こんにちは、ベンチャー・スタートアップ・CxO転職の支援をしているキープレイヤーズの高野秀敏です。約25年、経営者・CxO・幹部人材の転職を1,000人以上伴走してきました。
この記事はもともと「英語ができてもダメはダメ——グローバル市場で生き残る能力は英語だけではない」というタイトルで2017年に書いたものです。当時の主張——英語ができるだけでは人材としての価値にならない、「海外で働きたい」という漠然とした希望は評価されない、外資系=英語力ではない——は、9年経った今もまったく変わっていません。むしろ生成AIの翻訳が当たり前になった今、「英語だけ」の価値はさらに下がりました。
一方で、「では英語は転職に関係ないのか」と聞かれれば、答えはノーです。英語を使う部署の中途採用で、企業の53.8%がTOEICスコアを要件または参考にしており、その平均は620点。TOEIC800点以上の人は、スコアなしの人より平均年収が100万円以上高いというデータがあります。英語は「決め手」にはならないが、「掛け算の片側」としては確実に効く——これが現場の実感です。
この記事では、IIBC(TOEIC運営団体)の企業調査、TOEICの最新スコア分布、大手エージェントの求人データ、dodaの年収データをもとに、英語力が転職でどう評価されるのか、TOEIC何点から効くのか、業種・職種別に必要なレベル、「英語だけ」の人が落ちる理由、英語を武器に変える掛け算の作り方、職務経歴書・面接での伝え方まで整理します。
- 企業が中途採用で求めるTOEICスコアの実態——要件・参考にする企業53.8%、平均620点、昇進要件は役員でも600点
- TOEICスコア別(〜595点/600〜/700〜/800〜/900〜)の転職市場での評価と、社会人受験者の分布(795点以上は21.9%)
- 英語力と年収の関係——800点台で487万円・900点以上で534万円、相関が出るのは700点から
- 外資系・商社・メーカー海外部門・スタートアップ・CxOで、それぞれ求められる英語のレベル
- 「英語ができるだけ」の人が落ちる3つの理由と、生成AI時代に残る英語の価値
- 専門性×英語の掛け算パターン、職務経歴書・面接での伝え方、失敗パターン7つ、年代別アドバイス、FAQ 8問
結論:英語は転職の「決め手」ではないが、「掛け算の片側」として確実に効く
先に結論をまとめます。
- 英語力単体で内定は出ない。企業が採用しているのは「英語ができる人」ではなく「うちの事業を前に進められる人で、かつ英語でもそれができる人」です。
- ただし、英語が「足切り」になる求人は一定数ある。大手エージェントJACリクルートメントの求人データ(2026年3月時点)では、日系企業の5.8%、外資系企業の8.4%の求人がTOEICスコアを求めており、そのうち約6割が「600点以上」または「700点以上」です。
- 同じ専門性なら、英語ができる人のほうが選択肢と年収レンジが広がる。dodaの調査では、年収とTOEICスコアの相関は700点から現れ、800点以上でスコアなしの人より100万円以上高くなります。
- 「海外で働きたい」「英語を使いたい」を志望動機にした瞬間、評価は下がる。企業が知りたいのは「英語を使って何を成し遂げるのか」であって、あなたの願望ではありません。
私が面談で出会う「英語ができる人」は大きく2種類に分かれます。英語が「専門性の上に乗っている」人と、英語が「専門性の代わりになっている」人です。前者は引く手あまた、後者はどこに行っても苦戦します。この記事は、後者から前者に移るための記事だと思って読んでください。
データで見る「企業が中途採用で求める英語力」
まず、企業側が本当のところ英語をどう見ているのか、TOEICを運営するIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)の「英語活用実態調査2019」(企業・団体528社、2018年11月〜2019年2月)から確認します。現時点で公表されている企業向け調査としては最新のものです。
| 項目 | 数値 | 読み方 |
|---|---|---|
| 英語を使用する部署の中途採用でTOEIC L&Rスコアを「要件」としている | 10.2% | 1割は明確な足切りがある |
| 同・「参考」としている | 43.6% | 合計53.8%がスコアを見ている |
| 中途採用で要件・参考とするスコアの平均 | 620点 | 新卒採用(545点)より75点高い |
| 中途社員に期待する平均スコア | 560点 | 「英語を使わない部署」も含めた全体の期待値 |
| 部門別の期待スコア | 技術560点/営業575点/海外部門690点 | 海外部門でも700点に届かない |
| 昇進・昇格で要件・参考とするスコアの平均 | 係長515点/課長530点/部長565点/役員600点 | 役員でも600点。「高得点」は求められていない |
| 海外出張者・海外赴任者に要件・参考とするスコア | 620点/635点 | 赴任でも650点に届かない |
| 「採用や異動時に一定の英語能力が求められる」と答えた企業 | 現在18.0% → 3年後の見通し36.7% | 英語が必要な範囲は約2倍に広がる見通し |
| 「英語は海外取引がある部署だけで使われる」 | 現在61.0% → 3年後38.8% | 「海外部署だけの話」ではなくなる |
出典:IIBC「英語活用実態調査2019」(企業・団体)。TOEIC L&Rスコアは5点刻みで平均を算出。
この表から読み取れることは3つあります。
- 企業が求めているスコアは意外と低い。中途採用の平均要件は620点、役員昇進でも600点です。「900点ないと転職に使えない」というのは誤解で、企業側は「読み書きと最低限の会話ができること」を確認したいだけです。
- ただし、半数以上の企業がスコアを見ている。「要件」は1割でも「参考」を含めれば53.8%。履歴書にスコアがあれば加点、なければ不明扱いになります。
- 英語が求められる範囲は広がっている。「採用・異動時に英語能力が求められる」企業は3年で2倍になる見通しでした。この調査から7年経った今、実際に多くの日系企業で英語要件が一般職種にも広がっています。
求人データで見る「英語必須求人」の割合とスコア分布
次に、実際の求人ではどうか。ハイクラス向け転職エージェントのJACリクルートメントが公開している自社求人データ(2026年3月17日時点)を見ると、
- TOEICスコアを求める求人の割合:日系企業5.8%、外資系企業8.4%
- 求められるスコアの分布:600点未満16.5%、600点以上31.1%、700点以上32.7%、800点以上19.6%、900点以上0.1%
- 職種別にTOEIC要件がある割合:法務・知財13.9%、購買・物流・生産管理10.1%、内部統制・監査10.1%、メディカル・バイオ9.6%、総務・広報8.6%
- 業種別:商社14.7%、電機・機械・化学などの製造業9.3%、メディカル・バイオ8.3%、Web4.6%
意外に思われるかもしれませんが、外資系でもTOEICを求人票に書いている求人は1割以下です。理由は後述しますが、外資系は「スコア」ではなく「英語で仕事をした経験」を見るからです。逆に日系企業の法務・購買・監査といった「海外拠点や海外取引先と文書でやり取りする職種」はスコアを明記する傾向があります。
TOEICスコア別:転職市場での評価の目安
ここでは、TOEIC L&Rのスコア帯ごとに、転職市場でどう評価されるかを整理します。あわせて、2024年度のTOEIC公開テストの社会人受験者(312,258人、平均644点)の分布も載せておきます。「自分がどの位置にいるか」を客観的に知ってください。
| スコア帯 | 社会人受験者の分布(2024年度) | 転職市場での評価 | 履歴書への記載 |
|---|---|---|---|
| 〜595点 | 約37%(595点未満) | 英語力としての加点はほぼない。「英語が苦手ではない」程度 | 職種によっては書かないほうが無難 |
| 600〜695点 | 約21% | 企業の中途採用要件の平均(620点)をクリア。海外拠点とのメール、資料の読解ができる前提で見られる | 記載する。日系企業では十分アピールになる |
| 700〜795点 | 約20% | 「実務で英語を使える」と評価される最初のライン。年収との相関が出始める。求人要件の3分の1がこの帯 | 必ず記載。英語使用経験とセットで書く |
| 800〜895点 | 約16% | 差別化になる。外資・グローバル企業の書類選考で「英語は問題なし」と判断される。年収差が明確に出る | 記載+Speakingの実力を裏付ける経験を添える |
| 900点以上 | 約6% | 英語力は「前提」扱いになり、評価軸はマネジメント力・専門性に移る。スコアだけでは伸びしろがない | 記載するが、英語以外の実績を主役にする |
出典:IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025」(2024年度公開テスト、社会人312,258人)。全体の受験者数は735,425人、平均615点(社会人644点、学生592点)。分布は45点刻みの公表値を合算した概数。
私が現場で見ている感覚も、この表と一致します。700点が「実務で使える」の入口、800点が「差別化」のライン、900点は「そこから先は英語以外で勝負」です。900点を超えても評価が上がらないと悩む方が多いのですが、それは当然で、企業側は「900点の人」ではなく「英語で成果を出した人」を探しています。
TOEICは「読み書き」の指標。話せるかどうかは別で見られる
注意してほしいのは、TOEIC L&Rはリスニングとリーディングの試験で、スピーキングは測っていないことです。外資系企業や海外部門の面接で英語面接が入るのはこのためです。私の知人の外資系人事は「TOEIC850点で英語面接が成立しない人と、650点で普通に商談できる人がいる。だから我々はスコアを信用しない」と言い切っていました。スコアが高い方ほど、「話せることの証拠」(英語での商談・プレゼン・海外メンバーのマネジメント経験)を職務経歴書に書いておく必要があります。
英語力と年収の関係——相関は700点から、800点以上で+100万円
「英語ができると年収が上がるのか」は、多くの方が気にするところです。dodaが2023年12月に公開した「平均年収ランキング2023」のTOEICスコア別分析(dodaエージェントサービス登録者)によると、
| TOEICスコア | 平均年収 | 備考 |
|---|---|---|
| 400〜600点台 | ほぼ横ばい | スコアなしとの差はほとんどない |
| 700〜799点 | 相関が出始める | ここから右肩上がり |
| 800〜899点 | 487万円 | スコアなしより100万円以上高い |
| 900点以上 | 534万円 | スコアなしより150万円以上高い |
出典:doda「TOEICスコアが高いほど年収は高い!」(平均年収ランキング2023、2023年12月)。各スコア帯の平均年齢は300点未満(34.5歳)を除きほぼ32歳前後で、年齢差による影響は小さい。
もうひとつ、TOEIC受験者側のデータも興味深いです。2024年度の公開テストを役職別に見ると、一般社員の平均628点に対して、係長625点、課長651点、部長672点、役員686点。職種別では海外部門724点、法務701点、財務691点、経営678点が上位で、技術589点、製造552点が下位です。また「英語を主言語とする国に2年超滞在した人」の平均は746点、滞在なしは498点でした。
ただし、ここは率直に言っておきます。これは相関であって因果ではありません。英語ができるから年収が高いのではなく、年収の高い職種・役職(法務、財務、経営、海外事業)に英語が必要で、そこに就ける専門性のある人が英語も身につけている、と読むのが正しい。スコアだけ上げても、乗せる専門性がなければ年収は動きません。
業種・職種別:転職で求められる英語のレベル
「どのくらい必要か」は、行き先で大きく違います。大手転職エージェント各社の公開情報と、私の現場感をあわせて整理しました。
| 行き先 | 目安(TOEIC L&R) | 実際に求められる英語 | 高野のひとこと |
|---|---|---|---|
| 日系企業の国内職種(海外取引なし) | 不問〜600点 | ほぼ使わない。600点以上なら「英語アレルギーなし」の加点 | スコアより「異動で海外案件を振れる人」と見られるメリット |
| 日系企業の海外営業・海外事業・購買・法務 | 650〜750点 | メール・契約書の読解・テレカン。話す機会は週数回 | 要件平均620点だが、現実には700点前後の人が採用されている |
| 商社 | 730点〜 | 取引先との交渉、現地法人との調整。業種別で最もスコア要件が多い(14.7%) | 「英語で交渉した経験」が最重要 |
| 外資系企業のバックオフィス(経理・人事・総務) | 650〜750点 | 本社への英文レポート、英文メール。会話は限定的 | 読み書き中心。「外資=英語ペラペラ必須」ではない典型 |
| 外資系企業のフロント(営業・マーケ・コンサル) | 750〜900点 | 本社・リージョンとの会議、英語での提案・報告。英語面接あり | スコアより「英語で成果を出した実績」で判断される |
| 外資系金融のフロントオフィス | 800点〜(実質は会話力) | 意思疎通できるスピーキング必須。TOEICは見られない | 「英語面接で落ちる」が最多の失敗パターン |
| スタートアップ(国内事業中心) | 不問 | 使わない。ただし海外投資家・海外採用が始まると急に必要になる | 英語ができる人が「海外担当」を任されて役割が広がるケースが多い |
| スタートアップ(グローバル展開・海外投資家あり) | 750点〜(実質は会話力) | 海外メンバーとの日常会話、投資家向け説明、英語ドキュメント | CxO候補は「英語でボードミーティングができるか」を見られる |
| 海外赴任・海外駐在 | 635点〜(企業要件平均) | 現地スタッフのマネジメント、本社への報告 | スコア以上に「現地で1人で判断できる胆力」が問われる |
ポイントは、「外資系=高い英語力」ではなく、「英語で何をする職種か」で必要なレベルが決まることです。外資系でも日本法人の国内営業やバックオフィスは、英語を使う場面が驚くほど少ない会社があります。逆に日系メーカーの海外事業部のほうが、毎日英語で交渉している、ということも珍しくありません。外資系企業からの転職の実態は外資系からベンチャー・スタートアップ転職の実態と成功戦略でも詳しく書いています。
「英語ができてもダメ」——旧記事から変わらない3つの真実
ここからは、2017年の旧記事の主張を、今の視点で改めて書きます。9年前に書いたことが、残念ながら今も当てはまっています。
1. グローバル募集で最後に残るのは、日本人ではない
転職者と面談すると、「海外に勤務したい」「グローバルに働きたい」という言葉がよく出てきます。その意気や良し、と言いたいところですが、コトはそんなに甘くありません。
実際、海外事業に関する募集で「日本語と英語ができ、リーダーシップがあり、地頭が良く、文化的耐性もある」という条件で探すと、日本人ではなく中国人や東南アジア出身の方が残ることがよくあります。日本人以外のビジネスパーソンは、たいてい母国語とは別に英語が話せます。英語は彼らにとって「当たり前」であって、武器ではないのです。
とはいえ、「日本人を雇うほうが安心だ」という感覚を持つ日本企業がまだ多いことから、今のところ日本人が有利になっています。ただ、それが通用するのも日本企業のグローバル化が浅いうちだけでしょう。「なんとなく安心」が根拠のない思い込みだとわかったとき、本当に日本人はグローバルな人材市場で生き残れるのか。英語「だけ」で勝負しようとしている方は、真剣に考えてみる必要があります。
2. 外資系=英語力、ではない
英語を使って仕事をしたい、と考える人は、往々にして「英語ができればなんとかなる」と考えがちです。ところが実際は、ビジネスパーソンとして価値ある人材でなければ、英語ができてもメリットにつながりません。他にたいしたスキルはないというのでは、「人材」としての価値が低いのが実情です。
先ほどのJACのデータを思い出してください。外資系の求人でTOEICスコアを求めているのは8.4%だけでした。外資系企業が見ているのは「英語で仕事をした実績」であって、点数ではないのです。それに、いくら外資系企業といえども日本でビジネスをしているため、英語を使う機会がほとんどないポジションも珍しくありません。
3. 海外で働くことを甘く見てはいけない
漠然と「海外で働きたい」はNGです。海外と一言でいっても、地域によって千差万別です。世界経済の中心アメリカなのか、成長著しい東南アジア・インドなのか、成熟したヨーロッパなのか。それによって必要とされるスキルも(語学に限らず)異なりますし、市場にチャレンジする熱意も変わってくるはずです。「海外ならどこでもいい」という考えでは、企業へのアピールにはなりません。
「留学歴、渡航歴がある」だけもNGです。「上海への留学歴があるので、上海で働きたい」。これでは自分の経験を述べているにすぎず、アピールとしては弱い。では、どこまで話せれば良いか。
これくらいまで話せると、自分の経験と希望勤務地の研究、さらには相手先の企業研究までしていることがわかり、インパクトは大きいのです。「英語ができる」「留学した」ではなく、「その市場で、自分の専門性を使って、何を成し遂げるか」を語れるかどうか。ここが英語を武器にできる人とできない人の分かれ目です。
生成AI時代に「英語だけ」の価値はさらに下がった——しかし英語の価値はなくなっていない
2017年当時と決定的に違うのは、生成AIの存在です。英文メール、契約書の読解、資料の翻訳は、今やAIで数秒です。「読み書きができる」という英語力は、明確にコモディティ化しました。TOEIC700点レベルの読み書きは、もはや差別化要因ではありません。
では英語は不要になったのか。IIBCが2026年3月に行った調査(英語コミュニケーションで生成AIを使った経験のある20〜50代1,032人)では、約49%が「英語へのハードルが下がった」と感じる一方、71.3%が「生成AIの英語が正しく伝わっているか不安」を経験し、84.8%が「AIが進化しても人間が英語を学ぶ必要がある」と答えています。理由の1位は「直接コミュニケーションの重要性」(50.7%)、2位は「ニュアンス理解の必要性」(49.6%)。
私の実感も同じです。AIで代替されないのは「その場で信頼を作る英語」です。海外投資家との1on1、現地チームとの衝突の調整、採用面接での口説き——こういう場面では、翻訳アプリを介した瞬間に相手の温度が下がります。逆に言えば、これからの英語力の価値は「読み書き」から「話して信頼を作る力」に完全に移った、ということです。AI時代に求められるスキル全般はAI時代に求められるスキル10選にまとめています。
英語を「武器」に変える掛け算——専門性×英語のパターン
英語が「専門性の代わり」ではなく「専門性の上に乗る」状態を作るには、何と掛け合わせるかを決める必要があります。私が見てきた中で、市場価値が明確に上がる掛け算を整理します。
| 掛け算 | 市場価値が上がる理由 | 目指すポジション例 | 英語で必要な場面 |
|---|---|---|---|
| 法務×英語 | 英文契約のレビューができる法務は慢性的に不足。TOEIC要件のある職種で1位(13.9%) | グローバル企業の法務、スタートアップの法務責任者、海外M&Aの契約実務 | 英文契約書のドラフト・交渉、海外弁護士とのやり取り |
| 財務・経理×英語 | 海外子会社の連結、海外投資家対応、英文開示ができる人材は年収が跳ねやすい | 外資系のFP&A、IPO準備企業のCFO室、海外展開スタートアップの経理責任者 | 本社への英文レポート、投資家への説明 |
| エンジニア×英語 | 海外エンジニアの採用・マネジメント、英語ドキュメントの一次情報アクセス。海外採用を進めるスタートアップで急騰中 | グローバルチームのEM/VPoE、海外開発拠点の立ち上げ | 英語でのコードレビュー、海外メンバーとの1on1 |
| 営業×英語 | 海外の顧客・パートナーを開拓できる営業は、単価も裁量も大きい | 海外営業責任者、海外パートナーアライアンス、外資SaaSのエンタープライズ営業 | 英語での商談・プレゼン・交渉 |
| マネジメント×英語 | 多国籍チームを率いた経験は、CxO・海外拠点責任者への最短ルート | 海外現地法人社長、グローバルスタートアップのCOO/CHRO | 英語でのボードミーティング、多国籍メンバーの評価・採用 |
| 専門性なし×英語のみ | 通訳・翻訳・英文事務はAIに代替されつつあり、年収も上がりにくい | — | まず専門性を作ることを優先 |
ベンチャー・スタートアップでも、シリーズB以降で海外投資家が入ったり、海外採用を始めたりすると、社内に「英語ができる人」が突然必要になります。私の支援先で、営業として入社した方が「英語ができるから」と海外パートナー開拓を任され、2年で海外事業責任者になった例もあります。ベンチャー転職の完全ガイドで書いているとおり、ベンチャーは「役割の空白」が多い。英語はその空白を取りに行く格好の武器になります。海外での新規事業立ち上げのキャリアパスは転職して海外で新規事業を立ち上げる方法で詳しく書きました。
英語力の伝え方——職務経歴書と面接で「使える」ことを証明する
英語力はスコアで書くだけでは半分しか伝わりません。「使った経験」と「その結果」をセットで書いてください。
職務経歴書での書き方
- スコアは取得年月とセットで。「TOEIC L&R 815点(2025年6月)」。2年以上前のスコアは、可能なら取り直す。企業は「今の英語力」を知りたい。
- 使用場面と頻度を具体的に。「海外子会社(シンガポール・タイ)との週次会議を英語で主催(週2回)」「英文契約書のファーストドラフト作成(年20本)」など。
- 英語で出した成果を数字で。「英語での提案により米国パートナー2社と契約、年間売上1.2億円」。英語は手段で、成果が主役。
- 「ビジネスレベル」「日常会話レベル」は使わない。企業によって定義が違い、面接で必ず突っ込まれる。「〜ができる」という具体的な動作で書く。
- Speakingの証拠を添える。TOEIC S&Wや、英語での登壇・プレゼン経験があれば必ず書く。
外資系IT企業向けの英文レジュメの書き方は外資系IT企業に受かる英語の履歴書・職務経歴書の書き方を、日本語の職務経歴書全般はベンチャー転職の職務経歴書完全ガイドを参考にしてください。
面接での伝え方——「英語を使いたい」は言わない
志望動機で「英語を活かしたい」「グローバルに働きたい」と言うのは、私はおすすめしません。企業から見れば「あなたの自己実現のために採用するわけではない」からです。言い換えるなら、「御社の◯◯事業(海外展開・海外パートナー・多国籍チーム)で、私の△△の経験を英語で活かして□□に貢献したい」。英語は文の主語ではなく、手段として添えるのが正解です。
英語面接が入る場合は、日本語の面接内容を英語で言えるように準備するのが基本です。自己紹介・転職理由・実績・志望動機・逆質問の5点を、それぞれ1分以内で英語で言えるようにしておく。ここで詰まると、TOEICが何点でも「話せない人」と判断されます。面接全般の準備は中途採用の面接対策完全ガイドを参照してください。
今すぐ転職すべきか、スコアを上げてからか——判断基準と7ステップ
「TOEICを上げてから転職活動をしたほうがいいですか」は非常によく受ける質問です。私の答えは、ほとんどの場合「今動きながら、並行して上げる」です。理由は、英語が足切りになる求人は全体の1割以下で、残りの9割は専門性と実績で決まるからです。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 行きたい求人にスコア要件があり、あと50点足りない | 2〜3ヶ月集中して取ってから応募 | 足切りは足切り。50点なら短期で届く |
| 行きたい求人にスコア要件があり、200点以上足りない | 今の専門性で狙える別の求人に動きつつ、1年計画で上げる | 200点は半年〜1年かかる。その間に市場が変わる |
| スコア要件はないが「英語力歓迎」と書いてある | 今すぐ応募。スコアは職務経歴書に現状を書く | 「歓迎」は加点要素。専門性が合えば通る |
| スコアはあるが英語で仕事をした経験がない | 現職で英語を使う機会(海外案件・海外拠点との連携)を取りに行ってから動く | 「経験」のほうがスコアより評価される |
| 年齢が35歳以上で英語未経験 | 英語は後回し。専門性と実績で動く | 35歳以降は実績で判断される。英語はプラスアルファ |
英語を転職に活かす7ステップ
- 「英語で何をしたいか」を1文にする。「英語を使いたい」ではなく「海外パートナー開拓で売上を作りたい」のように、成果と結びつける。
- 現在のスコアを最新にする。2年以上前なら受け直す。700点未満なら、まず700点を目標にする(年収相関が出始めるライン)。
- 現職で英語を使う実績を1つ作る。海外案件への手挙げ、海外拠点との連携、英文資料の作成。「使った経験」が最強の証拠。
- 掛け算のパターンを決める。法務・財務・エンジニア・営業・マネジメントのどれと掛けるか。専門性が薄いなら、まず専門性。
- 職務経歴書に「スコア+場面+成果」で書く。「ビジネスレベル」という言葉は使わない。
- 英語面接の5点セットを準備する。自己紹介・転職理由・実績・志望動機・逆質問を各1分で。
- 英語案件に強いエージェントと、専門性に強いエージェントを併用する。外資・グローバル案件は求人票に出ないものが多い。エージェントの選び方は転職エージェントの選び方完全ガイドで。
英語を武器に転職するのが向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 英語を使って達成したい「事業上の目的」がある | 「英語を使うこと」自体が目的になっている |
| 法務・財務・技術・営業など、英語の下に乗せる専門性がある | 専門性が薄く、英語が唯一のアピールポイント |
| 行きたい国・地域と、そこでやりたい事業が具体的 | 「海外ならどこでもいい」 |
| 英語で衝突や交渉を経験し、面倒くささを知っている | 英語で仕事をしたことがなく、留学・旅行のイメージで語っている |
| AIを使い倒しながら、対面の英語は自分で話す | AIがあるから英語は不要、または逆にAIを一切使わない |
| スコアが上がらなくても専門性で転職できる自信がある | スコアが上がるまで転職活動を止めてしまう |
英語を軸にした転職で失敗するパターン7つ
- 「英語を活かしたい」を志望動機にして落ちる。最も多い失敗です。企業はあなたの願望ではなく、事業への貢献を聞いています。
- TOEIC900点で「英語ができる人」枠に入り、専門性を問われて詰まる。900点以上は英語が「前提」扱いになり、評価軸が専門性に移ります。英語以外の実績が薄いと、逆に厳しく見られます。
- スコアは高いが英語面接で話せない。TOEIC L&Rはスピーキングを測っていません。外資系の英語面接で最も多い不合格理由です。
- 外資系に入ったら英語をまったく使わなかった。「外資=英語」ではありません。日本法人の国内向けポジションは日本語だけで完結することが多い。「英語を使う仕事」がしたいなら、入社前に使用頻度を確認する。転職の失敗・後悔ガイドでも「入社前に確認すべきこと」をまとめています。
- 「海外で働きたい」だけで海外赴任ポジションに応募し、現地で潰れる。海外赴任で問われるのは英語より「1人で判断する胆力」と「現地スタッフとの関係構築」。憧れだけで行くと厳しい。
- スコアが上がるまで転職活動を止める。200点上げるのに1年かかる間に、市場も年齢も変わります。9割の求人は専門性で決まるので、並行して動くべきです。
- AI翻訳に頼りきって、対面で信頼を失う。メールはAIで完璧なのに、会議で一言も話せない——これは海外メンバーからの信頼を確実に落とします。「読み書きはAI、対面は自分」の使い分けを。
年代別:英語力を転職にどう活かすか
20代——スコアが最も効く年代。700点を取って「海外案件の手挙げ」を
20代はポテンシャル採用なので、TOEICスコアが素直に加点されます。まず700点。そのうえで、現職で海外案件・海外拠点との連携に手を挙げ、「英語で仕事をした経験」を1つ作る。これだけで20代後半の転職市場での選択肢が明らかに広がります。20代のベンチャー転職完全ガイドでも書いたとおり、20代は「役割の空白」を取りに行く年代。グローバル展開を始めたスタートアップで「英語ができる若手」は重宝されます。
30代——専門性が主役、英語は掛け算。海外投資家・海外拠点がある企業を狙う
30代は職務経験で判断されます。英語は「専門性×英語」の掛け算として効く年代で、法務・財務・エンジニア・営業のいずれかに英語が乗ると、年収レンジが一段上がります。目安は700〜750点、グローバル業務なら800点以上。海外投資家が入ったシリーズB以降のスタートアップは、この掛け算を持つ人を「海外担当の責任者候補」として採ることが多い。年収・手取りガイドで報酬パッケージの考え方も確認してください。
40代以上——マネジメント×英語でCxO・海外拠点責任者へ。スコアは二の次
40代以降は実績とマネジメント経験がすべてで、TOEICスコアで評価が動くことはほぼありません。効くのは「多国籍チームを率いた」「海外拠点を立ち上げた」「海外投資家に説明した」という経験です。この経験があれば、CxO転職ガイドで書いているグローバルスタートアップのCOO・CHRO、海外現地法人社長といったポジションが視野に入ります。逆に英語未経験の40代が今からスコアを上げて転職に活かすのは、正直効率が悪い。専門性と実績で勝負してください。年代ごとの戦略全体は年齢別転職ガイドにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. TOEICは何点から履歴書に書いていいですか?
目安は600点以上です。企業が中途採用で要件・参考にするスコアの平均が620点なので、600点あれば「英語アレルギーはない」という加点になります。595点以下は、英語を使わない職種なら書かなくても構いません。700点以上なら必ず書いてください。
Q2. TOEIC800点あれば外資系に転職できますか?
書類選考で「英語は問題なし」と判断される水準ですが、外資系はスコアより「英語で仕事をした経験」と英語面接の受け答えを見ます。800点でも英語面接で話せなければ通りませんし、650点でも商談経験があれば通ることがあります。スコアと並行して、話す証拠を作ってください。
Q3. 英語ができると年収はどのくらい上がりますか?
dodaの調査では、TOEIC800〜899点の平均年収は487万円、900点以上は534万円で、スコアなしの人より100万〜150万円以上高い結果でした。ただしこれは相関で、英語が必要な高年収職種(法務・財務・経営・海外事業)に就いている人のスコアが高い、と読むべきです。専門性なしでスコアだけ上げても年収は動きません。
Q4. 生成AIがあるので、もう英語は勉強しなくていいですか?
読み書きはAIで十分な時代になりましたが、対面で信頼を作る英語は代替されていません。IIBCの2026年3月の調査でも、生成AI利用者の84.8%が「人間が英語を学ぶ必要がある」と答え、71.3%が「AIの英語が正しく伝わっているか不安」を経験しています。私の答えは「読み書きはAI、話すのは自分」です。
Q5. 英語を使う仕事がしたいのですが、志望動機でどう言えばいいですか?
「英語を使いたい」とは言わず、「御社の◯◯事業(海外展開・海外パートナー・多国籍チーム)で、私の△△の経験を英語で活かして□□に貢献したい」と言い換えてください。英語は主語ではなく手段。企業が知りたいのは「英語で何を成し遂げるか」です。
Q6. 留学経験は転職で評価されますか?
「留学した」という事実だけでは弱いです。「留学先で見た◯◯という事業モデルが、その地域の△△という特徴と合っていた。自分の経験を活かせば御社でも□□ができる」というところまで、市場と自分の専門性を結びつけて語れると強い材料になります。本文の「上海」の例を参考にしてください。
Q7. スタートアップに英語は必要ですか?
国内事業中心なら不要です。ただし海外投資家が入ったり海外採用を始めたりすると、急に必要になります。英語ができる人が「海外担当」を任されて役割が広がるケースは多く、ベンチャーでは英語が「役割の空白」を取りに行く武器になります。フェーズごとの見極めはスタートアップのフェーズ別転職ガイドを参考にしてください。
Q8. 40代で英語未経験ですが、今から勉強して転職に活かせますか?
正直に言うと、転職のためだけなら効率は良くありません。40代の評価は実績とマネジメント経験で決まり、スコアで動くことはほぼないからです。専門性と実績で転職し、入社後に海外案件を取りに行くほうが現実的です。ただし現職で海外拠点やグローバル案件に関われる機会があるなら、それは全力で取りに行ってください。「経験」は40代でも十分に武器になります。
まとめ——英語は「掛け算の片側」。もう片側の専門性を先に作る
英語力は転職に有利です。中途採用で半数以上の企業がスコアを見ており、700点から年収との相関が出て、800点以上で100万円以上の差がつく。これは事実です。
しかし、9年前に書いたことは今も変わりません。英語ができるだけでは、人材としての価値にならない。グローバル募集で最後に残るのは英語が当たり前の非日本人であり、外資系が見ているのはスコアではなく英語で出した成果であり、「海外で働きたい」という漠然とした希望は評価されない。そして生成AIによって、「読み書きの英語」は完全にコモディティになりました。
残るのは、専門性×英語、そして対面で信頼を作る英語です。法務でも財務でもエンジニアでも営業でもマネジメントでも構いません。まず片側の専門性を作り、その上に英語を乗せる。順番を間違えなければ、英語はあなたのキャリアの選択肢と年収レンジを確実に広げてくれます。
キープレイヤーズでは、海外展開を進めるベンチャー・スタートアップや、グローバルチームを率いるCxO・幹部ポジションのご紹介を数多く行っています。「英語をどう活かせばいいか」「専門性と英語の掛け算をどう作るか」で迷っている方は、お気軽にご相談ください。


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