32歳の転職では、総じて即戦力が求められるケースが多いです。大卒でも社会人歴が長くなるため、これまでに培ってきたスキルや実績が重視され、入社後はすぐに活躍してくれる人材として期待される年齢です。
32歳で初めて転職活動をする方は、そもそもどのように情報収集を始めたらよいかわからない人もいると思います。逆に転職経験者の場合は、離職リスクが高いと評価されてしまわないかどうか不安に思う人もいるでしょう。
この記事では、32歳の転職事情や転職の成功体験談・失敗談を紹介します。求められる経験やスキル、転職成功のコツも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
32歳で転職する人数や比率は?
32歳で転職する人数を集計した信頼できるデータはありませんでしたが、25歳〜34歳で転職する人の人数は総務省の労働力調査で明らかになっています。
2019年の25歳〜34歳転職者数は86万人ほどで、転職者比率は7.8%でした。
7.8%と聞くと少なく感じるかもしれませんが、実際には約12人に1人の割合で転職していることになります。意外と多いと感じるのではないでしょうか?
32歳でも転職は可能?
結論からいうと、32歳での転職は可能です。むしろ適齢期ともいえるほど、転職しやすい年齢であるといえます。
冒頭のとおり、32歳は総じて即戦力として評価される年齢です。
これまでの経歴を上手くアピールすることができれば、年収や待遇条件をアップさせることも十分できるでしょう。
一方で、異業種への転職を考えている場合にはそれなりの覚悟が必要な年齢になります。未経験OKの分野では、柔軟性の高い20代の需要が高いため、ポテンシャル採用として評価されることは難しくなります。
32歳で転職を考える際は、これまでのスキルや経験をどのように活かせるのか意識すると成功しやすいです。
どのような流れで転職活動をしたら良いかわからない人は、人材のプロである転職サービスにに登録してみるのがおすすめです。自分に転職は難しいと考えていた場合でも、意外とあっさり転職できてしまうケースもよくあります。
また、スカウトサービスの利用もおすすめです。自分に興味を持った企業からオファーを受けられるので、意外な強みに気づけるかもしれません。
32歳の転職成功事例
32歳女性の転職成功事例です。
32歳で転職しました。
もともと商業施設の販売企画を担当していましたが、業績の悪化から今後の先行きに不安を感じていたところでした。正直32歳で転職できるとは思っていませんでしたが、ダメ元で登録したスカウトサイトから意外にもたくさんのオファーをいただけたんです。
商業施設に力を入れている不動産系の企業が多く、中には業績のよい企業もありました。これはチャンスだと思い応募したところ、ありがたいことに2社から内定をいただけました。そのうちの1社に入社することになり、現在は施設運営に携わっています。
32歳の転職失敗事例
一方で、32歳で転職に失敗した人もいます。
ほかにも32歳転職の失敗例として、これまでの仕事のやり方からなかなか離れられないケースや、やっぱり前の職場に戻りたいと思ってしまうケースなどがあります。
32歳はキャリアアップや年収アップを狙えるタイミングですが、環境を変えることで自分の強みを活かせなくなるリスクがあることもおさえておきましょう。企業選びには特に力を入れると良いでしょう。
自分とマッチする企業を探すには、企業側からオファーを貰えるスカウトサイトの利用が便利です。自分を採用したいと考えている企業からの連絡を待ってみましょう。
30歳転職のメリット
30歳で転職するメリットを紹介します。
条件アップを狙った転職には適齢期
32歳は、好条件での転職には適齢期です。
転職するに至るまでの事情は人によってさまざまかと思いますが、32歳ではキャリアアップや年収アップなど、ポジティブな理由から転職する人も多いです。
また実際に、経験やスキル次第で大幅な年収アップを実現することも可能です。
転職経験がないと、どうしても新卒で入社した会社の価値基準に左右されがちですが、働く企業を変えるだけで50万〜100万円以上の年収アップに成功する事例もあります。
これまでの人脈が評価につながるケースも
32歳になると、社会人経験を経て得た人脈は多岐にわたるでしょう。
スキルや実績はもちろんですが、人脈が評価につながるケースは多いです。
人脈というと、どこか他人の力を借りているように思えるかもしれません。
しかし、「〇〇さんの頼みなら…」という言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
他人とのつながりは、結局はその人自身の人となりが成した結果のひとつです。
これまでの仕事を通じて築き上げてきた人脈は、大きな武器になるでしょう。
32歳転職のデメリット
32歳で転職するデメリットを紹介します。
全く違う環境でのスタートになる
1つ目のデメリットは「全く違う環境でのスタートになる」ことです。
入社後10年も経つと、自分が思っている以上に会社の価値観や雰囲気に影響を受けているものです。
転職経験のある人はもう少し短いかもしれませんが、いずれにせよ、これまで慣れ親しんできた環境から離れ、新しい場所でスタートを切ることとなります。
もちろん場合によっては好転する可能性もありますが、これまでに使ったことのないシステムや、社内のちょっとしたルールなどを覚えるのに最初は苦労するかもしれません。
自分の力が社外でも発揮できるかどうか、転職する前に考えてみる必要があるでしょう。
ポテンシャル採用は難しい
2つ目のデメリットは「ポテンシャル採用は難しい」ことです。
30代になると、スキルや経験、人脈などが適切に評価されやすくなる一方、「未経験OK」などのポテンシャル採用は見込めないと思った方がよいでしょう。
そのため、異業界や異職種への転職は厳しくなります。30代の転職では、基本的に即戦力が求められるため、どうしてもチャレンジしたい場合は自力で知識やスキルを習得してから応募する形になるでしょう。
基本はこれまでの経験を活かした転職をおすすめしますが、思わぬ業界や職種で自分の経験を活かせるケースもあります。企業選びの際は、できるだけ広い視野を持つとよいでしょう。
32歳で転職すべきケース
32歳で転職すべきケースを紹介します。
待遇条件や年収が同業他社と乖離している
1つ目は、「待遇条件や年収が同業他社と乖離している」場合です。
同じようなスキルや実績で、同じような業務内容をこなしていても、同業他社に比べて著しく評価が低いケースがあります。年収や待遇条件は、思っている以上に環境で変わるので、自分が適切な評価を得られていないと感じる場合は転職を検討するとよいでしょう。
なお、自分の市場価値がわからない場合は「duda」の適正年収診断を受けてみるとよいでしょう。無料で利用できるうえ必要時間も3分なので、手軽に自分の市場価値をチェックしたい人におすすめです。
結婚や出産で現職を続けるのが難しい
2つ目は、「結婚や出産で現職を続けるのが難しい」場合です。
結婚や子育てなどのライフイベントが発生して、価値観や考え方に変化が出ることはごく自然なことです。共働きの場合などは、一方の転勤などでどちらかが異動や転職せざるを得ない状況に直面することもあるでしょう。
リモートワークや時短制度がうまく活用できればよいですが、そうでない場合は転職して環境を変えてみるとよいでしょう。
自分のライフプランに合わせて、最適な環境に身を置くようにしましょう。
明らかに環境に問題がある場合
3つ目は、「明らかに環境に問題がある場合」場合です。
業務量が多くても、役職についている場合は、残業代が出ないケースもあるでしょう。特に中間管理職の場合は、上層部と部下の間を取り持たなければならないため、精神的に負荷のかかる場合も多いです。
他責思考はよくないとはいえ、どれだけ能力があっても、適切な環境下でなければ実力を発揮するのは困難です。
あまりにも環境に問題がある場合は、今の職場で無理し続けることはおすすめしません。メンタルを壊してしまう前に環境を変えるようにしましょう。
また、パワハラやセクハラなどで悩みを抱えている場合は、公的な相談窓口に連絡することをおすすめします。厚生労働省の運営する「あかるい職場応援団」では、職場に関する悩み・相談を受け付けています。
32歳での転職で問われる能力・スキル
32歳の転職で問われる能力・スキルについて紹介します。
臨機応変に対応できる力
1つ目は「臨機応変に対応できる力」です。32歳になると社会経験が長いので、一般的なビジネスの流れは理解できていることが期待されます。
もちろん、新しい職場になると学び直しになる部分も出てきますが、わからないことは適切なタイミングで確認を取るなど、落ち着いた判断が求められるようになります。
TPOに応じて柔軟に対応できる人は評価されやすいでしょう。
後輩や部下の指導ができる
単に任された業務を遂行するだけでなく「後輩や部下の指導ができる」人は評価されやすいです。どのような仕事であれ、他人との関わり一切なしで完結する業務はほとんどありません。
年齢的に後輩や部下がいる世代でしょうから、人を束ねた経験がある人は積極的にアピールしましょう。
一方で、スペシャリストとして専門の分野に特化するキャリアも存在します。これまでに指導経験がない人は、これを機に自分のキャリアを見直してみるとよいでしょう。
32歳の転職では、資格はあまり意味を成しません。ほぼ実務経験のみで判断されます。
資格がないと行ってはならない「独占業務」の場合のみ、転職の最低条件として定められていることがあるので、確認しましょう。
32歳転職に成功できる人の共通点
32歳転職に成功できる人の共通点を紹介します。
相手の考えを汲み取る力がある
意欲や熱意など、自分の気持ちをアピールすることも大切ですが、それにくわえて「相手の考えを汲み取る力がある」人は評価されやすく、転職に成功するケースが多いです。
面接の際も、「相手が期待している回答は何か」に着目してスムーズな返しができるとよいでしょう。適切にコミュニケーションが取れる人は、中途採用でも問題なく職場に溶け込めると判断されます。
質問に対して、相手の知りたいことに着目して、簡潔に答えられるようにしておきましょう。
転職先が求めている人材として自分をアピールできる
「転職先が求めている人材として自分をアピールできる」力も重要です。先にご紹介した相手の考えを汲み取る力にもつながりますが、いかに相手視点に立って考えられるかは重要です。
年収や待遇などもそうですが、自分の希望の前に「相手が求めているものは何か」を考えるようにしましょう。まずは自分が相手視点で動くことで、結果的に評価につながる可能性が高いです。
32歳転職に失敗する人の共通点
一方で、32歳転職に失敗する人には以下のような共通点があります。
経歴をごまかしてしまう
以外に思うかもしれませんが、経歴をごまかしてしまう人は想像以上に多いです。「バレなければいいだろう」と軽い気持ちで経歴に関する嘘をついたり、誇張したりしてしまうケースがありますが、最悪の場合解雇されてしまうこともあるので絶対にやめておきましょう。
少しでも評価してもらいたい気持ちはわかりますが、自己アピールと嘘をつくことは全く違います。自分の経歴を過剰によく見せようとするのはやめてましょう。
転職先に求める条件が自分のスキルと乖離している
32歳は転職適齢期ですが、必ずしも待遇条件や収入がアップするとは限りません。
転職の際は個人の能力がそのまま市場価値として現れるので、あまりにも理想の高い転職先ばかりを求めていると、いつまでたっても進展しない可能性があります。
入社時は条件がダウンしても、その後の実績次第では生涯年収がアップする可能性があるので、目先の情報だけに左右されないようにしましょう。あとから後悔することのないよう、入社前に評価制度などは確認しておくとよいでしょう。
32歳転職におすすめの転職サービス
32歳転職におすすめの転職サービスを紹介します。具体的なサイト名も挙げているので、参考にしてみてください。
転職サイト
転職の情報収集に必須といっても過言でない「転職サイト」。希望する条件や自分のプロフィールを登録しておくことで、いろいろな企業の求人をチェックできます。検索条件なども細かく設定できるので、自分が気になる企業を簡単に探すことができます。
具体的には、「リクナビNEXT」「doda」が総合型求人サイトとしておすすめです。求人掲載数が多く網羅性も高いので、どれに登録してよいかわからない人は、まずはこの2つに登録してみましょう。
転職エージェント
転職エージェントは、2〜3社に登録しておくことをおすすめします。転職エージェントとは求人紹介や面接対策などのサポートをしてもらえるサービスのことで、一人ひとりに担当がつき転職を二人三脚で支援してくれます。
転職エージェントサービスといってもさまざまで、総合型転職エージェントから専門特化型転職までたくさんあります。すぐの転職を希望していない場合でも、相談から受け付けてくれるので、初めて転職を考えている人には安心です。
具体的には、「リクルートエージェント」「doda(エージェントサービス)」がおすすめです。1社だけだと情報が偏ってしまう場合もあるので、どちらにも登録しておくとよいでしょう。
スカウトサイト
登録しておくだけで自分を採用したい企業からスカウトをもらうことができるサービス「スカウトサイト」。
スカウトと聞くと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、転職活動ではメジャーなサービスです。また、プロフィールを埋めることで、キャリアの棚卸しができるので転職活動を始めるタイミングで登録だけでもすませておくことをおすすめします。
具体的には、ハイクラス向けのスカウトオファーがもらいやすい「ビズリーチ」がおすすめです。
まとめ
以上、32歳で転職する人の割合から、転職事情、おすすめのサービスまで紹介しました。
32歳はこれまでの実績やスキルが評価されやすく、年収アップや待遇条件アップを狙える可能性が十分にあります。社会人全体でみても転職しやすい世代にあたりますので、転職を考えている人は自信をもって行動してみましょう。
少しでも転職に興味を持ったら、できるだけ早くスタートすることをおすすめします。現職を続けるか転職するか判断がつかない場合は、まずは情報収集からはじめてみるのもよいでしょう。
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