている会社が同族経営で古い体質のままであることに見切りをつけ、転職を考えました。

人材エージェントに登録したところ、ネット関連企業の募集案件を紹介されました。条件も悪くなく、先方が求めるスキルを満たしていて、オファーがあったため、面接を受けてみることにしました。

ビジネス系のソフトやシステムはひととおり使えるものの、インターネットに詳しいわけではありません。まったく違う業界ですから、まずは予備知識を仕入れようと、受ける企業はもちろん、ライバル企業数社のホームページをチェックし、IR情報を熟読しました。

株主総会の事務などを担当したこともあり、他社のIR資料に目を通すことにも抵抗がなかったのです。すると、社歴こそ短いものの同業他社に比べて財務状況がよいうえに、将来性のあるシステム開発に乗り出していることがわかりました。面接でそのことを話すと非常に好印象だったようで、社長面接がすぐに決まり、その場で内定が出るほどでした。

入社後に話を聞くと、内定辞退が続いていたところにZさんが現れ、「わが社の実態を正確に理解してくれる人材だ」と社長が大喜びだったそうです。Zさん自身も不安なく転職を決められ、社長からも目をかけられて、はりきって仕事をしています。

Zさんのポイントは、IRを「自分が入るべき会社かどうか」を判断する材料としても使ったことです。面接対策のためだけでなく、会社選びの判断に使えるのがIRの良いところです。会社の見極め方はベンチャー企業の選び方・見極め方も参考にしてください。

後悔しない転職の準備を(失敗例)

一方、1次・2次面接を無事通過したAさんは、最終面接に臨みました。Aさんは以前、ある勉強会でその会社の取締役の講演を聞き、懇親会でも名刺交換していました。知人から次期社長の呼び声が高い人だと聞いていたので、志望理由の一つとしてそのことに触れました。

ところが、その取締役はすでに降格されていて、結局、Aさんは採用されませんでした。ホームページやIRの役員一覧、適時開示に目を通していれば、経営陣が刷新されていることがわかったはずだと後になって気づきました。また、IR資料に書かれていたことをそのまま面接で質問してしまい、最終面接官には「会社理解ができていない」と見限られてしまったのです。どちらも、IRを確認しておくだけで防げたことでした。

能力や想いは十分あるのに、ちょっとした準備を怠ったことで不採用になるのは機会損失です。できる限りの準備をして、惜しいミスは防ぎたいものですね。最終面接ならではの注意点は転職の最終面接 完全ガイドにまとめています。

IR活用でよくある失敗パターン5つ

失敗①:IRに書いてあることを、そのまま質問する

Aさんの例のように、資料を読めばわかることを聞くと「読んでいない」と思われます。質問は「資料に○○とありましたが、その中で△△はどう考えていますか」と、一歩踏み込んだ形にしましょう。

失敗②:古い資料を読んでしまう

検索で出てきた1〜2年前の資料を読んで、最新の決算や経営陣の交代を見落とすケースです。面接の前日には、最新の決算説明資料と適時開示を必ず確認してください。

失敗③:数字を並べて「評論家」になる

「営業利益率が同業より低いですね」と指摘するだけでは、面接官は良い気分になりません。課題を指摘するなら、必ず「自分ならこう貢献できる」とセットで話しましょう。

失敗④:良いことばかり書いてある資料を鵜呑みにする

決算説明資料は投資家向けの「見せる資料」です。有報の「事業等のリスク」や、業績予想の下方修正の履歴もあわせて見て、バランスよく判断してください。

失敗⑤:未上場だからと調べるのをあきらめる

IRがなくても調べる方法はあります。次の章で紹介します。

IRがない未上場スタートアップの調べ方

ベンチャー・スタートアップへの転職では、受ける会社にIRがないことがほとんどです。その場合は、次の情報を組み合わせて調べます。

情報源 わかること 注意点
業界トップの上場企業のIR 市場規模、業界の課題、ビジネスモデルの収益構造 規模が違うので、そのまま当てはめない
STARTUP DB(フォースタートアップス)・INITIAL(ユーザベース) 資金調達の時期・金額、主な投資家 詳しい情報は有料のものもある
官報・自社サイトの決算公告 貸借対照表(純資産・利益剰余金など) 公告していない会社も多い
プレスリリース(PR TIMESなど) 資金調達・提携・新サービスの発表 都合の良いことしか書かれない
経営者のnote・X・インタビュー記事 経営者の考え方、カルチャー 発信が多い=経営が順調、とは限らない
カジュアル面談・エージェント 組織の状況、ランウェイ(資金が尽きるまでの期間) 聞き方に配慮が必要

今はスタートアップの選別がはっきり進んでいます。STARTUP DBの調査では、2026年上半期の国内スタートアップの資金調達額は速報値で5,033億円と前年同期並みでしたが、資金調達した会社の数は1,061社と35%も減りました。お金が集まる会社と集まらない会社の差が開いている、ということです。「いつ、いくら、誰から調達したか」は、未上場企業を見るうえで最も大事な情報の一つです。

面接の場では、「次の資金調達はいつ頃を予定していますか」「今の資金で何か月くらい事業を続けられますか」と聞いても失礼にはあたりません。むしろ、ここをきちんと聞く方を、経営者は信頼します。採用する企業側がどんな人材を求め、どう見ているかはスタートアップ採用ガイドを読むとよくわかります。フェーズごとの違いはスタートアップのフェーズ別転職ガイド、上場前の会社の見方はIPO準備企業への転職ガイドで解説しています。ベンチャー転職全体の進め方はベンチャー転職 完全ガイドにまとめています。

年代別:IRの読み方のアドバイス

20代:まずは「決算説明資料」を1社読み切る

最初から有報を読むと挫折します。図表中心の決算説明資料を1社、最初から最後まで読み切るところから始めましょう。それだけで、面接での話の深さが同世代の中で頭一つ抜けます。

30代:「課題」と「自分の経験」をつなげる

30代は即戦力として見られます。中計や有報の課題から、応募ポジションで自分が解決できるものを具体的に話せるかが勝負です。

40代:経営者の目線で読む

40代以上、特に管理職・役員クラスは、資本政策や人的資本、ガバナンスまで含めて経営者と対等に話すことが求められます。年代ごとの戦い方は年齢別転職ガイドにまとめています。

50代:「何を任せてもらえるか」を見極める材料に

50代の転職では、会社の課題と自分の経験がぴったり合うかどうかで結果が大きく変わります。IRで会社が本当に困っていることを見極め、そこに絞って自分を売り込みましょう。

年収交渉にもIRは使える

あまり知られていませんが、IRは年収交渉にも役立ちます。有報の平均年収や、業績が伸びているかどうかは、提示された年収が妥当かを判断する材料になります。業績が好調で人材投資を強化すると中計に書いている会社なら、交渉の余地は比較的大きいと考えられます。交渉の進め方はベンチャー転職の年収交渉術完全ガイド、報酬全体の考え方は年収・手取りガイドで解説しています。

また、キープレイヤーズでも、人材業界の決算を読み解いた記事を出しています。人材業界6社の決算分析やメドレーの決算資料の読み解きは、「IRをどう読むか」の実例としても参考になると思います。

転職の成否を分ける3つのポイント

27年のエージェント経験から、転職の成否を分けるポイントは大きく3つあると考えています。IRを読むことは、そのすべてにつながります。

1. 企業選びの軸が明確であること

「なんとなく良さそう」で選ぶのではなく、事業フェーズ、ポジション、カルチャーフィットの3軸で判断できる方は転職後も活躍しています。

2. 入社前に期待値のすり合わせができていること

転職後に「こんなはずじゃなかった」とならないためには、面接時にリアルな業務内容や課題を確認することが不可欠です。特にベンチャー企業では、面接で見える華やかな面だけでなく、泥臭い部分も理解したうえで入社を決めることが大切です。入社後のギャップについてはベンチャー転職 失敗・後悔ガイドも読んでおいてください。

3. 転職後の立ち上がりをイメージできていること

入社して最初の90日間で何をするか、具体的にイメージできている方は早期に成果を出し、信頼を獲得しています。IRで会社の課題を理解していれば、このイメージはぐっと具体的になります。詳しくは転職後の最初の90日 完全ガイドをご覧ください。

また、事業モデルや収益モデルが複雑な会社も多くあります。そんなときは担当のエージェントに質問してみるのも一つの手です。すべてはご自身のキャリアの成功のためですから、使えるリソースは最大限活用していきましょう。エージェントの選び方は転職エージェント選び方ガイドにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. IR資料はどこで見られますか?

A. 企業サイトの「IR情報」「投資家の皆さまへ」といったページにまとまっています。有価証券報告書は金融庁のEDINET、決算短信や適時開示は東証の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)でも無料で見られます。

Q2. 何から読めばいいですか?

A. 最新の決算説明資料(スライド)から読むのがおすすめです。図表が多く、会社が何を重視しているかがわかりやすいからです。次に中期経営計画、最後に有価証券報告書の「事業の内容」「事業等のリスク」「従業員の状況」を読めば十分です。

Q3. 1社あたりどれくらい時間をかければいいですか?

A. 本命の企業なら2〜3時間、それ以外は30分〜1時間が目安です。最終面接の前日には、最新の決算と適時開示だけでも必ず見直してください。

Q4. 財務の知識がなくても読めますか?

A. 決算説明資料なら、財務の知識がなくても読めるように作られています。「売上と利益が伸びているか」「どの事業が伸びているか」がわかれば、面接には十分です。経理・財務職を受ける方は、もう一歩踏み込んで財務諸表まで読みましょう。

Q5. 面接でIRの数字を出すと、知ったかぶりに思われませんか?

A. 数字そのものを並べると、そう受け取られることがあります。「資料で○○を拝見し、△△に関心を持ちました」と、関心の理由として使うのが自然です。

Q6. 未上場のスタートアップはどう調べればいいですか?

A. 業界トップの上場企業のIRで業界を理解し、STARTUP DBやINITIALで資金調達の履歴、官報の決算公告、プレスリリース、経営者の発信を組み合わせて調べます。最後はカジュアル面談やエージェントを通じて、ランウェイや組織の状況を確認してください。

Q7. IRに書いてあることは信用していいですか?

A. 有価証券報告書は法律に基づく書類で、虚偽の記載には罰則があるため、数字は信頼できます。一方、決算説明資料や統合報告書は「見せ方」の工夫がされているので、リスクの記載や過去の業績予想の修正履歴とあわせて読むのがおすすめです。

まとめ:IRを読む人は、面接でも入社後も強い

  • IRは、無料で読める最高の企業研究テキスト
  • 決算説明資料 → 中期経営計画 → 有価証券報告書の順に読む
  • ライバル会社のIRも読み、比べて強み・弱みを整理する
  • 面接では、数字の暗記ではなく「課題」と「自分の経験」をつなげて話す
  • 最新の決算と役員の異動は、面接の直前に必ず確認する
  • 未上場企業は、業界トップのIR+資金調達情報+面談で補う

転職は人生における大きな決断です。だからこそ、正しい情報と信頼できるパートナーが必要です。IRを読む手間を惜しまない方は、面接で評価されるだけでなく、入社後のミスマッチも少ないというのが、私の実感です。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップを中心に、21年の転職支援実績がございます。受ける企業の事業や財務の見方がわからない、という方も含めて、キャリアに関するお悩みがあれば、ぜひお気軽に高野までご相談ください。

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この記事を書いた人

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。1万2000件以上のキャリア面談、4,000名以上の経営者と採用相談にのる。80社以上のエンジェル投資、投資して上場は9社。うち2社は役員として上場(クラウドワークス、メドレー)。178社以上の上場支援実績。顧問・社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数300回以上。「ベンチャーの作法」(ダイヤモンド社)5万部を超えるベストセラー

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